【医師監修】 声がかすれる・枯れる・
声が出なくなるのはなぜ?
原因や対処法を解説

風邪は治ったのに声がかすれる、大事な商談があるのに声が枯れてしまった、カラオケに行った翌日声が出ない…。そんな経験ありませんか?声の不調は、風邪や声の使いすぎ、のどの乾燥などで起こりがちな症状ですが、なかには思わぬ病気が隠れていたり、放っておくと悪化したりする場合もあります。声がかすれたり出にくくなったりする原因や、回復のための対処方法について、声の治療の専門家である楠山敏行先生にうかがいました。

楠山 敏行先生

東京ボイスクリニック品川耳鼻咽喉科
https://www.tokyo-voice.com/)院長

慶應義塾大学医学部を卒業後、慶應義塾大学助手、国際医療福祉大学東京ボイスセンター副所長、同大学臨床医学研究センター准教授を経て、2010年に東京ボイスクリニック品川耳鼻咽喉科を開院。外来診療のかたわら、国立音楽大学音楽学部非常勤講師(声の科学)、日本音声言語医学会評議員など幅広く活動する声のエキスパート。

※弊社から楠山先生に依頼をし、頂いたコメントを編集して掲載しています。

声がかすれる・声が枯れる・
声が出にくくなるのはなぜ?

声が「かすれる」「枯れる」「出ない」といった症状が現れるのは、のどにある「声帯」に炎症などの異常が起きているためです。

そもそも声の出るしくみとは?

声は、肺から送り出した空気で声帯を振動させることで生まれます。声帯はのどぼとけの骨の奥にあり、左右一対のひだのような構造になっていて、長さは男性で15mm前後、女性で13mm前後ほどの小さなものです。

咽頭 声帯 気管 食道のイメージ

人は声を出そうとするときに、脳からの司令によって声帯を閉じます。肺から気道を通って上がる息が、閉じた声帯を通るときに、声帯を振動させることで声のもとがつくられます。
その声のもとが、声帯から唇までの声道(声の通り道)で共鳴することで声が出ます。人によって声が違うのは、骨格などによって声道の共鳴が異なるためと考えられています。

声がかすれる・枯れる・
出なくなったときの
声帯の状態は?

声帯は息を吸う時には開き、声を出す時にはぴったりと閉じて規則的に振動することで澄んだ声が出る仕組みになっています。声がかすれたり出にくくなるときは、声帯には次のようなことが起こっています。

  1. 01.声帯が刺激を受けて炎症が起こる

    大声を出す、乾燥した空気にさらされるなど、
    声帯が何らかの刺激で損傷すると炎症が起こる。

  2. 02.声帯が変形して、閉じ方が不完全になる

    声帯に炎症が起こると、声帯が変形し不規則な振動となり、声を出す時にぴったりと閉じずに隙間ができる。炎症の他にも、ポリープ(こぶ)ができたり、声帯の筋肉がこわばって不規則な振動になったりすることもある。

  3. 03.空気漏れによってかすれた声になる

    隙間から空気が漏れて声帯がうまく振動せず、
    声がかすれたり、出にくくなったりする。

正常な状態の粘膜層と炎症が起こっている粘膜層のイメージ
POINT

声帯は楽器の弦のように繊細な構造で、わずかな炎症やごく小さなポリープでも振動に影響が出ます。一時的に起こる場合もあれば、慢性的に続く場合もあります。

楠山先生

声がかすれたり出にくくなる原因

声がかすれたり、出にくくなったりする原因には、声帯の炎症や乾燥などがありますが、それ以外にもさまざまな原因で起こることがあります。原因を知って正しい対処法を見つけましょう。

  • 風邪などによる炎症

    もっとも多い原因は、風邪やインフルエンザなどによる声帯の炎症です。ウイルスや細菌がのどに感染すると、声帯やその周辺に炎症を起こし、声帯の振動が乱れてかすれ声につながります。また、後鼻漏(こうびろう:鼻水などの分泌物が、鼻の奥からのどの奥に流れ落ちる状態)が多い時は、のどが乾燥しやすくなっています。

  • 大声や長時間の発声などによる声帯への負担

    カラオケで大声を出した、スポーツ観戦で声を張り上げた、長時間講演した…。こうした「声の酷使」は声帯に負担をかけ、炎症や腫れを起こします。

  • 空気の乾燥

    発声時は口呼吸になるため、乾燥した空気が声帯の潤いを奪います。声帯は乾燥すると硬くなり、振動しにくくなります。声帯が適切に閉じなくなることもあります。乾燥した場所での声の酷使は、ますます声帯を傷めやすくなります。

  • ストレスや喫煙などの生活習慣

    ストレスによる自律神経の乱れは、唾液が減って乾燥が進み、声帯周りの筋肉が過度に緊張することで発声に支障が出ることがあります。また、喫煙や過度の飲酒は声帯を乾燥・刺激し、かすれ声を招きます。

  • 加齢による声帯の萎縮

    年齢を重ねると声帯の筋肉や弾力が低下し、しっかり閉じなくなります。その結果、声がかすれたり弱々しく聞こえたりするようになります。特に男性に多く見られ70代頃からです。女性は更年期年代のあたりから声帯の潤いが低下し、声帯がむくむこともあります。

  • 声帯に関する病気

    代表的なものは「声帯ポリープ」と「声帯結節」です。歌手や教師など、特に声をよく使う人に多く見られます。

    • ● 声帯ポリープ

      内出血によって声帯に良性の腫瘤(こぶ)ができます。声帯ポリープは血豆のようなもので、大腸ポリープなどとは違い、がん化することはありません。

    • ● 声帯結節

      ポリープと同じく声帯にできる腫瘤(こぶ)です。長期間の摩擦で、タコのような硬いこぶが生じます。

  • その他の病気

    声の使いすぎ以外に声枯れ、声のかすれを引き起こすケースもあり、中には重大な病気が隠れていることもあります。

    喉頭がん 喉頭に発生するがんで、喫煙や飲酒が発症リスクを高めます。
    反回神経麻痺 声帯を動かす反回神経の麻痺により声帯が動かず、息漏れや声が出にくい状態になります。がんや動脈瘤などによって神経が圧迫されるなどして起こる場合もあります。反回神経麻痺の原因となるがんで最も多いのが甲状腺がんで、その他にも食道がんや肺がんなどがあります。
    胃食道逆流症
    (GERD)
    胃酸が逆流し声帯を刺激することで、慢性的な声のかすれや違和感を引き起こします。

風邪や一時的な声の酷使などによる炎症が原因であれば、数日で回復することがほとんどです。2週間以上声のかすれが続く、痛みや呼吸のしづらさといった違和感がある、という場合は、単なる炎症などではないこともあり得ます。早めに医療機関を受診しましょう。
受診先は耳鼻咽喉科が一般的です。診察時には、症状が始まった時期・声の使い方・生活習慣などを伝えると診断に役立ちます。

楠山先生

POINT

声帯は痛みを感じにくく、炎症や腫瘍などの異常が起こっても声以外の自覚症状はまずありません。一方、のどが痛いときは、口の奥にある「咽頭(いんとう)」や「喉頭(こうとう)」といった部位に炎症などが起こっています。のどが痛いことと、声がかすれることは別の状態なのです。

今すぐできる!
声がかすれる・声が出ない時の
セルフケア

声帯が傷んでいるところに、さらに負担をかけると症状が悪化してしまいます。ポイントは、「休める」と「潤す」こと。正しいセルフケアの方法をご紹介します。

  1. ①声を休める

    炎症が原因の場合、回復のために必要なことは声帯を休ませることです。大声はもちろん、日常の会話もなるべく控えて炎症を落ち着かせましょう。

  2. ②喉を潤す

    声帯が乾燥すると声は出にくくなります。加湿器やマスクで口の中の湿度を保ちましょう。メントールを含むハッカなどのミント系のタブレットや柑橘系ののど飴を口にいれておくのも、唾液の量が増える助けになることがあります。

  3. ③水を飲む

    のどの粘膜を潤して声帯の回復を助けるだけでなく、水を飲むという動作にリラックス効果があり、気道や声帯が潤う効果が期待できます。1日1.5リットルを目安に、こまめに水分補給をしましょう。温度で効果は変わらないため、水でも白湯でも問題ありません。

  4. ④リラックスする

    ストレスで自律神経が乱れると声帯も緊張し,乾燥しやすくなります。深呼吸や軽いストレッチ、趣味や睡眠など、自分の好きな方法でリラックスすることが声の回復につながります。

  5. ⑤市販薬を活用する

    初期症状には市販薬も役立つでしょう。トローチや、声帯の炎症を鎮めて声を出しやすくする漢方薬がドラッグストアなどで入手できます。

POINT

声枯れしやすい人は予防も大切です。大声や長時間話す時にはこまめな水分補給をしたり、口呼吸ではなく鼻呼吸を心がける、喫煙や過度な飲酒は控えるといったことが声トラブルの予防につながります。あまり声を出さないのも声帯が衰える原因になるため、適度なおしゃべりも必要です。

楠山先生

まとめ正しいケアで、大切な声を守ろう

声の急なトラブルで困った経験がある方は少なくないはず。声は毎日使うものだからこそ、いつもの声が出なくなると、日常生活への支障も大きいものです。日頃からのどをいたわり、声トラブルの予防を心がけましょう。
声のトラブルが起きてしまった時には、ご紹介したような、原因に応じた正しい対策を知っておくことが役立ちます。正しい対処で、大切な声を守っていきましょう。

参考文献

コエキュアは、大事な場面での声枯れ、声のかすれ、声が出ないなど「声のトラブル」に向けて開発された医薬品です。

漢方処方“響声破笛丸(きょうせいはてきがん)”が、
のどの奥の声帯の炎症を鎮め、
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