ヒト型セラミドのはたらきとは?乾燥肌や敏感肌におすすめの理由を解説
「ヒト型セラミドがよい」と耳にする機会が増えたものの、具体的にどのような成分で、ほかのセラミドとどう違うのかまでは知られていないことも多いようです。この記事では、ヒト型セラミドについてわかりやすく解説。肌タイプ別のヒト型セラミドのはたらきも紹介しています。とくに敏感肌が気になるという方は、最後までチェックしてください。
目次
(たけうち そう)
日本皮膚科学会 専門医
※弊社から竹内先生に監修を依頼し、編集して掲載しています。
1.そもそもセラミドってどんなもの?2つの特徴
セラミドは肌に含まれる保湿成分です。脂質の一種で、細胞と細胞をつなぎとめ、過度な水分蒸発を防いで肌の水分を保つ役割を果たします。さらに、外部刺激から肌を守る「バリア機能」も担っており、肌を健やかに保つうえで欠かせない成分です。
もともと肌に備わっている「天然の保湿成分」ですが、加齢や肌ダメージの蓄積により、減少する場合があります。
敏感肌・乾燥肌の方は、セラミド量が少ない傾向にあるので、肌のバリア機能が本来より弱い状態です。適切なセラミド補給により、肌本来のバリア機能を維持し、うるおいが長時間持続する健やかな肌が保てるでしょう。
1-1.肌のうるおいをキープする
セラミドは油となじみやすいのに加え、水分を抱え込めるのが特徴です。そのため、肌との親和性が高く、スキンケア成分として用いることで角質層になじみやすいとされています。また、角層内のうるおいを保つはたらきがあるため、乾燥によるカサつきや肌荒れを防ぐ効果が期待できるでしょう。
とくに、バリア機能が低下しやすい敏感肌や乾燥肌のケアに有効とされ、保湿成分のなかでも高い評価を受けています。保湿力が持続しやすいため、しっとりとした肌を長時間キープしたい方に適した成分です。
1-2.肌のバリア機能をサポートする
セラミドは角質層の細胞のすき間を埋めるように並び、水分や油分が層状に重なる「ラメラ構造」をつくることで、肌のバリア機能を支えています。セラミドが十分に機能することで、乾燥や外的刺激から肌を守りやすくなり、うるおいが保たれて乾燥による小じわが目立ちにくくなることもあるでしょう。
セラミドは加齢や摩擦、洗顔のしすぎなどさまざまな要因で減少します。しかし、スキンケアで補えるので、取り入れてみてはいかがでしょうか。
2.ヒト型セラミドとは?
ヒト型セラミドは、ヒトの肌に存在するセラミドと同じ立体構造の成分です。人の肌のセラミドと同一の形であるため、肌の細胞間脂質層に自然に組み込まれやすいのが特長です。本来のセラミドと同じように機能し、効率的な水分保持とバリア機能の維持につながります。
ヒト型セラミドについてしっかり理解するためには、「光学異性体」と「光学純度」という科学的な背景を知っておくことも大切です。次で解説するので、ヒト型セラミドの理解に役立ててくださいね。
2-1.「光学異性体」と「光学純度」とは?
セラミドのような立体構造を持つ成分には、「光学異性体」と呼ばれる、鏡合わせのような構造違いの分子が存在します。
人の肌に存在するセラミドは、たとえるなら右手のように特定の形をしています。ところが、人工的にセラミドを合成すると、右手と左手の両方の形をしたセラミドが作られてしまうことがあるのです。右手に左手用の手袋をはめようとしても違和感があるように、構造の違いによって、肌との相性にもさまざまな特徴が生まれると考えられています。
この“向きの違い”を適切に制御する指標が「光学純度」です。光学純度が高いほど肌に存在するセラミドと同じ立体構造のセラミドが多く含まれていることを意味し、高い保湿効果が期待できます。なお、ヒト型セラミドのように高い光学純度で製造する技術は非常に高度で、関連する研究はノーベル化学賞を受賞しています。
3.ヒト型セラミドが配合されている化粧品の見極め方
ヒト型セラミドが化粧品に配合されているかどうかは、成分表示欄をチェックすることで見極められます。表示名としては、主に「セラミド+数字」または「セラミド+アルファベット」の2パターンです。
以前は「セラミド1」「セラミド2」など、数字で示される表記が一般的でしたが、現在は国際的な成分表示のルールに合わせて、「セラミドNP」「セラミドAP」などアルファベット表記に移行する傾向があります。どちらの表記も、ヒト型セラミドを意味するものであり、成分としての違いはありません。
| 化粧品成分表示名 | |
|---|---|
| 旧名称 | 新名称 |
| セラミド1 | セラミドEOP |
| セラミド2 | セラミドNS セラミドNG |
| セラミド3 | セラミドNP |
| セラミド5 | セラミドAS セラミドAG |
| セラミド5 | セラミドAS セラミドAG |
| セラミド6 Ⅱ | セラミドAP |
| なし | セラミドEOS |
医薬部外品では、同じヒト型セラミドでも「N-ステアロイルジヒドロスフィンゴシン」や「N-アシルフィトスフィンゴシン」など、化学名で表記されていることがあります。
4.【肌タイプ別】ヒト型セラミドのはたらき
ヒトのセラミドと類似する構造を持つヒト型セラミドは、角層になじみがよいとされています。肌タイプによって、どのようなはたらきを期待できるのか見ていきましょう。
4-1.乾燥肌
乾燥肌は、角層内のセラミドが不足し、肌のバリア機能が低下している状態です。その結果、水分が逃げやすくなり、かさつきやつっぱり感が生じやすくなります。
ヒト型セラミドは、人の肌にもともと存在するセラミドと同じ構造を持つため、角層に自然になじむでしょう。すこやかなバリア機能の維持につながり、肌から水分が蒸発しにくく、肌内部にうるおいをとどめることも期待できます。
また、ヒト型セラミド自体が水分を抱え込む性質をもつ保湿成分であるため、乾燥を防ぎ、しっとりとした肌へ導くでしょう。うるおいのある肌を目指す方にとって、心強い成分といえます。
- 朝晩化粧水と乳液を併用し、水分と油分のバランスを整える
- 最後にクリームをプラスすると、肌からの水分蒸発を防ぎやすくなる
- 冬場や乾燥する季節は重点的に使用し、入浴後すぐの使用を忘れない
4-2.敏感肌
敏感肌は、外的刺激に対して過敏に反応しやすい肌です。とくに角層内のセラミドが不足すると、細胞間にすき間が生じ、そこから外的刺激を受けやすくなることがあります。
ヒト型セラミドは、外的刺激から肌を守るバリア機能を維持します。刺激に対して過敏に反応するときは、ヒト型セラミド配合のスキンケアアイテムを選んでみるのもよいかもしれません。
- どんな成分であったとしても自分の肌に合わないものがある
- 少量から段階的に使用量を増やし、肌の調子に合わせて使用頻度を調整する
4-3.インナードライ肌
インナードライ肌とは、表面は皮脂でべたつくけれど、角層内の水分が不足している状態の肌です。水分をさらに逃すことがないよう皮脂が過剰に分泌され、乾燥しているのに脂っぽくなってしまいます。
ヒト型セラミドは、角層内の水分を維持します。角層内がうるおうと皮脂の過剰分泌も抑制され、肌の内側も外側もうるおった状態に導かれるでしょう。
- 刺激の少ない洗顔料を使って、べたつきがちなTゾーンから皮脂と汚れを落とす
- 化粧品の油分が皮膚表面に過剰に残らないよう、適量を使用する
5.ヒト型セラミド配合のスキンケアアイテムの選び方
ヒト型セラミドが配合されたスキンケアアイテムは、どれもが同じというわけではありません。選び方を紹介するので、ご自身に合うアイテムを見つけてください。
5-1.配合されているヒト型セラミドの種類に注目する
【ヒト型セラミドの主な特徴】
| ヒト型セラミドの種類 | 特徴 |
|---|---|
| セラミド1(セラミドEOP) | ・水分保持機能 ・外部刺激に対するバリア機能 |
| セラミド2(セラミドNG) | ・バリア機能 ・肌の保湿機能のサポート |
| セラミド3(セラミドNP) | ・バリア機能 ・保湿効果 |
ヒト型セラミドには、上記以外にもさまざまな種類があります。種類によって期待できる効果が異なるため、どのような機能を求めているのか明確にしてから選ぶようにしましょう。
5-2.使用感のよさも大切なポイント
スキンケアアイテムは毎日使うため、使用感が合っていることも大切なポイントです。べたつきがないか、伸びがよいか、香りは好みかなどもチェックしてください。試供品をもらえるときは、試してから購入しましょう。
6.ヒト型セラミドに関するよくある質問
ヒト型セラミドについてのよくある質問とその答えをまとめました。ぜひ疑問解消に役立ててください。
6-1.Q.ヒト型セラミドと非ヒト型セラミドの違いは何ですか?
A.ヒト型セラミドはヒトの皮膚に存在するセラミドと類似した構造を持つセラミドで、非ヒト型セラミドは植物性セラミドや合成セラミドなどの異なる構造のセラミドです。一般に、ヒト型セラミドは浸透力が高く、保湿力に優れているとされています。
6-2.Q.ヒト型セラミドはどんな人におすすめですか?
A.ヒト型セラミドは人間が元々持つセラミドに類似した構造のため、敏感肌や乾燥肌の方はもちろん、オイリー肌や混合肌の方も使用できます。ただし、合う合わないは個人差があり、誰もがヒト型セラミド入りのスキンケアアイテムで肌状態を良好に保てるわけではありません。メーカーやアイテムによっても異なるため、試供品などで試しましょう。
6-3.Q.ヒト型セラミド配合のスキンケアアイテムの使用における注意事項はありますか?
A.スキンケアアイテムに記載されている使用量や頻度を守ることが大切です。過剰に使用しても効果が得られないばかりか、油分などヒト型セラミド以外の成分が過剰に塗布され、かえってトラブルの原因になることもあります。また、個人差があるため、使用前に試供品などを使ってみることも大切です。
7.スキンケア選びに迷ったら、ヒト型セラミドに注目しよう!
乾燥や外的刺激に肌が過敏に反応するようになったときは、スキンケアアイテムの見直しを検討するのも一つの方法です。スキンケアは人によって合う・合わないがあるため、どれほど評判のよい製品でも、必ずしも自分の肌に合うとは限りません。そんなときに注目したいのが、「ヒト型セラミド」です。
乾燥や肌のゆらぎが続いていると感じたら、成分に着目してスキンケアを選ぶ意識を持つことが大切です。今のケアに物足りなさを感じている方は、ヒト型セラミド配合のアイテムを一度取り入れてみてはいかがでしょうか。

※弊社から竹内先生に監修を依頼し、編集して掲載しています。

関連記事