循環型社会への貢献

水使用量の削減に関する定性目標の設定

当社では今後ますます深刻化することが予想されている水資源問題を重要な環境課題の一つとして捉え、各国内生産工場での水使用量の削減、水質保全活動に取り組んできました。
2022年に新たに「水使用量の削減に関する定性目標」を設定したことで、今後さらなる活動の推進を図っていきます。

水使用量の削減に関する定性目標

取水量・排水量・排水の質などについて毎年継続的にモニタリングを行い、良質な製品の安定的な生産を実現しつつ、水使用量を可能な限り削減する。また、事業に影響を与える水関連のリスクの把握を継続的に行い、リスクの低減に努める。

事業活動における水使用量の推移(国内)

事業活動における水使用量の推移(国内)

廃棄物削減

限りある資源を大切に利用するためにも、また廃棄物による地球環境への負荷を減らすためにも、廃棄物削減は重要です。

小林製薬グループでは、生産効率の向上、資源の有効活用と廃棄物の徹底した分別による再資源化、リサイクルに取り組み、ゼロエミッションの実現に向けた廃棄物の削減に努めています。

産業廃棄物排出量の推移

産業廃棄物排出量の推移

ゼロエミッションとは

一般的には、発生した廃棄物を徹底分別しリサイクルすることで、単なる焼却や埋立てによって処分する産業廃棄物をなくすことです。小林製薬グループでは、発生した廃棄物のうち、最終処分地で処理する廃棄物量を1%未満にすること、と定義しています。

資源を消費するのではなくリユースやリサイクル活動によって循環させていくサーキュラーエコノミーの実現はさまざまな廃棄物問題の解決や気候変動への対策としても有効な手段となります。
当社は、循環型社会の実現に向けて、自治体、他企業などと協働した取り組みを行っています。

北九州市における使用済みプラスチックの回収実証実験「MEGURU BOX」に参画

2021年7月より北九州市、10社以上の企業・団体が連携して、福岡県北九州市内の小売店舗、公共施設などで使用済みプラスチック容器を回収し、資源循環の仕組み化を目指すプロジェクトに参画しています。

小売店舗や公共施設に設置されたMEGURU BOX
小売店舗や公共施設に設置されたMEGURU BOX

競合の垣根を超えた協働でつめ替えパックの水平リサイクルに挑戦

2021年より神戸市、小売・日用品メーカー・リサイクラー18社が連携し、神戸市内の小売店舗で洗剤やシャンプーなど使用済みの日用品のつめ替えパックを回収してつめ替えパックに戻す「水平リサイクル」を目指すプロジェクト「神戸プラスチックネクスト」に参画しています。

2021年は約1.13tのつめ替えパックを回収できました。

神戸プラスチックネクストロゴ

新しい梱包方法の導入で梱包資材ごみを約50%削減

当社として初めて、販売店舗に納品する際の梱包資材としてシュリンクフィルムとエアクッションを採用しました。多品種でサイズも形状もさまざまな当社製品に対し、これまではダンボールの緩衝材を組み合わせて対応していましたが、この取り組みを行うことでより少ない資材での梱包が可能となります。今回導入したいずれの製品も、従来の梱包方法と比べて、梱包資材の総使用量が重量比換算で約50%削減できます。

新しい梱包方法の導入で梱包資材ごみを約50%削減

リサイクル活動の推進

2021年度のリサイクル率は、99.9%となりました。
今後は、リサイクル率の向上とともに、サーマル・リサイクル(焼却の際に発生するエネルギーも回収・再利用)からマテリアルリサイクル(使用済み製品や生産工程から発生するゴミを回収し利用しやすいように処理して新しい製品の材料や原料に使用)へのシフトをさらに進めていきます。

リサイクル量とリサイクル率の推移

リサイクル量とリサイクル率の推移

段ボールクローズドリサイクルの取り組み

小林製薬グループ・国際紙パルプ商事㈱および保有するネットワークが協業し、流通過程で発生する使用済みの段ボールの一部を古紙として回収、段ボールを循環製造に活用する取り組みを行います。
段ボールの購入から廃棄までという従来のプロセスを拡大し、使用済み段ボールの再資源化とリサイクル段ボールの購入まで含む、循環型プロセスとなり環境負荷の低減を図ります。

小林製薬グループとサプライヤーの協業により実現された包括的なリサイクルであり、使用済み段ボールの廃棄量を削減するとともに、リサイクル包材のさらなる利用促進につながります。

段ボールクローズドリサイクルの取り組み

「アイボン」で洗眼薬市場初バイオマス原材料配合ボトルを採用

当社の販売する医薬品の中でも、特にプラスチック使用量の多い「アイボン」の本体ボトルを、環境保護を考えたバイオマス原材料を配合したものに変更しました。これにより、従来品と同等の機能・品質を維持しながら、石油由来のプラスチック使用量を年間で19t削減することを見込んでいます。

OTC医薬品市場における洗眼薬として初(2022年12月時点、当社調べ)

「アイボン」写真

「消臭元SAVON」が「消臭元」ブランドで初
つめ替えの発売でプラスチック使用量を約76%削減

2023年4月に発売した「消臭元SAVON」は、大容量リキッドタイプの「消臭元」ブランドで初めて、つめ替えを発売しました。使用後に、本体容器は毎回廃棄することになっていましたが、「消臭元SAVON」は、本体容器とつめ替えを購入・併用するだけで、プラスチック使用量を約76%削減できます。

「消臭元」ならではの製品構造により、つめ替え対応品の開発ハードルは高かったことに加え、つめ替えがまだ浸透していない市場においてチャレンジングな取り組みとなる本製品は12年の歳月をかけて開発しました。

本体容器を買い替えて使った際のプラスチック使用量と比較

「消臭元SAVON」のボトルと詰め替え商品の写真