のど(喉)が痛い…原因はウイルス感染?
のどが痛い、イガイガする、乾燥してガラガラ…
突然訪れるのどの違和感、日常生活にも支障がありますよね。
のどが痛くなる原因にはいくつかありますが、そのひとつに「ウイルスや病原菌の感染」があげられます。
ウイルスや病原菌がのどから感染すると、のどでの炎症を引き起こし、痛みなどの症状につながるのです。
のど(喉)が痛む・イガイガする理由
通常、ヒトはウイルス・病原菌などの異物を肺まで届かないよう、咽喉から肺にかけての気道の内壁を覆う粘膜と「せん毛」で防いでいます。
この「せん毛」は乾燥すると動きが鈍くなり、ウイルス・病原菌等に感染しやすくなります。
そして、のどの痛みは、様々なウイルス・病原菌によって咽頭に生じる急性炎症が原因です。のどの痛み・イガイガを改善するには、これらの原因菌を殺菌対応することが最も効果的です。
※イメージ
引用元:技術評論社「ウイルス・細菌の図鑑」(2016)
原因ウイルスの感染経路を正しく理解する
ウイルスや病原菌は、さまざまな経路から私たちの口や鼻からのど(気道の粘膜)に入り込んで体の中に進入し、感染症を引き起こします。主な感染経路と対策について紹介します。
飛沫感染
飛沫感染は、感染者の咳やくしゃみなどでウイルスを含んだ飛沫(小さな水滴)が飛散し、これを吸い込むことで口や目・鼻の粘膜から侵入し、感染する経路です。
飛沫の範囲は空気中で1〜2m程度と言われています。
対策としては「マスクの着用」など咳エチケットを徹底しましょう。
接触感染
接触感染は、感染源の皮膚や粘膜に直接的に触れることで起こるものと、ドアノブや手すりなどウイルスに汚染されたものを介して間接的に起こるものがあります。ウイルスが付着した手で、口や鼻・目などに触れることで体内に病原菌が侵入します。
対策としては、「手洗いやアルコール消毒」で手指を清潔に保つことです。
空気感染
空気感染は、感染者のくしゃみや咳・会話で出た飛沫の水分が蒸発して空気中にウイルスが浮遊し、これを吸い込むことで感染する経路です。
広範囲に拡散するため、離れていても感染する可能性があります。
対策としては、こまめな換気を十分に行いましょう。
- ※マスクは感染(侵入)を完全に防ぐものではありません。
より徹底した『プラスαの対策』とは?
ヨウ素が原因ウイルスに直接効く!
ヨウ素は、殺菌消毒に幅広く使われる優れた有効成分のひとつ。
年中蔓延している様々な原因ウイルスに対して、高い効果を発揮します。
ヨウ素とは?
ヨウ素は1811年に発見され、殺菌消毒の医薬品として古くから使われてきた元素です。「ヨードチンキ」「ヨードホルム」「ルゴール液」「ポビドンヨード」などがその例です。
人体に使用でき、且つ強い殺菌力を持つため様々な種類の細菌やウイルスに対応できる成分です。地殻中に含まれるかん水からつくられ、ワカメなど海藻類にも多く含まれています。
また医薬品以外でも、写真感光剤、飼料、除草剤などに使用され、日本のヨウ素生産量は世界二位(約30%)となっています。
ヨウ素はなぜ原因ウイルスに効くの?
ヨウ素は、強い殺菌力により細菌やウイルスの外表(タンパク質や脂質)と反応することによって性質を変えてウイルスを死滅させます。様々な菌やウイルスに対して短時間で殺菌効果を示します。また、菌の中には抗生物質に対しての耐性を持ち、抗生物質が効かなくなってしまったもの(薬剤耐性菌)も存在します。ヨウ素はこれら薬剤耐性菌にも殺菌効果を示し、細菌やウイルスのタンパク質や脂質を変性させて死滅させるという抗生物質とは異なるメカニズムのため、薬剤耐性菌を作らないというメリットもあるのです。
ヨウ素はこんなところでも使われています
ヨウ素は強い殺菌力により、幅広い菌やウイルスに効果を示す為、幅広い用途に使用されますが合わせる物質によってその適応部位は異なります。耳鼻咽喉科ではのどの殺菌消毒に、歯科では神経を抜いた後に、眼科では手術後の感染予防になど様々な部位に使用されます。ヨウ素の殺菌力を穏やかにしたポビドンヨードはうがい薬や手指の消毒など一般用途にも使われます。
このようにヨウ素は様々な物質と合わさることによって、私たちの身近な殺菌消毒剤として用いられているのです。