歯槽膿漏とは

歯槽膿漏とは

歯槽膿漏とは

歯槽膿漏とは、歯周病の中で最も症状が進んだ状態を言います。
歯ぐきが腫れる、血や膿が出る、ひどい口臭がするといった症状だけでなく、炎症が広がると歯ぐきの内側の歯を支える骨(歯槽骨)が溶け始め破壊されていきます。最終的には歯が抜け落ちてしまいます。

歯周病の進行と歯槽膿漏

歯周病は、歯肉炎・歯周炎の総称で、進行段階によって分けられます。
初期の状態を「歯肉炎」といいます。歯ぐきの炎症が広がると、歯と歯ぐきの間の歯周ポケットが深くなり、「歯周炎」と呼ばれる状態になります。「歯槽膿漏」は歯周炎の中でも、とくに症状が進んだ状態を指します。はじめはほぼ自覚症状がないまま進行し、放置すると歯が抜け落ちたりすることもある恐ろしい病気です。歯周病の進行や原因について理解し、毎日のケアを心がけましょう。

  1. 歯肉炎

    歯肉が炎症をおこして赤く腫れ、歯磨きの時に出血しやすくなる、歯肉溝が深くなる

  2. 歯周炎

    歯肉の炎症が広がり歯槽骨や歯根膜の破壊が始まる

  3. 中等度歯周炎

    歯槽骨の破壊が進み歯がグラつく

  4. 重度歯周炎 (歯槽膿漏)

    歯の根元がむき出しになりやがて歯が抜け落ちる

参考:歯周病治療の指針2015(日本歯周病学会)

歯槽膿漏の原因

原因は1億個もの『菌』※1mg中

歯槽膿漏の原因は、口の中に存在する口腔常在菌です。口腔常在菌は700種類以上とも言われています。歯垢(プラーク)は単なる食べカスではなく菌の塊で、わずか1mgの歯垢には1億個もの菌がいると言われています。普段のハミガキが不十分で歯垢がたまると、さらに菌が増殖していきます。歯槽膿漏の原因となる菌は、歯周ポケットなどで増殖しやすく、歯ぐきの炎症をひきおこし、歯槽膿漏につながります。

歯垢(プラーク)の形成について

  1. 菌が歯の表面に付着

  2. 菌が巣(バイオフィルム)を形成

  3. 菌の種類が増えてバイオフィルムが増幅

  4. 頑固なバイオフィルムの形成

原因菌は歯ぐき細胞の
内部にまで侵入!

歯槽膿漏の原因

口腔内に存在する菌の中でも特に歯槽膿漏に関連の深い原因菌が報告されています(イラスト参照)。P.gingivalisをはじめとするこれらの菌の多くは、歯周ポケットにとどまるだけでなく、歯ぐき細胞の内部にまで侵入し、奥で増殖します。増殖すると強い毒素を発生させ、歯ぐき組織を破壊することで症状がさらに悪化してしまいます。

歯槽膿漏と関係の深い菌

  1. 歯ぐき細胞の内側に侵入し増殖する菌。歯ぐき組織を破壊する。

  2. 歯ぐき細胞に侵入し、免疫を抑えて治癒を妨げる菌。

  3. 歯ぐき組織に侵入し、急速に症状を悪化させる菌。若い人の歯茎の炎症部位でよく見られる。

  4. 歯ぐきを炎症させる菌。

参考

・歯周病と微生物学のビジュアルラーニング,古西ら、南山堂

・デンタルハイジーン別冊 歯科衛生士のためのペリオドントロジー,医歯薬出版

歯槽膿漏と年齢の関係

歯槽膿漏と年齢の関係

加齢とともに、体の免疫機能が低下する為、菌への抵抗力が下がり、歯周病リスクが高まり、症状の深刻化が進みます。
加齢で歯ぐきの新陳代謝が低下する為、侵入した菌が排除されにくくなったり、炎症等で損傷した組織の治癒能力も低下することも、リスクが高まる要因です。また、老化によって歯ぐきのコラーゲンが減少したり、弾力やハリが低下したりなどの変化もあります。

歯槽膿漏の症状

歯槽膿漏には様々な症状があり、日頃からのケアが重要です。症状がひどい場合は早急に歯科医などの受診が必要です。

歯ぐきの腫れ

歯周ポケットのプラークが原因となり、歯と歯の間の歯ぐきが炎症を起こし、腫れた状態になります。

歯ぐきからの出血

歯ぐきからの出血は、歯ぐきの炎症によるものです。歯周病が進行し、歯槽膿漏の可能性があります。

口臭

口臭がきつくなったと感じたり、指摘されることが増えたら、歯槽膿漏が進行している可能性があります。歯槽膿漏が進行すると、プラーク中の歯周病菌がメチルメルカプタンや硫化水素等の悪臭成分を産生し、生ゴミやタマゴが腐ったようなニオイがします。

歯ぐきさがり

歯ぐきさがりは、加齢や過度なブラッシング圧も原因となりますが、歯周病も原因の一つです。炎症により歯ぐきを構成するコラーゲン繊維の分解が進むことや、歯を支える骨(歯槽骨)が破壊され減少することで、歯ぐきが下がって、歯が長くなったように見えます。
また、歯ぐき下がりに伴って、歯の根本の象牙質が露出し、歯がしみる象牙質知覚過敏症状が起こることがあります。

歯ぐきから膿が出る

歯槽膿漏がかなり進行した状態です。歯ぐきの炎症が進んだ状態で、化膿によって黄白色や黄緑色の粘性のある膿が出ることがあります。膿には、主に白血球と血清、壊れた組織や死んだ細菌が含まれてます。早めに歯科医を受診しましょう。

歯のぐらつき

歯槽膿漏がかなり進行した状態です。
歯ぐきの炎症によって、歯を支える骨(歯槽骨)が破壊されて減少し、歯がぐらつくようになります。早めに歯科医を受診しましょう。

歯槽膿漏お悩みデータ

「歯科医に行くのは何となく気が重い…」「痛みや症状も大したことないからまた今度にしよう」と、ついつい歯科検診を先延ばしにしてしまっていませんか?
そのまま放置していると歯槽膿漏が進行し、いつか歯を失ってしまうかもしれません。
実は、歯の本数が少ないほど、歯科治療費だけでなく全身にかかる医療費が高くなっていることがわかりました。
歯の本数が少なくなると全身の機能低下を引き起こし、様々な疾患につながるので、それだけ医療費も増えていきます。
お口と全身の健康を保ち、医療費負担を軽くするためにも、定期的に歯科医を受診し、大切な歯を守りましょう。

出典:香川県歯科医師会HP 平成22年度 香川県「歯と健康と医療費に関する実態調査」より

簡単!歯槽膿漏チェック

歯槽膿漏かな?と思ったら、まずはセルフチェックしてみましょう。

  • 歯ぐきから出血することがある
  • 歯ぐきが腫れることがある
  • ぐらつく歯がある
  • 朝起きたときに、口の中がネバネバする
  • 口臭があると言われたことがある
  • 食事で歯と歯の間にものがはさまる
  • あまり歯磨きをしない
  • タバコをよく吸う
  • 歯科医院には歯が痛いときしか行かない
  • ストレスを感じることが多い
  • 骨密度が低いと言われたことがある

上記の当てはまる項目が多いほど、歯槽膿漏が進行している可能性があります。
当てはまる項目がなかったり、一つしか当てはまらない場合でも、定期的に歯科医院の検診に行きましょう。

※参考:天田雅文著『岡山県糖尿病医科・歯科連携で用いられる「歯周病セルフチェック票」の妥当性についての検討』

 歯槽膿漏になる前に!
予防法

歯槽膿漏にならないためには、早いうちからの予防が大切です。
日々のブラッシングや歯間清掃を丁寧に行い、歯周病菌が繁殖しやすい歯周ポケット(歯と歯ぐきの間)をしっかりとケアしましょう。
歯ぐきに違和感を感じたら、丁寧なケアに加えて、殺菌作用や抗炎症作用のある薬用成分が配合された【歯槽膿漏対策の】ハミガキで、対策を始めましょう。デンタルリンスの併用や医薬品でのケアもおすすめです。
毎日のセルフケアに加え、歯科医院で定期的な検診をおすすめします。歯科医の適切な指導のもと、歯槽膿漏を予防しましょう。

ブラッシングを工夫しよう

歯と歯ぐきを健康に保つために、歯の磨き方のポイントを知り、効果的に磨きましょう。

  1. ①ハブラシは鉛筆を持つような持ち方(ペングリップ)で持つ。

  2. ②歯と歯ぐきの境目に45度の角度であてる。

  3. ③小刻みに1~2本の歯ごとに丁寧に、毛先が広がらない程度の軽い力で磨く。

自分に合ったハブラシを選ぼう

歯ぐきが腫れていたり出血を起こしやすい場合には、「やわらかい毛」のハブラシがおすすめです。歯ぐきのマッサージ効果も期待できます。また歯周ポケットのケアには、毛先の細かいハブラシがおすすめです。また「ヘッドが幅広いタイプ」のハブラシは、ハブラシの毛が歯頚部に当たりやすく、マッサージ効果も期待できます。また手先を細かく動かすことが苦手な方にもおすすめです。

生活習慣を改善しよう

  1. ①正しい食習慣

    規則正しい食生活を心がけましょう。よく噛んで食べることで唾液が分泌され、菌を洗い流してくれます。また、糖分の多い食べ物はプラークができやすくなるので摂りすぎに注意しましょう。

  2. ②タバコの喫煙

    タバコは歯槽膿漏のリスクを増やす因子の一つです。喫煙により歯肉の血流が低下し、歯周病菌が増え、歯周組織の免疫力が弱くなります。受動喫煙でもリスクは高くなるので、禁煙を心がけましょう。

  3. ③寝る前は、とくに丁寧なケアを

    就寝中は唾液の分泌が少なく、菌が繁殖しやすい状態になるので、寝る前は、丁寧に歯を磨くことが大切です。また、歯と歯の間や、歯と歯ぐきの間などの磨きにくい部分には、歯間清掃具を使用し丁寧にケアしましょう。

よくある質問Q&A

  • 歯槽膿漏は治せますか?

    A.歯周病の原因は歯周病菌なので、歯周病菌のコントロールが主な治療法となり、軽度な症状であれば、完治できます。
    一方、歯槽膿漏を含む中期以上の歯周炎になると、外科処置や再生療法が必要になることもあり、重症度によっては、治療はできなくなり、抜歯せざるを得ない場合もあります。

  • 歯槽膿漏は遺伝は関係しますか?

    A.歯槽膿漏を含む歯周病は、遺伝と関係しております。
    先天的な歯ぐきの抵抗力や免疫力が、歯周病の進行に影響します。

  • 歯槽膿漏に似た症状ってありますか?

    A.「妊娠性エプーリス」と呼ばれる妊娠期の女性ホルモンの増加でおこる歯肉のコラーゲン増殖や、お口にできるがんである「口腔がん」が歯ぐきにできることがあります。 気になる場合は、早めに歯科医に相談下さい。

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