“あったらいいな”をカタチにするのが、私たち小林製薬のものづくり精神。その思 いから誕生した「熱さまシート」開発の舞台裏、ちょっぴりご紹介します。 「熱が出た時に、貼るタイプの冷却シートがあれば、おでこからズリ落ちなくて便利かも!?」。 商品づくりの前に、消費者のみなさんに、「熱が出た時、どうやってオデコを冷やしますか?」というアンケートを行いました。多くの人が濡れタオルや氷マクラなどを使っていましたが「額からズリ落ちる」「すぐ温まってよく冷えない」「固くて使いづらい」などなど不満もいっぱい。目指す新商品は“冷やす手間なくすぐ使えて、寝返りをうってもズリ落ちず、冷却効果が長続きするもの”に決定! 「この商品を誰に使ってもらいたいか」を考えた時、心に浮かんだことがあります。それは、熱を出す頻度が高い子どもたちのこと。「熱がある時は、大人でもつらいのに…」。 そこで早速子ども用の商品開発に着手。まずは、社員の子どもたちの「額の面積調査」。子どもたちが使いやすいサイズにするために、たくさんのオデコのデータを集めました。 サイズだけではなく、オデコに貼った時の「貼り心地」も大切です。イメージしたのは、熱で苦しむ子どもの額に「やさしくあてがってあげる」という感覚。貼ることの負担や違和感をなくすために、重さや肌ざわりに配慮しつつも、「しっかり冷やせる」安心感ある厚みを考えました。 実は、この「厚み」がなかなかの難関。というのも、厚みの大部分は水分なので、すぐに形が崩れてしまうプルプル状態だからです。均一の厚さのものを大量生産するのも大変なら、全国に配送して消費者のみなさんの手に届くまで均一の厚さをキープさせておくのも大変。工場の機械を工夫して、包装紙も考えて…。たくさんの人が、知恵を絞り苦労を重ねました。 もうひとつ、大切なポイントが「ひんやり感」。冷たすぎず、気持ちよく、しっかりオデコを冷やせるように、開発している社員自身が使用感テストを行いました。くる日もくる日も、何度も何度も、試作品をオデコに貼っては冷感をチェック。そのうちに、ひんやり感を生みだしているメントール含有率のわずかな違いまで感知できるようになったそうで す。 大きさ、厚さ、冷たさなど、試行錯誤してつくられた新製品。でも、まだ完成ではありません。今度は試作品を病院で使用してもらう臨床実験が待っています。さまざまな意見を聞いて、さらに製品をブラッシュアップしていきました。 たくさんの情報や技術や手間をかけて完成させた自信作。でも、商品として発売する前に、もうひとつハードルが残っています。それは、多くの社外モニターに実際に使ってもらい、使いやすさや快適さなどを判定してもらうこと。チェック項目すべてで合格点に達しなければ、商品にはなりません。その結果は… ユーステストのチェック項目すべてにおいて高得点!商品の発売が正式に決定しました。「これまでにない商品だから、店頭で商品を見たお客様に、そのメリットがすぐ伝わるように…」。そんな思いで名付けた「熱さまシート」というわかりやすいネーミング。子どもたちにも親しみやすい「熱さまくん」のキャラクターも誕生しました。 満を持して発売された「熱さまシート」。その売れ行きは当初の予想を大きく上回り、お店では品切れが続出。また、子どもたちの熱対策はもちろん、「のぼせ対策」「暑さ凌ぎ」「冷感で疲れをリフレッシュ」などにも使われていることがわかりました。「今度は、さまざまな熱を冷ます商品をつくろう!」たくさんの人々に求められる、より良い商品をつくるために「熱さまシート」のさらなる挑戦は、まだまだ続くのでした。 |