【簡単に解説】肌のターンオーバーとは?乱れる原因と健康な肌のための整え方
ターンオーバーとは、肌が生まれ変わるサイクルのことです。正常に機能しているとみずみずしさや透明感を保ちやすくなりますが、乱れると肌トラブルが起こりやすくなります。この記事では、ターンオーバーが乱れる原因や整える方法について解説しています。肌の仕組みを知って、すこやかな肌を目指すヒントにしてください。
目次

(やました まりこ)
美容皮膚科医
※弊社から山下先生に監修を依頼し、編集して掲載しています。
1.ターンオーバーとは?
ターンオーバーとは、肌が生まれ変わる仕組みのことです。表皮の最奥部にある基底層で誕生した表皮角化細胞は、徐々に上に押し出されるように分化していき、最終的には角層の上層で垢となって剥がれ落ちます。このように絶えず新しい細胞に生まれ変わる仕組みが「ターンオーバー」です。
健康な肌であれば28日程度で新しい細胞に生まれ変わり、みずみずしさや透明感を保ちます。しかし、トラブルなどがあると周期に乱れが生じ、肌の不調の原因になるため注意が必要です。
1-1.そもそも何のためにターンオーバーはあるのか?
- ①不要なものを排出し、肌を健やかに保つため
- ②体を守る「バリア機能」を維持するため
ターンオーバーの役割は、主に上記の2つの役割があります。
ターンオーバーが正常に進むと、メラニン色素が排出されてシミやくすみを防いだり、古い角質も自然に剥がれ落ちて毛穴詰まりを予防したりします。このように、ターンオーバーによって、肌は健やかな状態が保たれるのです。
また、肌の一番外側にある角層は、ターンオーバーの過程で作られています。角層は体を守る「バリア機能」として働き、体内の水分を維持しつつ、外部刺激や異物(ウイルス等)の侵入を防いでいます。角層は日々ダメージを受けていますが、ターンオーバーによって新しく作り直され、入れ替わることによってバリア機能を保っているのです。
2.ターンオーバーの仕組み
- 1.基底層(きていそう)で基底細胞が分裂し、新しい表皮細胞が生まれる
- 2.有棘層(ゆうきょくそう)・顆粒層(かりゅうそう)で成熟する
- 3.角層(かくそう)でバリアとして機能する
- 4.垢として自然に剥がれ落ちる
ターンオーバーは、肌の表皮の内側で生まれた細胞が外側に押し上げられ、古くなったら剥がれ落ちて新しい細胞と入れ替わるというサイクルです。
肌は1枚に見えて実は層状になっており、「皮下組織」「真皮」「表皮」の3つの層からできています。このうち、ターンオーバーが行われるのは、一番外側にある表皮です。表皮はさらに、「基底層(きていそう)」「有棘層(ゆうきょくそう)」「顆粒層(かりゅうそう)」「角層(かくそう)」の4つの層からなっています。
まず、表皮の「基底層」で誕生した新しい細胞が「有棘層」「顆粒層」「角層」と順に押し上げられ、2週間ほど皮膚のバリアとして働きます。古くなった細胞は、最終的に垢となって剥がれ落ちます。これがターンオーバーの仕組みです。
3.ターンオーバーが乱れるってどういうこと?
「ターンオーバーが乱れる」とは、基底層で新しい表皮角化細胞が生まれ、角層上部で剥がれ落ちるサイクルが正常に機能しなくなる状態のことです。
ターンオーバーの速度が遅くなると、メラニン色素や古い角質が肌に留まりやすくなり、シミや肌荒れといった肌トラブルが起こりやすくなります。
一方で、皮膚が外部からの刺激によって炎症を起こすと、ターンオーバーのサイクルが逆に早まりすぎることも少なくありません。その場合、十分に水分を保持できなくなって乾燥肌や敏感肌になったり、肌がごわついたりすることもあります。
4.セルフチェック表でわかるターンオーバーの乱れ
ターンオーバーは早くても遅くても肌トラブルにつながります。状態別にセルフチェック表を作成しました。当てはまる項目が多いほど、ターンオーバーが乱れている可能性があると考えられます。
4-1. ターンオーバーが遅いときの状態
古い細胞やメラニンが排出されず、シミやニキビができやすい
毛穴に古い角質がたまって、角栓やニキビができやすい
肌のごわつきやキメの粗さが気になる
肌がくすんで透明感がなくなる
ターンオーバーが遅くなると、古い角質が肌表面にいつまでも留まることになります。古い角質が蓄積して角層が厚くなる「角質肥厚」の状態になり、肌がごわつき、キメが乱れ、毛穴が目立ちやすくなるかもしれません。
また、排出されずに残ったメラニン色素が蓄積してシミやくすみが見られたり、透明感が失われ、肌のトーンが暗くなったりすることもあります。
4-2. ターンオーバーが早いときの状態
肌が乾燥しやすい
肌が刺激に敏感に反応する
かゆみや赤みなどの肌トラブルが起きやすい
肌に透明感がない
反対にターンオーバーが早く、肌が生まれ変わるサイクルが短くなると問題が生じます。ターンオーバーで生まれ変わる細胞は「表皮角化細胞」と呼ばれ、基底層で誕生してから徐々に成熟しながら角層へと押し上げられていきます。
しかし、ターンオーバーが早すぎると、この表皮角化細胞が十分に成熟する前に角層に到達してしまいます。未熟な状態の表皮角化細胞はセラミドを効率的に合成できず、本来のバリア機能を発揮できません。
また、未熟な細胞からなる表皮は、本来のバリア機能を発揮できないため外部刺激に反応しやすく、かゆみや赤みが生じやすくなります。敏感肌が気になるときは、ターンオーバーが速すぎるのかもしれません。ターンオーバーを整えて、敏感肌の改善を図りましょう。
敏感肌について詳しくはこちら
5.ターンオーバーが「遅くなる」5つの原因
普段の習慣や環境などの要因により、ターンオーバーが乱れることもあります。主な原因について見ていきましょう。
5-1. 加齢
| 20代 | 約28日 |
|---|---|
| 30~40代 | 約45日 |
| 50代 | 約55日 |
| 60代 | 100日前後 |
加齢によりターンオーバーの周期は長くなります。年齢を重ねると基底層の機能が低下し、表皮角化細胞が生まれるスピードが低下するためです。古い角質が剥がれ落ちるスピードも低下し、くすみや乾燥といった肌トラブルも目立ちやすくなるでしょう。
しかし、加齢は避けられない生理現象です。年齢別のターンオーバーの目安以上に遅れることがないように、スキンケアや普段の習慣などに注意しましょう。
5-2. 慢性的な肌の乾燥
肌の乾燥は、ターンオーバーを早めたり遅くしたりする原因の一つです。とくに慢性的に乾燥している場合は角層が厚くなり、ターンオーバーを促進する成分が浸透しにくくなることで、ターンオーバーの遅れにつながります。
乾燥によって肌がどのような状態になっているかによって、ターンオーバーの速度は変化します。バリア機能が低下し、肌トラブルが起こりやすくなるため、注意が必要です。
5-3. 不十分なクレンジング・洗顔
洗顔やクレンジングで古い角層を十分に落とせていないと、ターンオーバーが遅れる原因になります。剥がれ落ちるはずの角層が肌表面にとどまり続けることで、肌の生まれ変わりのサイクルが乱れてしまうためです。
さらに、古い角質が蓄積すると毛穴の黒ずみやざらつきなどの肌トラブルを引き起こすこともあります。こうした肌トラブルもまた、ターンオーバーの乱れを助長してしまうでしょう。
5-4. 不規則な生活習慣
睡眠不足もターンオーバーが遅れる原因です。ターンオーバーを調整する成長ホルモンは睡眠中に分泌されますが、睡眠が不足すると成長ホルモン分泌量が低下し、調整機能が作用しにくくなることがあります。
また、栄養バランスが偏った食事も、ターンオーバーを乱す一因です。栄養が不足すると肌細胞の生成が阻害され、ターンオーバーのサイクルが遅れにつながります。
5-5. ストレス
ストレスにも注意が必要です。ストレスが溜まると自律神経が乱れ、血行不良になり、肌に充分な酸素や栄養が行き渡らなくなってしまいます。ターンオーバーが遅れ、くすみや角質肥厚が生じやすくなるでしょう。
また、ストレスにより、ホルモンのバランスが崩れることもあります。たとえば、女性ホルモンの「エストロゲン」は肌細胞の分裂を促進しますが、エストロゲンが減少すると分裂が適度に起こらず、ターンオーバーの遅れにつながることがあります。
6.ターンオーバーが「早くなる」3つの原因
肌への刺激やダメージといった外的刺激を受けると、肌を修復しようとターンオーバーを早めてしまう可能性があります。ここでは、3つの原因について解説します。
6-1. 肌の乾燥
肌が乾燥するとターンオーバーが遅くなることもありますが、防御反応として逆に早まるケースもあります。これは、乾燥によってバリア機能が低下し、外部刺激に対して敏感になることで、肌は自らを守ろうと細胞の生まれ変わりを急ぐためです。
6-2. 紫外線
紫外線による刺激も、ターンオーバーの周期を乱す大きな原因です。紫外線は肌表面の細胞を傷つけたり、炎症を起こしたりします。そのダメージの回復のために、ターンオーバーが早まってしまう可能性があるのです。
6-3. 肌の摩擦
肌の摩擦は、ターンオーバーを早める原因の一つです。スキンケア中のゴシゴシ洗いやはもちろん、マスクのこすれや衣類との接触など、日常生活の中にも摩擦の要因は多く存在します。
7.ターンオーバーを整える5つの方法
普段の生活から、ターンオーバーを整えていきましょう。今すぐ実施したいターンオーバーを整える方法を紹介します。
7-1.正しい方法でスキンケアを行う
古い角質を丁寧に落とし、しっかりと保湿することがスキンケアの基本です。クレンジングや洗顔の際は、力を入れないように優しく肌に触れ、刺激を与えないようにぬるま湯で洗いましょう。洗い終わったらすぐに保湿し、肌から水分が蒸発しないように守ります。
肌に合っていないスキンケア用品は、肌に負担をかけかねません。自分の肌状態をよく観察しながら、必要に応じてアイテムを見直すことも大切です。
乾燥肌のスキンケアについて詳しくはこちら 敏感肌のスキンケアについて
詳しくはこちら
7-2. 紫外線対策をしっかりと行う
ターンオーバーを整えるには、紫外線対策をしっかり行うことが重要です。季節を問わず、短時間の外出でも日焼け止めを使用して紫外線から肌を守りましょう。
また、紫外線は室内にも入り込むので、外に出ない日でも、朝のスキンケアの仕上げに日焼け止めを塗る習慣を塗るようにしてください。帽子や日傘、サングラスなどのアイテムも上手に取り入れるのがおすすめです。
- 日焼け止め
- 日傘
- アームカバー
- サングラス
紫外線対策が大切!
詳しく知りたい方はこちら
7-3. 生活習慣を見直す
睡眠や食事などの生活習慣を見直すことも大切です。細胞分裂や代謝を促進する成長ホルモンは、入眠から3~4時間後に分泌されやすくなるといわれています。成長ホルモンが不足すると肌細胞の分裂が低下し、乾燥しやすくなるため注意が必要です。すこやかな睡眠のためにも、就寝前の食事を避け、スマートフォンやテレビなどの強い光を発するものは見ないようにしましょう。
また、栄養バランスのよい食事も大切です。ターンオーバーが整えられ、くすみや乾燥といったトラブルが起こりにくくなります。
【生活習慣のポイント】
| 睡眠 |
|
|---|---|
| 食事 |
|
| 運動 |
|
| 飲酒 |
|
| 喫煙 |
|
7-4. ストレスを溜めこまない
ストレスによる自律神経やホルモンバランスの乱れ、血行不良もターンオーバーに影響するため、ストレスを発散することも大切です。自分に合ったストレス解消法を探して、実践してください。
ヨガなどの運動や瞑想はもちろん、深呼吸やリラックスできる音楽を聞くなどもよいでしょう。日常のなかで実践しやすい方法をいくつか用意し、ストレスを感じたら試してみましょう。
- 体を動かす
- 今の気持ちを書いてみる
- 腹式呼吸をくりかえす
- 「なりたい自分」に目を向ける
- 音楽を聞いたり、歌を歌う
- 失敗したら笑ってみる
出典:厚生労働省「こころと体のセルフケア」
7-5. 血行を促す
血行を促すことで酸素や栄養素が肌に届きやすくなり、ターンオーバーのリズムを整えるサポートをします。少しずつでも運動をする習慣を身につけて、血液の循環を促しましょう。
いきなり無理をしてしまうと続かなくなるため、エスカレーターではなく階段を使う、一駅歩くなどから始めるのがおすすめです。また、入浴時に湯船に浸かる、マッサージする、温かい飲み物を飲むなどでも、血行を促します。
- 定期的に運動やストレッチをする
- 十分に水分補給する
- なるべく湯船に浸かる
- 温かい飲み物や未精製の食品など、体を温めるものを口にする
8.毎日のケアでターンオーバーを整えよう!
ターンオーバーの乱れは、さまざまな肌トラブルの原因になります。すこやかな肌を保つためには、日々の丁寧なスキンケアに加えて、バランスの取れた食事や質の良い睡眠、適度な運動など、生活習慣全体を見直すことが大切です。
また、ストレスを溜めこまないことや体を内側から温めること、そして紫外線対策を怠らないことも、ターンオーバーを整えるうえで重要なポイントです。肌は毎日の積み重ねにしっかり応えてくれます。自分の肌と心に優しく向き合いながら、無理のないペースでケアを続けていきましょう。

※弊社から山下先生に監修を依頼し、編集して掲載しています。

関連記事