敏感肌とはどんな状態?バリア機能が低下する原因と対策を知って健やかな肌に
「これまで使用していたスキンケアが突然合わなくなった」「季節の変わり目に肌トラブルが起こりやすくなった」と感じていませんか?それは、肌のバリア機能が一時的に低下している「敏感肌」かもしれません。この記事では、敏感肌の主な症状や原因から対策まで解説します。敏感肌が気になる方は、最後までご覧ください。
目次

(たけうち そう)
日本皮膚科学会 専門医
※弊社から竹内先生に監修を依頼し、編集して掲載しています。
1.敏感肌とは?
敏感肌とは、灼熱感やチクチク感・ヒリヒリ感などの不快な症状を感じる状態のことです。ただし、皮膚科学における明確な定義はありません。
健康な状態の肌には、外界からの刺激や異物の侵入を防ぐ「バリア機能」が備わっています。しかし、なんらかの理由でバリア機能が弱まると肌の乾燥が進み、少しの刺激にも敏感に反応してしまいます。場合によっては、かゆみや赤みなどが発生してしまうこともあるでしょう。
2.敏感肌に関係する「肌構造とバリア機能」
そもそも、肌の構造はどのようになっていて、どのようにバリア機能を担っているのでしょうか。ここでは、肌の構造とそれぞれの機能を解説します。
2-1. 肌の基本構造
肌は表皮、真皮、皮下組織で構成されています。
表皮は肌の一番外側にある層で、外部の刺激や異物、紫外線などから体を守る「バリア機能」を担う層です。また、水分の蒸発を防ぐ役割もあり、ターンオーバーによって常に新しい細胞に入れ替わっています。
真皮は表皮の内側にあり、肌の大部分を占める層です。コラーゲンやエラスチンが肌の弾力とハリを保ち、その隙間をヒアルロン酸が水分を抱え込み満たしています。血管や汗腺なども含むことから、肌を支え生理機能も営む重要な層ともいえるでしょう。
皮下組織は、皮膚の最も深い層です。主に脂肪細胞から構成されており、体温を保つ断熱材のような役割や、エネルギーの貯蔵、内臓や筋肉への衝撃を和らげるクッションの役割を担っています。
2-2. 肌を守るためには「角層」が重要
表皮のなかで最も外側にある角層は約0.02mm程度の薄さであるにもかかわらず、肌を守るバリア機能の要です。
角層はさらに「角質細胞」と、それらのすき間を満たす「細胞間脂質」で構成されています。なかでもセラミドに代表される細胞間脂質は、脂質と水分が交互に重なった「ラメラ構造」を形成しています。まるでミルフィーユのように何層も重なることで隙間を埋め、外部の刺激を遮断し、肌内部の水分を逃さず保持する働きを担っているのです。
それぞれ役割は異なるものの、角質細胞と細胞間脂質は互いに補い合いながら一体となり、肌と体のすこやかさを維持しているのです。
反対にこの構造が乱れると、バリア機能が低下し、肌荒れやトラブルを引きおこしやすくなります。このように、角層の健康を保つことは、健やかな肌を維持するために欠かせません。
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2-3. バリア機能が低下すると敏感肌につながる
バリア機能が低下すると肌は乾燥しやすく、水分を保持できない状態になります。結果として、肌内部がダメージを受けやすい状態になり、かゆみや赤み、ヒリつきなどの肌トラブルが生じやすくなるでしょう。
さらに、角層が不安定な状態では肌のキメが乱れ、粉をふいたような肌になることもあります。敏感肌をケアするには、まず角質のバリア機能を整えるケアが大切です。
3.敏感肌になってしまう2つの要因
敏感肌は生まれつきの体質だけでなく、後天的な影響によっても引き起こされると考えられています。とくに注目すべきは、「内的要因」と「外的要因」の2つの側面です。これらが単独で、または複合的に作用することで肌のターンオーバーが乱れ、肌のバリア機能が低下して敏感肌につながることがあります。
ターンオーバーとは、肌が古い細胞を排出し、新しい細胞へと入れ替わる生まれ変わりのプロセスのことです。通常は約28日周期で繰り返され、健康な肌はこのリズムが一定に保たれています。
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3-1. 内的要因
内的要因とは、体質や体内の状態、生活習慣など、身体の内側から肌に影響を与える要素のことです。内的要因によって肌のターンオーバーが遅れたり、早まったりする可能性があります。
肌のターンオーバーが遅れると、古い角質が肌表面に蓄積しやすくなります。この古い角質は、肌のゴワつきや毛穴の詰まりを引き起こすだけではありません。角質細胞間の保湿セラミドなどの生成にも影響を与え、バリア機能を低下させてしまいます。
- 加齢
- 栄養不足(偏った食生活など)
- 睡眠不足・睡眠の質の低下
- ストレスや疲労の蓄積
- ホルモンバランスの乱れ(生理前、更年期など)
- 自律神経の乱れ(過緊張やリラックス不足)
3-2. 外的要因
外的要因とは、肌に直接触れる環境やスキンケアなど、外部からの要因のことです。肌表面の角層を傷つけられると、それを修復しようとターンオーバーが早まってしまう場合があります。
ターンオーバーが過度に早まると、新しく生まれた角質細胞は未熟なまま肌表面に押し上げられます。この未熟な角質細胞は、肌のうるおいを保持する機能が不十分なため、乾燥を招きやすくなります。乾燥による水分不足により、ターンオーバーが遅れることもあるでしょう。
- 紫外線(肌の酸化・炎症を引き起こす)
- 摩擦(マスク、タオル、衣類など)
- 肌に合わないスキンケア
- 強すぎる洗顔やクレンジング
- 空気の乾燥や急激な気温変化
- 大気汚染や花粉、ホコリなどの外部物質
外的要因について
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4.敏感肌かどうか確かめたい!主な肌トラブル
それでは、敏感肌ではどのような肌トラブルが起こってしまうのでしょうか。主な肌トラブルについて解説します。
4-1. 肌の乾燥、つっぱり感
皮膚の一番外側にある角層のバリア機能が落ちると、肌内部の水分が蒸発しやすくなり、乾燥を招きます。とくに、角層細胞の間で水分を抱え込んでいる角層細胞間脂質(セラミドなど)が減少すると、肌はうるおいを保持できなくなり、水分がどんどん失われてしまうでしょう。
この状態では、洗顔後につっぱるような感覚を覚えたり、頬や口周りがカサつくといった症状が顕著に現れたりすることがあります。
4-2. 肌の赤み、かゆみ、ヒリヒリ感
敏感肌で肌のバリア機能が低下すると、外部からの刺激に対して非常に敏感になります。これは、肌内部に異物が侵入しやすくなっている証拠です。通常なら問題にならないような些細な刺激でも、肌は過剰に反応してしまいます。
たとえば、化粧品やスキンケア製品を普段通りに使用した際や、花粉、ホコリ、紫外線といった日常的な外部刺激に触れるだけで、赤み、かゆみ、ヒリヒリとした痛みを感じることがあります。
4-3. ニキビ、吹き出物などの肌荒れ
敏感肌はバリア機能の低下により、肌の生まれ変わりであるターンオーバーが乱れがちです。これにより古い角質がスムーズに剥がれ落ちずに毛穴に溜まりやすくなってしまいます。詰まった毛穴で炎症が生じたり、細菌増殖が起こったりすることで、ニキビや吹き出物といった肌荒れが発生しやすくなります。
ニキビをなんとかしようと洗いすぎるケアは、かえって肌に必要なうるおいを奪い、乾燥を引き起こして症状を悪化させる場合があるので注意が必要です。
5.敏感肌はどうすればよい?「保湿」と「肌のターンオーバー」が鍵
敏感肌のケアでは、失われた水分を補給し、うるおいバリアを補強することが重要です。角質に十分な水分を与え、適切な保湿ケアを心がけましょう。
乾燥から肌を守るとバリア機能が保持され、外部刺激から肌を守る効果も高まります。また、敏感肌の予防には、日ごろから肌のターンオーバーを乱さないような生活習慣を送ることも大切です。バランスの取れた食事や十分な睡眠を心がけ、健やかな肌を保ちましょう。
6.敏感肌に!うるおいを保つスキンケア
敏感肌のスキンケアは、「洗う・潤す・守る」の3ステップを意識した丁寧なスキンケアが大切です。
バリア機能が低下している敏感肌は、ちょっとした刺激でも肌トラブルを起こしやすくなってしまいます。肌へ必要以上に負担をかけないよう、まずは肌のうるおいを守りながら刺激を最小限に抑えるやさしいスキンケアを意識しましょう。
以下のようなスキンケアのポイントを意識してください。
- ①やさしく洗う
- 低刺激の洗顔料を泡立てて、こすらずやさしく洗います。ぬるま湯で丁寧にすすぎ、やわらかいタオルでそっと拭きましょう。
- ②保湿する
- 洗顔後すぐに化粧水で水分を補い、乳液やクリームでうるおいを閉じ込めます。敏感肌用の保湿剤を選びましょう。
- ③毎日の紫外線対策で肌を守る
- 紫外線は敏感肌の大敵。日焼け止めを使い、帽子や日傘などでしっかりガードしましょう。
敏感肌の方に実践していただきたいスキンケア方法については、下記でより詳しく解説しています。あわせてご覧ください。
敏感肌のスキンケアには3つの基本がある!
詳しくはこちら
7.日常生活から敏感肌を対策することも大切
敏感肌の対策はスキンケアだけでなく、日々の生活習慣を見直すことも大切です。たとえば栄養不足や睡眠不足、ストレスの蓄積などは肌のバリア機能やターンオーバーの乱れにつながります。
体の内側からもケアを行うと肌の乾燥の緩和につながり、外部刺激に負けにくい肌になるでしょう。食事・睡眠・運動など、できることから少しずつ取り入れ、敏感肌にやさしい生活を意識してください。
- ① 栄養バランスを整える
- 肌のターンオーバーを整えるためにも、食生活を見直すことが大切です。主食・主菜・副菜を基本として、さまざまな食品を組み合わせ、バランスよく食べましょう。
- ②十分な睡眠をとる
- 睡眠中は肌の修復が進む大切な時間です。起床時に太陽の光を浴びて体内時計を整えたり、就寝前にスマホを触らないようしたりして、質のよい睡眠を心がけましょう。
- ③適度に運動する
- 適度な運動は血行の促進、ストレスの解消、睡眠の質を向上させるなど、さまざまな効果が期待できます。少しずつはじめて運動習慣を身につけましょう。
8.敏感肌に関するよくある質問
敏感肌や肌荒れに悩んでいると、スキンケアの正解が分からなくなってしまうこともありますよね。ここでは、よくある疑問にお答えしながら、肌と上手に向き合うためのヒントをお届けします。スキンケア選びやお手入れの参考に、ぜひチェックしてみてください。
8-1. Q.肌荒れがひどいときはスキンケアをしない方がよいでしょうか?
A.基本的なスキンケアをやめる必要はありません。ただし、多くのアイテムを用いた過剰なスキンケアをするのではなく、シンプルなケアに切り替えるのがよいでしょう。肌荒れがひどく気になる場合は、皮膚科の受診をおすすめします。
8-2. Q.敏感肌になりやすい時期はありますか?
A.季節の変わり目は、敏感肌を自覚しやすい時期です。この時期は肌のうるおいが失われ、バリア機能が低下しさまざまな肌トラブルが生じやすくなります。いつも以上に保湿を重視し、肌を刺激から守りましょう。
8-3. Q.化粧品が肌にあっていないサインはあるのでしょうか?
A.ヒリヒリ感、熱感、赤みなどを生じる場合があります。成分に対してアレルギー反応が起きているのかもしれません。このようなサインはすぐに出ることがあれば、しばらく使用してから出ることもあるでしょう。
人によって合う成分、合わない成分は異なります。「これがおすすめ!」という情報を鵜呑みにせず、慎重に自分の肌に合うかを確認することが大切です。新しい化粧品を使用する場合は腕の内側などで試し、使い始めてからも様子を丁寧に観察しましょう。
9.敏感肌には毎日のケアが肝心!
敏感肌と向き合うには、正しい知識と日々の丁寧なケアが大切です。肌の乾燥やつっぱり感、赤みやかゆみ、ニキビなどの肌荒れは、肌のバリア機能が低下しているサインかもしれません。
敏感肌のケアとして日常生活の見直しはもちろん、日々の保湿ケアも大切です。焦らず、地道に毎日ケアを続けることで、肌は本来の健やかさを取り戻すでしょう。あなたの肌に寄り添う丁寧なケアを始めてみませんか。

※弊社から竹内先生に監修を依頼し、編集して掲載しています。

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