コーポレートガバナンス

企業統治体制の概要

当社は、コーポレート・ガバナンスの充実を経営の重要課題と捉えております。当社のコーポレート・ガバナンス体制の模式図は次のとおりです。

企業統治体制の概要

取締役会

取締役会は、社外取締役4名を含む7名の取締役で構成されており(社外監査役2名を含む4名の監査役も出席)、GOMで審議された内容等をチェックする機能を果たしております。また、取締役会の席上、社外取締役・社外監査役から活発な発言があり、外部視点による牽制が非常によく機能しております。

グループ執行審議会

当社では、監督と執行の分離を明確にするため執行役員制度を導入しております。執行役員を主な構成員とするグループ執行審議会(通称「GOM」、以下「GOM」といいます)を月に4回開催しており、執行に関する重要な案件について審議しております。

サステナビリティ委員会

サステナビリティ推進活動に取り組む専任組織として、当社社長を委員長、サステナビリティ経営本部長を副委員長としたサステナビリティ委員会を設置しています。月に1回開催し、サステナビリティ推進活動に関する方針や戦略の策定、ESG課題の審議やダイアログを実施しております。

報酬諮問委員会

取締役の報酬額決定プロセスの透明性を確保するため、外部識者、社外取締役並びに当社社長および担当役員を構成員とする報酬諮問委員会を設置しております。

人事指名委員会

取締役及び執行役員選任プロセスの透明性、公正性を確保するため、外部識者、社外取締役並びに当社社長および担当役員を構成員とする人事指名委員会を設置しております。

リスク管理委員会

小林製薬グループにおける経営リスクの顕在化を未然に防止、あるいは顕在化した場合の影響を極小化することを目的に主要役員を構成員としてリスク管理委員会を設置し、リスクマネジメント体制の構築及び推進を図っています。

アドバイザリーボード

取締役会やGOMを補佐する機関として、アドバイザリーボード(半年に1回)を開催しております。アドバイザリーボードは、社外取締役並びに当社会長、社長および担当役員を構成員としております。経営方針や経営の重要課題について、大所高所からの助言をいただき、日々の経営に反映しております。

企業統治の体制を採用する理由

上記のとおり、当社の企業統治の体制として、経営の監督と執行を分離する仕組みを採っております。アドバイザリーボード、報酬諮問委員会等を設定する等、必要に応じて取締役会およびGOMの機能を補佐しております。


また、当社は、経営陣に対しても現場の生の声を直接伝える機会を積極的に設けるなど、誰に対しても意見が言える非常に風通しの良い社風を持ち合わせております。この社風を維持、発展させることも有効なコーポレート・ガバナンスの手段であると考えております。

内部統制システムの整備の状況

当社では、毎年3月に取締役会において内部統制システムの基本方針について、必要に応じて見直しを行っております。この基本方針に従って、取締役会およびサステナビリティ委員会において内部統制システムの具体的な整備・構築を進めております。

リスク管理体制の整備の状況

経営リスクマネジメントに関する全般的事項を定めた「経営リスクマネジメント規程」を平成20年4月に制定し、この規程に基づき、様々な経営リスクへの適切な対応と経営リスクが顕在化した場合の影響の極小化を図っております。会計監査人である新日本有限責任監査法人とは、業務運用上の改善に繋がる情報共有を行っております。加えて、企業経営および日常の業務に関しては、適宜顧問弁護士などの専門家から経営判断上の参考とするためアドバイスを受けております。また、企業活動における法令遵守精神の徹底、強化を図るため、平成15年9月に「コンプライアンス指針」(「企業行動の基本方針」、「役員及び従業員の行動基準」)を制定しました。そしてこのコンプライアンス指針を全社的に積極的に展開するなど、コンプライアンスの意識向上を図っております。また、平成15年1月には従業員の窓口として「従業員相談室」を社内外に開設し、情報の早期収集・対応にも努めております。

内部統制システムの基本方針

小林製薬株式会社(以下、「当社」という)および当社グループは、経営理念に基づき企業活動を展開し、“あったらいいな”をカタチにしてお客さまの期待する製品やサービスを提供する企業として、社会の信頼・お客さまの期待を裏切らないよう、業務の適正を確保するための体制に関する基本方針を以下のとおりとします。

経営理念

我々は、絶えざる創造と革新によって新しいものを求め続け、人と社会に素晴らしい「快」を提供する

1.当社およびグループ各社の取締役および従業員の職務の執行が法令および定款に適合することを確保するための体制

(1)仕組み・制度

  1. 当社グループの役職員が法令遵守の精神と高い倫理観をもって行動するための指針として、「小林製薬グループ企業行動憲章」を制定します。また、当該憲章に基づき反社会的勢力とは一切の関係を持たず、毅然とした態度で対応するとともに、贈収賄を含むあらゆる形態の腐敗防止に取り組みます。
  2. 「小林製薬グループ企業行動憲章」に基づく役職員の誓約事項を記載した「役員および従業員等の誓約」を取得します。
  3. 各部署にコンプライアンス推進者を定め、コンプライアンス・プログラム等に関する各所属内での周知徹底、教育の実施、報告・相談の受け付け、およびコンプライアンス違反等の是正指導等を行います。
  4. 各事業部門およびグループ各社にコンプライアンスリーダーを定めます。コンプライアンスリーダーは、各事業部門等特有のコンプライアンス・プログラムの設定および実行ならびに健全な組織風土の醸成に関する責任を負います。
  5. 法改正情報を定期的に収集し、最新法令への対応を行います。
  6. コーポレートガバナンスまたはコンプライアンスに関するテーマを含むサステナビリティに関する重要事項を協議する機関として、サステナビリティ委員会(社長を委員長をとして、事業部門長、常勤監査役等で構成)を設置します。取締役などの選任や報酬の決定プロセスの公正性を担保するため、独立社外取締役を委員長とする「人事指名委員会」「報酬諮問委員会」(社外取締役、代表取締役、人事担当取締役及び社外有識者で構成)を設置します。また、独立社外取締役や代表取締役を中心メンバーとする「アドバイザリーボード」を設置し、重要な経営課題への必要な助言を得る体制を構築します。
  7. 法令上・企業倫理上の問題等に関する情報の早期把握および解決のため、国内外にそれぞれ内部通報窓口を設置します。なお、国内の社内窓口においては当社グループの退職者および取引先の従業員からの相談・通報についても受け付けます。通報があった場合には通報者に関する情報の秘密保持を徹底します。法令違反等の事実が判明した場合には、是正措置および再発防止策を策定し、実施します。
  8. 当社監査役は、当社の事業活動や社会情勢を踏まえて監査方針や重点監査項目を策定のうえ、経営の適法性、健全性を監査します。
  9. 被監査部門から独立した内部監査部門により、内部統制およびリスク管理体制の遵守・運用状況の監査を実施します。

(2)教育・意識改革

  1. 役職員に対し「小林製薬グループ企業行動憲章」を周知します。
  2. コンプライアンスの各種テーマに関するeラーニングを継続的に実施します。
  3. 管理職が講師となりコンプライアンスに関する各種テーマをディスカッションする「15分研修」を継続的に実施し、従業員等のコンプライアンス意識を醸成します。
  4. 階層別・職能別の履修科目を体系化したコンプライアンス教育プログラムを策定し、当該プログラムに基づくコンプライアンス教育を継続的に実施します。
  5. 社長をはじめとする経営会議メンバーは、コンプライアンス遵守の重要性等に関するメッセージを従業員等に対して継続的に発信します。
  6. コンプライアンス統括部門およびコンプライアンス推進者は、社内イントラネット(社内報含む)やメール配信等を通じて、コンプライアンス推進に関する事項を継続的に発信します。

(3)専門部門等による統制

  1. 総務部門は、各専門部門等から報告を受けた所管法令の遵守に関する統制状況を取りまとめ、サステナビリティ委員会および取締役会に継続的に報告を行います。
  2. 各専門部門等による統制状況の報告に不備がある場合、総務部門は必要に応じて指導を行います。

2.取締役の職務の執行に係る情報の保存および管理に関する体制

  1. 取締役の職務の執行に係る情報(取締役会議事録、経営会議議事録等の重要な書類およびその他の情報)は、文書管理規程、企業秘密管理規程、情報システム管理規程等の社内規程に基づき、保存および管理を行います。
  2. 取締役の職務の執行に係る情報は、取締役、監査役または内部監査部門から要請があった場合に備え、閲覧に応じる体制を維持します。
  3. 企業秘密管理規程に基づき、企業秘密の適正な管理を行います。
  4. 顧客や従業員の個人情報を適切に管理するために「個人情報保護に関する基本方針」を制定します。
  5. 情報セキュリティに対する外部からの攻撃および内部不正に関するリスクマネジメント体制を整備するために情報セキュリティ委員会を設置します。

3.当社およびグループ各社の損失の危険の管理に関する規程その他の体制

(1)平時のリスク管理体制

  1. 職制上のレポーティングライン(上長への報告等)に、リスク情報が適時に報告される体制を確保するため、「仕事の前では平等の精神の下」、上長に対して意見が言える組織風土の醸成に資する取り組みを継続的に行います。
  2. 危機管理規程に基づき、危機管理情報の当社社長への報告体制を整備します。
  3. 取引先に対する法令違反、人権侵害、その他の不適切行為の状況を把握するために取引先アンケートを毎年実施します。
  4. 従業員等のコンプライアンス意識、潜在的なコンプライアンスリスクおよびコンプライアンス違反の実態を把握し、問題がある事項の改善を図るために、コンプライアンス意識調査を継続的に行います。
  5. 経営リスクマネジメント規程に基づき、当社取締役会直轄のリスク管理委員会にて、当社グループのリスクマネジメントに関する計画等を策定し、当社取締役会において審議します。
  6. リスクマネジメントの推進部門を設け、経営リスクマネジメント規程に従い、横断的なリスクマネジメント体制の整備、運用、検証およびリスク情報の一元管理を行います。
  7. マンスリーレポート委員会を設置し、各部門長により報告を受けたリスク情報について管理部門の全部門長間で協議を行い、重要なリスク情報を経営会議に報告します。
  8. 各部門およびグループ各社において、リスクの洗い出しを行いそのリスクの低減等に取り組みます。経営に重大な影響を及ぼすおそれのあるリスクに関しては、担当部門から必要な情報を収集・整理し、適時経営会議に進捗報告を実施します。
  9. 各専門部門において、当社グループにおける法令遵守やリスク管理等が行われるよう支援および指導を行います。
  10. 法令に基づく情報開示を適切に行うとともに、全てのステークホルダーの様々な関心事に応える情報提供を行います。
  11. 当社グループを取り巻くリスクの顕在化により発生する損害を補填するため、適正な保険に加入するとともに、定期的に保険内容の見直しを行います。

(2)有事のクライシス対応体制

  1. 危機管理規程に基づき、当社社長を危機管理本部長とする危機管理本部を設置します。コンプライアンス違反等のクライシス発生時には、速やかに事態を適正に収拾させるとともに、原因の究明、経緯と影響度の把握、再発防止策の立案を実施します。
  2. ウイルス感染症や自然災害等の重大クライシスに対応するために、対策マニュアルや事業継続計画(BCP)等のコンティンジェンシープランを策定します。

4.当社およびグループ各社の取締役の職務の執行が効率的に行われることを確保するための体制

  1. 規程管理規程に基づき、当社およびグループ各社の諸規程類の体系化を行うとともに、諸規定類の制定、改廃等の手続きを適正かつ効率的に運用します。
  2. 当社取締役会を月1回以上開催するとともに、経営会議を原則月4回開催し、当社グループの業務執行に関する基本事項および重要事項に係る意思決定を機動的に行うことにより取締役の職務の効率的な執行を確保します。業務執行機能と監督機能の分離・明確化のため、当社において執行役員制を導入します。職務執行の効率化のため、執行役員制とあわせて事業部制を導入します。
  3. 当社取締役会において中期経営計画および各年度予算を立案し、当社グループ全体の目標を設定した上で、各部門においてはその目標達成に向け具体策を立案・実行します。また、経営会議で実績報告を適時受けることにより、職務執行の効率化を図ります。
  4. 当社取締役の任期を1年とし、取締役の責任の明確化を図ります。また、取締役の人数の最適化を図ることにより機動性を確保します。
  5. 組織規程および決裁関連規程等に基づき、職務執行に関する権限および責任を明確にするとともに業務の効率化を図ります。
  6. 印章管理規程に基づき、適切に印章および押印の管理を行うことにより、不適切な押印を防止するとともに業務の効率化を図ります。
  7. 当社役員との責任限定契約締結等により、積極的且つ適切なリスクテイクを促進します。
  8. DX(デジタルトランスフォーメーション)を推進することにより、業務の効率化、新たなビジネスモデルの創出および企業風土の変革等を図ります。

5.当社およびグループ各社から成る企業集団における業務の適正を確保するための体制

  1. 関係会社管理規程に基づき、当社とグループ各社間において、業務の適正を確保するための指示・報告および承認を迅速かつ効率的に行う体制を強化するとともに当社からグループ各社への指導および助言を行い、適切な内部統制システムを整備します。
  2. 内部監査部門は、当社およびグループ各社の事業活動を踏まえた定期監査項目および時々の社会情勢を踏まえて、年ごとに定めた重点監査項目につき監査を行い、その結果を毎月当社社長に報告します。また、監査役および各業務執行部門長に適時報告します。
  3. 当社から主要グループ各社にそれぞれ1名以上の取締役または監査役を派遣することにより、グループ各社の経営の健全性および適切なリスク管理を確保します。
  4. グループ各社の経営については、事業内容の適時適切な報告を経営会議にて行い、重要案件については当社取締役会または経営会議の承認を得ます。
  5. 当社およびグループ各社の業務執行は、グループ規程およびグループ各社の個別規程に従って実施し、当該規程の随時見直しを行います。
  6. 当社およびグループ各社の取締役は、適正な財務報告を行うことが社会的信用の維持・向上のために極めて重要であるとの認識のもと、会計監査人による実効性のある監査を含む財務報告の適正性を確保・維持するための体制を継続的に整備・運用します。

6.監査役がその職務を補助すべき従業員を置くことを求めた場合における当該従業員に関する事項

監査役がその職務を補助すべき従業員(以下、「監査役スタッフ」という)を置くことを求めた場合には、その人数と必要な知識・経験・権限などを取締役と監査役とで協議の上、配置します。

7.前項の従業員の取締役からの独立性、監査役の指示の実効性の確保に関する事項

監査役スタッフの任命、評価、異動および賞罰は、監査役会の同意を要するものとし、また、監査役スタッフは監査役の指揮命令のみに服し、取締役等からは指揮命令を受けず、報告義務もないものとします。

8.取締役および従業員が監査役に報告するための体制その他の監査役への報告に関する体制ならびに当該報告をしたことを理由として不利な取扱いを受けないことを確保するための体制

  1. 監査役会には、法定の事項に加え、当社グループに重大な影響を及ぼす事項、内部監査の実施状況、法令上および企業倫理上の問題に関する事項(従業員相談室の利用状況ならびにその内容を含む)を、当社およびグループ各社の取締役および該当部門が適時報告します。
  2. 当社の監査役は、当社の経営会議やサステナビリティ委員会等の主要会議体への出席、必要な記録へのアクセス、事業部門へのヒアリング等を通じて、監査に必要な情報の提供を受けることができます。
  3. 監査役がその職務の遂行に必要なものとして報告を求めた事項については、当社およびグループ各社の取締役または該当部門が速やかに監査役または監査役会に報告します。
  4. 上記1)~3)にて監査役に報告をした者は当該報告をしたことを理由に不利な扱いを受けないことを当社グループの役職員に周知します。

9.監査役の職務の執行について生ずる費用の前払または償還の手続その他の当該職務の執行について生ずる費用または債務の処理に係る方針

監査役が職務を執行するにあたり生ずる費用については、職務の執行に支障がないよう速やかに支払います。

10.その他、監査役の監査が実効的に行われることを確保するための体制

  1. 当社社長は、常勤監査役と毎月1度、監査役会とは四半期に1度、意見交換会を開催します。
  2. 会計監査人と監査役との連携を図るために、四半期に1度意見交換会を実施し、課題を共有する等、監査役監査の実効性を確保するための体制を整備します。
  3. 内部監査部門は、監査役監査規程および内部監査規程に基づき、監査役の監査に同行(共同監査)する等、緊密な連携を行い監査役監査の実効性を高めるよう努めます。
  4. 監査役会が、独自に専門の弁護士、公認会計士等から監査業務に関する助言を受ける機会を保証します。

以上

(制定 平成18年  5月15日)
(改定 平成19年  7月23日)
(改定 平成20年  6月27日)
(改定 平成20年11月11日)
(改定 平成21年  3月11日)
(改定 平成22年  6月29日)
(改定 平成25年  6月27日)
(改定 平成26年  6月27日)
(改定 平成27年  5月25日)
(改定 平成28年  6月29日)
(改定 平成29年 11月 1日)
(改定 令和 2年12月25日)
(改定 令和 3年12月10日)
(改定 令和 4年12月21日)
(改定 令和 5年12月  6日)