弊社から藤島先生に依頼をし、
頂いたコメントを編集して掲載しています。
カップ式の市販洗眼液を用いた臨床試験では、アレルギー症状時の掻痒感が有意に改善したというエビデンスがあります。
日本眼科学会のアレルギー性結膜疾患診療ガイドラインにも洗眼の有用性が記載されております。
防腐剤の含まれた市販洗眼液は角膜上皮障害を起こす危険があります。防腐剤の含まれない洗眼液をえらびましょう。
汚れを目に入れてしまっては逆効果です。目の周りの汚れを取ってから洗眼しましょう。特にマスカラなどが入らないように気を付けましょう。
目の周り同様、洗眼液のカップは清潔に保って下さい。カップの汚れをが目に入らないよう、利用後はしっかり洗い、乾燥させましょう!
市販洗眼液は用法用量を守り、
正しく使うことで、
眼のセルフケアの有用な手段と
なると考えられます。
使用し続けることで、涙の層(ムチン層)や常在菌まで洗い流してしまうという声もありますが、防腐剤無配合の市販洗眼液による洗眼を1日2回、1ヵ月間行った場合でも、影響は見受けられませんでした。
【試験概要】
対象:健康被験者21名42眼(男性17名、女性4名。平均年齢36.1土7.4歳)
方法:防腐剤無配合の市販洗眼液を用い、1日2回、洗眼した群(洗眼群, n-21)と、
洗眼しなかった群(非洗眼群, n=21)を1ヵ月間追跡し、膜型(MUC16)及び分泌型(MUC5AC)ムチンのmRNA発現塁を評価した。
COI:本研究は小林製薬株式会社の資金提供により行われた。著者に同社より謝礼金等を受領している者が含まれる。
【出典】
Yazu H et al: The Effect of Long-Term Use of an Eyewash Solution on the Ocular Surface Mucin Layer. Int J Mol Sci 20(20): 5078, 2019
より作画
洗眼を1ヵ月行った場合でも、模型および分泌型ムチンのmRNA発現量の減少はありませんでした。
【試験概要】
対象:健康被験者11名22眼
方法:防腐剤無配合の市販洗眼液を用い、1日2回、洗眼した群(洗眼群)と、洗眼しなかった群(非洗眼群)を1ヵ月間追跡し、眼内細菌叢の変化を評価した。
COI:著者に小林製薬株式会社の社員が含まれる。
【出典】
Saeki T et al :Long-term Effects of Eyewash Solution Use on the Conjunctival Bacterial Flora.Acta Scientific Ophthalmology 4.1 :27-42. 2021
より作画
また、眼内細菌叢の構成割合への影響も見られませんでした。
プールに入った後など、昔は当たり前だった水道水での洗眼は、現在推奨されていません。角膜上皮障害の危険性が指摘されています。