ニュースリリース

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2012年7月

- News Letter -
現地法人と日本の連携で世界の新習慣を創る
〜成長戦略の柱「海外事業」の取り組み〜

成長戦略の重要な柱 ─ 海外事業とそのビジョン

■1970年代から始まった海外展開の歴史

小林製薬の海外事業の歴史は1970年頃、当時アメリカ領だった沖縄へ「アンメルツ」などの製品を輸出したことから始まります。以降、エリアの拡大、事業基盤の整備を進め、さまざまな製品を世界にお届けしてきました。

2012年現在では、北米やヨーロッパ、中国、東南アジアなど6ヶ国2地域に現地法人を設置。2ヶ国に生産拠点を持ち、20ヶ国で製品の販売を行っています。(参考資料参照

海外事業 売上推移

06年度〜14年度の海外事業売上推移と目標

■大きな飛躍を目指す海外事業の中期計画

徐々に拡大してきた海外事業の業績は、2010年度に初の黒字化を達成しました。さらに、次の成長の柱と位置づけ、2014年度に200億円の売上目標を掲げる中期事業計画を推進しています。その第一歩として、2012年度は前年比倍の広告費を投下し、120億円の売上を目指します。

■6つの注力分野 「グローバル6」 の選定

既存製品140ブランドの中から選定した、6カテゴリーをグローバルブランドとして重点的に育成します。「個人にとっての必需品であり、かつ機能的価値がある製品」へのニーズはどの国にもあると考えており、具体的には「Heat,Cool,Wipe,Oral,Scent,Medicine」の6カテゴリーで世界の新習慣を創造してまいります。

グローバル新製品開発の方向性

個人にとっての必需品という報告性へ

“KOBAYASHI” マーケティング ウェイで世界に挑む

■世界各地の潜在ニーズに応える製品で 200億円の市場を目指す

2014年度の売上目標200億円を達成するためには、現地のニーズに合った製品をいかに上市していくかにかかっています。舞台が海外に変わっても、この小林製薬のマーケティングは変わりません。

「熱さまシート」や「サワデー」などで日本の新市場を創造してきた小林製薬独自の手法を海外でも実践し、世界中の“あったらいいな”に応えることが海外戦略の要です。

■海外での成功要因は現地法人と日本の綿密な連携

海外事業において、重要エリアとしているのが中国・東南アジアです。中でも、韓国・台湾で「カイロ」、香港で「アンメルツ」と「熱さまシート」が大きくシェアを伸ばしています。その成功要因は、現地法人と日本が綿密な連携を取り、現地で小林製薬のマーケティングウエイを取り入れ、戦略・施策を徹底して実践していること。日本と現地法人、それぞれの役割を明確にし、責任の所在を明らかにすることでより強い連携と効率化が図れるようになりました。まず、現地法人では地域に密着したフィールド・マーケティングで国や地域で異なる生活習慣・文化をリサーチし生活者の潜在ニーズを探り、それを基に日本ではマーケティング戦略を練り、広告・メディアプランを作成し、現地の営業がそれらを店頭で活かします。この綿密な連携が小林製薬の海外事業の強みとなっています。

各地の成功事例

事例-1: 東南アジア
多様な民族・言語・生活習慣に更なる市場拡大のチャンスあり

東南アジアの拠点は、シンガポール・マレーシア・タイ・インドネシア・香港・台湾の6ヶ所です。東南アジアには、1つの国で複数の民族が暮らし、言語や生活習慣が異なる場合も少なくありません。それだけにきめ細やかなマーケティングが必要であり、また、だからこそ未充足ニーズが多く存在すると考えます。

【アンメルツ】 痛み解消に医薬品の力を!

東南アジアでは、体の痛みを和らげる際、天然オイルを使用する民間療法が一般的で、医薬品の外用鎮痛剤はあまり普及していませんでした。そこで「アンメルツ」がどんな症状に効果がある医薬品なのかや塗りやすい形状を、広告や店頭で積極的に訴求しました。現在では、“痛みは医薬品のアンメルツで”といった新習慣が根付き、タイ・インドネシアなどを中心に、広く普及しています。

分かりやすいパッケージで何に効く医薬品なのかを訴求

【熱さまシート】 「おでこを冷やす」 新たな習慣

雨季と乾季の極端な季節変化で子どもを中心に体調を崩す人が多く出る東南アジアでは、発熱時の対策は必要不可欠なニーズでした。しかし「解熱鎮痛剤で熱を下げる」ことが広く浸透した地域で、おでこを冷やす習慣は一般的ではありませんでした。テレビCMで“発熱時におでこを冷やす”という新習慣を徹底して啓蒙。更に、現地に合わせた分かりやすいネーミング・パッケージを展開。その結果、マレーシア、インドネシア、タイなどを中心に売上が拡大し、現在では額を冷やす新たな習慣として根付き始めています。

国・地域ごとの文化や生活習慣に対応したパッケージやサブタイトル

事例-2: 中国
沿岸地域から内陸地域へ拡大消費市場として、生産拠点として、さらに重視

これまで中国では、高所得で生活文化への関心が強い層が多く、流通などのインフラが整っている沿岸地域を中心に展開してきました。しかし近年、内陸地域の経済発展が著しく、需要が拡大しています。弊社が現地で実施したカイロに関する調査によると、沿岸地域に加え、内陸地域においても潜在的な購買層がいることが分かりました。現在売上10億円弱規模の「カイロ」は、将来70億円程度までも拡大する可能性があるという調査結果がでており、内陸部へも積極的に拡販をしています。

消費市場としての期待に加え、生産拠点としても中国はアジアのハブとなっており、上海工場に次いだ新工場が安徽省で稼働の予定です(2013年9月)。新工場では「カイロ」「冷却シート」「芳香消臭剤」などを生産し、中国、東南アジアの事業拡大に向けて生産体制を強化していきます。

【カイロ】 いち早い市場参入で No.1シェア獲得

比較的寒冷な地域の多い中国ですが、これまでカイロを防寒用として持つという習慣がありませんでした。そこで「寒い時に暖かさを携帯する」という分かりやすい訴求を積極的に行い、いち早く市場に参入することで中国のカイロ市場を創りました。テレビCMでは有名タレントを起用し、店頭での大量陳列などのプロモーションを行った結果、中国での製品名『暖宝宝』の上海での認知率は90%を超え、多くの人に愛用されるようになりました(弊社調べ)

中国の有名タレントを起用したTVCM 店頭でのプロモーションも積極的に展開

【芳香消臭剤】 経済成長で“香り”意識が向上

芳香剤を使う習慣がなかった中国ですが、近年の経済成長・都市化で住居環境や暮らし方が大きく変わり、“香り”に対する意識が高まっています。その変化を捉え「消臭元」(現地名:香居減)を発売。好調に売上を伸ばしています。さらに、多様な消臭ニーズに応えるため、炭を使った新製品も投入。炭で消臭するという新習慣を提案しています。

右)中国で販売している「香居減」(消臭元)。現地に即したネーミングやパッケージで、“消臭をしながら香りを楽しむ”新習慣を提案。左)中国の芳香消臭剤陳列棚

【熱さまシート】 医療用具の認可取得で、発熱時の対策定着を目指す

中国では体を冷やすことを一般的に嫌う傾向があり、発熱時には解熱鎮痛剤を使用し、おでこを冷やすという対処方法は、日本ほど一般的ではありませんでした。そこで、おでこを冷やして熱を下げることは薬の副作用を心配することのない安全な解熱方法であることを啓蒙してきました。

中国では、熱さまシートを医療用具として登録しており、“発熱時におでこを冷やして対策する”という新習慣の定着を目指しています。

中国の熱さまシート「ビンバオティエ」

事例-3: 北米
成熟市場でさらなるニーズ開拓M&Aで挑むチャネル開拓・強化

北米は巨大企業が多く存在するため、成熟市場だと言われていますが、今までにない新市場を創造できるポテンシャルはあると考えています。北米ではカイロを中心にM&Aを推し進め、流通開拓・強化を行い市場に挑み続けています。

【熱さまシート】 発熱時のだるさ・ほてりを軽減

子ども向けにキャラクターを起用したパッケージも発売発熱時の対処として解熱鎮痛剤の使用が9割を超えている北米では、「おでこを冷やして熱を下げる」習慣はなかなか普及しませんでした。しかし一方で、薬が効くまでに時間がかかること、解熱剤だけではだるさを解消できないこと、小さな子供への薬使用の不安、など不満点も浮かび上がってきました。そこで、「熱さまシート」のひんやりとした体感を活かして「発熱時のだるさ・ほてり軽減」という位置づけに特化し、解熱鎮痛剤との併用を提案していきました。パッケージや店頭でのわかりやすい使い方訴求も奏功し、北米での新習慣として浸透してきています。

【カイロ】 多角的な販売網で新・カイロ文化を浸透

北米では治療目的と、スポーツ観戦・アウトドア用として販売されるカイロが主流で、日常的な防寒用としてカイロを使用する習慣はありませんでした。そこで、米国最大のカイロ製造販売会社「ヒートマックス社」を2006年に完全子会社化し、日常的にカイロを使用する習慣の定着に努めています。

2012年には、スポーツ系の店舗に強い「グラバー社」を買収。主力のスポーツ用途に加え日常使用の啓蒙という2つの切り口でマーケティングを強化。現在、北米全体でのシェアが約50%となり、更なるカイロ市場の拡大を図って参ります。

北米ではヒートマックス社(左)に加え、グラバー社(右)の流通網を活用して市場を拡大

執行役員 国際事業部 事業部長宮西 一仁

海外事業のさらなる成長のために
- 小林製薬が目指す現地化とは -

海外事業をさらに成長させるために重要なのは、現地の人々の暮らしや習慣を知り、求められる価値をいち早くカタチにするという、小林製薬独自のマーケティングを徹底すること。つまり、小林流ビジネスモデルの「現地化」です。これからの現地法人は、現在の営業機能に加え、現地ニーズの把握・製品化の機能をも担っていくべきだと考えています。そのために、小林独自のマーケティングウェイを体得し、現地で実現しうる人材である“小林製薬にとっての「グローバル人材」”を育成配置することが重要です。

現在、この人材を日本からリーダーとして派遣し、現地採用の社員への浸透を推進しています。将来的には、現地法人が自らその国ならではの“あったらいいな”を発見し、カタチにできて初めて真の現地化の達成だと考えています。

参考資料

■海外現地法人と生産拠点

海外現地法人と生産拠点

■海外現地法人設立年と展開製品

国・地域 所在地 社名 設立年 資本金 主力製品
中国 上海 上海小林日化有限公司 2002年 160,326,485中国元 カイロ、芳香消臭剤、
熱さまシート
上海 上海小林製薬商易有限公司 2007年 25,648,850中国元 カイロ、芳香消臭剤、
熱さまシート
東南アジア 香港 小林製薬(香港)有限公司 2002年 1,570,000香港ドル 熱さまシート、アンメルツ
シンガポール 小林ファーマスーティカル
(シンガポール)プライベート
リミティッド
2009年 300,000
シンガポールドル
熱さまシート、アンメルツ
マレーシア
ペタリンジャヤ
小林ヘルスケア(マレーシア)
センドリアン バーハッド
2011年 1,000,000
マレーシアリンギッド
熱さまシート、アンメルツ
台湾 台北 台湾小林製薬股份有限公司 2011年 8,000,000台湾ドル カイロ、熱さまシート
インドネシア PT小林ファーマスーティカル
インドネシア
2012年 250,000米ドル 熱さまシート、アンメルツ
北米 ジョージア州 小林ヘルスケア エルエルシー 2004年 5,110,000米ドル カイロ、熱さまシート
イギリス ロンドン 小林ヘルスケア ヨーロッパ
リミティッド
2001年 14,081英ポンド カイロ、熱さまシート

■在外子会社 買収年と展開製品

国・地域 所在地 社名 設立年 資本金 主力製品
北米 ジョージア州 ヒートマックス
インコーポレーティッド
2006年 1,230,001米ドル カイロ
イギリス ミシガン州 グラバー
インコーポレーティッド
2012年 323米ドル カイロ

以上