『耳鳴り』の種類と
症状・原因・治し方

「耳の奥で『キーン』という金属のような音がしてつらい」「音が聞こえていたのは自分だけだった」

このような耳鳴りの悩みを持っている方もいるのではないでしょうか。

ストレス社会に生きる現代人にとって、耳鳴りは比較的よく見られる身体のトラブルです。今回は、耳鳴りが止まらない原因や耳鳴りの種類、自分でできるセルフケアを解説します。

監修医師 プロフィール

専門分野:耳鼻咽喉科

渡邊わたなべ 雄介ゆうすけ先生

所属
国際医療福祉大学 教授
/ 山王メディカルセンター 副院長
/ 東京ボイスセンター センター長
経歴
1990年、神戸大学医学部卒。専門は音声言語医学、音声外科、音声治療、GERD(胃食道逆流症)、歌手の音声障害。耳鼻咽喉科の中でも特に音声言語医学を専門とする。2012年から現職。国際医療福祉大学医学部教授、山形大学医学部臨床教授も務める。

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耳鳴りの種類と症状

耳鳴りとは、実際に外で音がなっていないのに、耳の中や頭の中でさまざまな音が聞こえる現象のことをいいます。およそ1年以内に約640万人の方が耳鳴りを経験するといわれています。ただし、耳鳴りといっても、種類や程度、発生頻度はさまざまです。

周囲が静かになった時などに、「キーン」「ジーン」となんとなく音が気になるような耳鳴りもあれば、顔をしかめたくなったり、立っていられなくなったりするようなつらい耳鳴りに一日中悩まされるといった重篤な耳鳴りもあります。

耳鳴りの多くは、鼓膜の周辺ではなく、さらに奥の内耳や聴神経、脳で起きているケースがほとんどです。また、多くの場合、難聴を伴います。

  • ※調査概要 耳鳴りに関する実態調査
    調査時期:2021年9月 調査対象:20歳以上男女10,000名。
    調査手法:インターネット調査 調査機関:株式会社ネオマーケティング
  • ※人口は、総務省「人口推計」データと、弊社調査の数値を元に推計。(令和2年10月)

なぜ耳鳴りが起こるのか?
耳鳴りの原因

耳鳴りが起こる原因は多岐にわたります。ストレスや疲労などが原因で起こる場合もあれば、耳の病気や外傷によって起こる場合もあります。その他、ヘッドホンやイヤホンを長時間使用することで、耳に負担がかかり、難聴や耳鳴りが起きることもあります。

ストレスや疲労、肩こり

耳鳴りの症状は、ストレスや疲労、睡眠不足による自律神経の乱れによって発生することがあります。また、肩こりによる血行不良で自律神経が乱れ、耳鳴りが起こったり、悪化したりすることもあります。

加齢

加齢によって音を感じるための細胞が減少し、聞こえが悪くなる「老人性難聴」を発症することもあります。聞こえにくさの症状とともに耳鳴りが起こることもあります。

耳の病気によるもの

耳の病気が原因で、耳鳴りが発生する可能性があります。外耳炎や中耳炎などの感染症に伴う炎症、内耳がむくんで起こるメニエール病、耳と鼻をつなぐ管がつまってしまう耳管狭窄症などが考えられます。

大音響による耳の外傷

大きな音を聞き続けることで耳に負担がかかり、難聴や耳鳴りが生じることもあります。例えば、ヘッドホンやイヤホンを長時間使用して音楽を聞き続けたり、工事現場やコンサート・ライブ会場など大きな音がする環境にいたりすると、音を感じる細胞がダメージを受けます。そのため、聞こえが悪くなったり、耳鳴りが起きたりすることがあります。

大きな病気の影響

脳梗塞、脳腫瘍などの脳の病気をはじめ、高血圧、不整脈など循環器の病気によって耳鳴りが起こることもあります。

耳鳴りの症状から
考えられる疾患

耳鳴りの症状の特徴から、原因として考えられる疾患についてみていきましょう。

「キ-ン」という高い音
耳鳴りが聞こえる場合

「キーン」といった金属のような音や電子音のような高音域の耳鳴りは、睡眠不足、疲れ、ストレスなどの影響によって起こることがあります。これは、聴覚系の一部に一過性の虚血(きょけつ:血液が足りない状態)が起こることによって生じると考えられていますが、たいてい一時的な症状です。

その他、メニエール病、突発性難聴、老人性難聴などの耳の病気、高血圧、動脈硬化、心臓病などの、全身の病気によって起こることもあります。メニエール病では、めまいや吐き気などの症状を伴うことがあります。

「ザー」「ゴー」などの
低い音
の耳鳴りが
聞こえる場合

「ザー」「ゴー」などの低音域の耳鳴りは、急性中耳炎、滲出性中耳炎などの耳の感染症の可能性があります。その他、耳垢栓塞、耳硬化症、耳管狭窄といった耳の病気によって、音の通りが悪くなって生じる場合もあります。このようなケースでは耳鳴りの症状とともに、自分の声が響く不快な症状を伴います。

片方の耳から
耳鳴りが聞こえる場合

左右いずれか片方の耳だけ耳鳴りが聞こえる場合は、突発性難聴、メニエール病、聴神経腫瘍など、耳または音を感じる神経の病気の影響が考えられます。

最近ではイヤホンやヘッドホンで大きな音を聞き続けることによって生じる「音響性難聴(ヘッドホン難聴)」によって、ダメージを受けた耳から耳鳴りが起きるケースも増えています。また、コンサート・ライブ会場などで耳を酷使したりすることでも音響性難聴を発症する場合もあります。

両耳から
耳鳴りが聞こえる場合

両方の耳から耳鳴りが聞こえる場合は、加齢とともに音を聞き取りにくくなる老人性難聴や、長時間大きな音にさらされることで耳がダメージを受ける騒音性難聴などの病気の影響が考えられます。

騒音性難聴は、工事現場や工場などで長時間にわたって騒音にさらされた場合に発症します。その他、高血圧や腎臓の病気に関連して、両側性の耳鳴りが起きることがあります。

 自分でできる!
耳鳴りの治し方

耳鳴りは、耳の病気や音を感じる神経の病気によって起こる可能性があり、そのような耳鳴りに対しては、医療機関を受診して原因となる病気を治療する必要があります。

しかし、医療機関で医師に相談しても、耳鳴りの原因が特定できないことも多く、ストレスや睡眠不足による自律神経の乱れや、肩こりなどによる血行不良が関係しているケースもあります。その場合は、日常生活の中で耳鳴りが起きる原因となるものがないか、改善できるところはないかを確認しましょう。自分でできる治し方を見つけることができれば、不快な耳鳴りを和らげられる可能性もあります。

適度にストレス発散をする

毎日のストレスをゼロにすることはできませんが、日々の工夫でストレスを発散することが大切です。

1日1回3分間ほど深呼吸をして気持ちを落ち着かせる時間を作る、ウォーキングや階段の昇り降りといった適度な運動を取り入れる、趣味の時間を楽しむなどして、ストレスを発散させましょう。運動に関しては、息が上がらない程度の軽い有酸素運動が、ストレス解消にいいといわれています。

一日の終わりには、ぬるめのお風呂に浸かることで、身体の緊張もほぐれ、睡眠の質も向上します。

規則正しい生活を送る

規則正しい生活を送り、身体の調子を整えることも大切です。バランスのいい食生活を心がけ、十分な睡眠時間を確保しましょう。軽度の耳鳴りであれば、疲労や睡眠不足を解消し、身体をしっかりと休めることで症状が治まることもあります。

漢方薬を試してみる

漢方薬は、耳鳴りの症状を改善する目的で、医療機関でも広く使用されています。東洋医学では、身体のさまざまな不調を「気」「血」「水」のバランスが崩れている状態と捉え、生薬の薬効によってこれらのバランスを整えることで、つらい症状にアプローチします。生活習慣を整えても耳鳴りが改善しない場合は、漢方薬を試すのもいいでしょう。

その他、ツボを押して耳の中の血流を刺激する民間療法もあります。

監修医師のコメント

専門分野:耳鼻咽喉科

渡邊わたなべ 雄介ゆうすけ先生

耳鳴り治療は以下のようなものもありますが、じっくり改善していくことが大切です。

  • 薬物治療
  • 環境音やホワイトノイズを使って
    耳鳴りを覆い隠すTNT療法
  • ストレスや不安を軽減することで
    症状を管理する認知行動療法 (CBT)

その中で漢方療法も一つの治療方法として考えてみるのもいいと思います。

  • ※弊社から渡邊先生に依頼をし、頂いたコメントを編集して掲載しています。

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