更年期の時期には、以下のような不安症状が現れることがあります。
エストロゲンなどの女性ホルモンは、脳の視床下部からの命令が卵巣に伝わり、分泌されます。更年期にはその卵巣機能が低下することで、視床下部からの命令がうまく伝達されず、エストロゲンなどの女性ホルモンが減少します。このような状態になると、不安などの精神神経症状などを引き起こします。
また、更年期に特有の女性の心理特性や環境・社会的要因も大きな原因と考えられています。自身の子供の就職や自立、結婚などにより、「母親」としての役割が終わったと感じて、ある種の喪失体験として受け止められる場合も少なくありません。夫婦関係の問題が顕在化したり、同年代の友人が大きな病気にかかったり、両親の介護や死がこの時期に重なることも多くあります。このように、大きなライフイベントを経験するとき、自身では処理できない大きな不安となり、心身に不調をきたします。
家庭環境や職場環境における悩みを整理することが大切です。気持ちの整理をして、家事、育児、仕事の量についても、無理せずにできる範囲内で行うように心がけましょう。また、適度な運動は、ストレス解消に効果的で、気持ちを前向きにする効果があります。低~中程度の有酸素運動であるウォーキング、水中歩行、ヨガなどで効果が報告されています。その他に、ドラッグストアなどで市販されている漢方薬なども効果が期待できます。
いくつかのセルフケアの方法がありますが、日常生活に支障をきたすほど症状がひどい場合は、専門の医師に相談してみましょう。