動物実験代替法を取り入れた安全性試験評価

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2004年から動物愛護の3R(動物を使用しない実験に置き換える・動物使用数を削減する・動物への苦痛を減らす)の精神に基づいて、動物実験代替法導入や動物実験削減などに取り組んできました。
近年ヨーロッパを中心に世界各国で動物実験反対運動が高まってきています。特に化粧品業界においては、2009年からEUでは化粧品とその原料について動物実験が完全に禁止され、動物実験を実施した製品は販売できないという法律ができております。この流れは日本にもやってきており、動物愛護法の改定に向けて厚労省や環境省が動き出しています。
そこで、小林製薬のスキンケア製品においても、動物実験に替わる試験法の検討をさらに進めることとしました。従来のウサギを使用した皮膚刺激試験や眼刺激試験は市販されている培養皮膚、培養角膜キットを用いた評価に、モルモットを使用した皮膚感作性試験は、試験管内でペプチド結合させ分析機器での評価に、ハムスターの頬袋を使っていた口腔粘膜試験を培養細胞を用いる試験に、というように、これらの試験に関しては動物を使わない試験に代替できております。
またこれらの試験法に関して、国際代替法学会を初め多くの学会で発表し、学会やその専門家に小林製薬の技術を認めてもらえるようになってきており、今では日本代替法学会の国際交流委員にも任命され、海外からもこれらの技術指導の依頼がされるようになりました。動物実験代替法に対する取り組みにより、動物の犠牲を大幅に削減できました。これは社会的使命を果たしたうえで、「かぶれた」「口に入れた」などのお客さまからの安全性に関するお問い合わせにも役立っています。今後も、試験方法の検討を行い、犠牲となる動物の削減に取り組んでまいります。

ビトリゲルチャンバーを用いた皮膚感作性試験代替法の改良

図日本動物代替法学会の様子

2014年12月5日〜7日、日本動物代替法学会第27回大会が横浜国立大学で開催されました。
本学会は動物実験の際の動物使用数の削減・苦痛の軽減から、最終的には動物を使わない他の試験法への置き換えを推進しています。小林製薬グループも本学会の活動意義に賛同し、これまでいくつか代替試験法を発表してきました。
今回は、コラーゲンでできた膜上でヒトの細胞を培養し、アレルギー反応によって生成するサイトカインIL-8 という物質を測定する代替試験法について、中間報告をおこないました。当社でスキンケア事業を推進していくにあたり、通常1製品あたり20匹のモルモットを使用するアレルギー評価試験の代替としたいと考えています。
アレルギー反応をみる代替評価法は各社検討中ですが、製品評価が可能な試験法は本試験が業界初となります。今後最終報告を経て、さらに検討を重ねることで、より精度よくアレルギー物質を評価できるようにし、世界で活用される代替試験法とすることを目指します。