つらいせき・たんなどに
呼吸器とは、鼻から口、気管、肺など、外部からの空気を取り入れて吐き出す器官の総称です。
外部から取り入れられた空気は、気管を通って気管支に入り、さらにその先端にある肺胞に運ばれます。肺胞では、空気中に含まれる酸素と、体内で生じた二酸化炭素の交換が行われます。
呼吸によって、気道にはごく小さな異物や細菌などが入ってきます。
それらの異物をキャッチし、気管支を常にきれいに保つはたらきをしているのが、気管の粘膜を覆う細かな線毛と気道液です。気管支に入ってきた異物を、粘膜から分泌される粘液がキャッチし、線毛がエスカレーターのように、粘液と異物をのどのほうに運び出します。
また、線毛は肺サーファクタントと呼ばれる液体を含む気道液で常にうるおっています。この気道液は、粘液を出しやすくするとともに、線毛の運動をサポートしています。
線毛は、煙草や排気ガスなどの刺激で炎症を起こして抜けてしまい、機能が低下することがあります。また、気道液の分泌量が低下するとたんの粘り気が増して、線毛の運動に支障をきたしやすくなります。こうした気道液の減少や線毛の脱落によって、肺の浄化機能が低下します。有害な物質がスムーズに排出されないと、肺や気管に汚れがたまります。また、これらを排出しようとするために、せきやたんがひんぱんに出ます。
つまり、慢性的にせきやたんが出るといった状態は、呼吸器からのSOSといえます。
放っておくと、呼吸器の機能低下をまねいてしまうのです。
清肺湯は16種類の生薬を組み合わせた漢方薬です。
清肺湯の効果は、去痰作用と抗炎症作用の2つの作用によるものと考えられています。