ニュースリリース
- News Letter -
『熱さまシート』のグローバル展開
「熱さまシート」日本の新習慣を世界へ
小林製薬グループの海外事業は、国内で培った「並みはずれた顧客志向」を海外でも実践し、“快”のある新しい「世界の習慣づくり」を目指しています。成長戦略の大きな柱として注力を続けていますが、その中核を担うブランドの一つが冷却ジェルシート「熱さまシート」です。日本では1994年に発売し、それまで無かった「熱が出たら冷却シートをおでこに貼る」という新しい習慣を創りました。現在では、風邪の発熱時だけでなく、夏の暑さ対策やリフレッシュしたい時などにも需要機会を拡げ、国内市場のシェア約52%を誇っています。
●「熱さまシート」海外展開の歴史
「熱さまシート」の海外展開は、日本での発売から2年後の1996年、香港からスタートしました。その後、東南アジア、米国、欧州など、順次販売エリアを拡大し、テレビCMや店頭サンプリングなどを通じて各地域のニーズに合わせた製品特長や使用方法を提案してきました。現在では、世界約20カ国で展開し、ブランドシリーズ売上全体の約45%を海外が占めるグローバルブランドに成長しました。
●海外展開の基本戦略
海外のヘルスケア分野では、展開している日本企業がまだまだ少ないのが現状です。その中で小林製薬ならではの先駆的で独創性が高い製品を展開していきたいと考えています。
ひと言で「熱や暑さを冷ます」と言っても、国や地域によって生活環境やニーズが大きく異なります。同じ機能を持つ製品でも、それぞれの国に合わせてお客さまに伝える特長を変えていかなければなりません。日本でのマーケティングと同様に、必ず現地で調査を行い、生活者の声を聴き、潜在的なニーズを探し出した上で、現地の人に分かりやすいコンセプト・ネーミングを追求しています。
「熱さまシート」海外展開の沿革 | |
---|---|
1994年 | 日本で「熱さまシート」子ども用発売 |
1996年 | 香港で発売 |
1998年 | マレーシア、シンガポールで発売 |
1999年 | 米国、フィリピンで発売 |
2000年 | 台湾で発売 |
2001年 | 英国、タイで発売 |
2005年 | 中国で発売 |
2009年 | オーストラリアで発売 |
2011年 | インドネシアで発売 |
2012年 | 韓国、ベトナムで発売 |
2013年 | アラブ首長国連邦で発売 |
「熱さまシート」具体的な海外での取り組み
●【東南アジア】 ─ 子どもの発熱時対策から、暑さ対策へ拡大
東南アジアにおいて、日本と同様に「発熱時にぬれタオルで額を冷やす」習慣がある国も見受けられます。そのため、「熱が出たら冷却シートをおでこに貼る」習慣を訴求しやすい環境にありました。一方で、多くの地域が常夏でありながら、「暑さ対策」の製品はほとんどなく、自身の暑さをしのぐためにお金を払う風習がありません。参入初期は「子ども用の発熱時対策」をコンセプトに発売し、次の段階でターゲットや形状、用途を拡げながら定着・拡大を目指してきました。最近では競合品も多く参入していますが、「日本ブランド」の品質に対する信頼感が根強いため、冷却力や持続時間、粘着性のフィット感など機能の高さを訴求することで差別化を図っています。
●香港
1996年にいち早く参入した香港では、冷却ジェル市場で90%以上のトップシェアを維持し、毎年二桁成長を続けています。最初は「子ども用の発熱時対策」として参入しましたが、更なる拡大策としてTVCMなどで「暑さ対策」の訴求を図り、徐々に新たな用途も拡がってきています。
香港の特性として、中国からの買物客需要が挙げられます。大陸との鉄道ルートなども有効な広告機会として活用し、幅広いお客さまとの接点を創り続けています。
テレビコマーシャル
●マレーシア
香港と同様にマレーシアでも、発熱時の対策に加えて2013年より「暑さ対策」での製品普及を図っています。風邪が流行りやすい雨季には発熱時の対策として、乾季には「暑さ対策」として、季節に応じて訴求しています。
また、新たな試みとして、今春の大統領選挙で候補者や聴衆に製品サンプリングを実施しました。実際に「熱さまシート」を貼って演説を聴く現地生活者が多くのメディアに取り上げられ話題になりました。
熱さまシートを貼って演説を聴く現地生活者
●インドネシア
インドネシアは今、急速に市場全体が成長し、流通も進化を遂げています。2011年から「熱さまシート」の販売を開始しましたが、拡大を目指し最も注力している国の一つです。
まずは手軽に試していただけるよう個包装の低価格品を中心に展開していますが、将来的には製品ラインを拡張し箱入りタイプも販売していきたいと考えています。インドネシアの一般家庭では「ワルン(Warung)」と呼ばれる個人商店が頻繁に利用されています。日用品の普及にはこの「ワルン」での販売が不可欠であり、今後チャネルの強化を図っていきます。
現行の個包装パッケージ⇒将来的に箱入りタイプを発売
●【中国】 ─ 「一人っ子政策」を背景とした市場特性を活かして
●中国
政府の「一人っ子政策」により、子どもを特に大切にする中国の社会背景は、「熱さまシート」の戦略にも大きく影響します。2005年に「子ども用」の発熱時対策として発売しましたが、現在に至るまで売上は好調に推移し、2012年からは「赤ちゃん用」の販売も始めました。乳児期の早い段階から製品を使っていただくことで、幼児に成長しても「子ども用」にシフトし長期間にわたって愛用していただくことを目指しています。また、中国市場は競合・類似製品が多いため、TVCMを通して製品名を浸透させマインドシェアの獲得にも取り組んでいます。
赤ちゃん用テレビコマーシャル
●台湾
台湾では2000年から子ども用の展開を始めました。熱が出たときにはまず病院に行く習慣がありますが、発熱時の対策としての認知向上・使用促進を推し進めています。現在、現地大手卸企業「統一薬品」と提携しコンビニエンスストアでの配荷を拡大し続けており、今後は約9,000店への配荷を予定しているなど、今後更なる普及が見込まれます。
![]() 台湾コンビニエンスストア にならぶ「小林退熱貼」 |
![]() 台湾での店頭陳列(例) |
●【欧米】 ─ 偏頭痛や発熱時の手軽な医療用具として
欧米では、発熱時には薬を使用する傾向があり、日本のように頭を冷やす習慣はありません。そのため、新しい習慣として一から市場を創る必要がありました。
●欧州
ヨーロッパは、偏頭痛の症状緩和のための医薬品が普及していますが、一方で薬を頻繁に使用することに抵抗がある人も多いという特徴があります。この点に着目し、「熱さまシート」を大人用の偏頭痛対策品と位置づけ、「Migraine」という効果特性を明記してイギリスを中心に販売しています。医療用具としての許可を取ったり、偏頭痛患者のコミュニティでサンプリングを行うなど、新しい習慣の定着と定番化に向けて取り組んでいます。
欧州の店頭陳列(例)
●米国
米国には1999年に子ども用の発熱時対策品として参入しました。日本と同じように「発熱時に額を冷やして苦痛を和らげる」コミュニケーションを図り、安心して使える医療用品として普及してきました。特にインフルエンザが流行する時期には大きく売上を伸ばしています。
米国の店頭陳列(例)
海外戦略のこれから
このように、各国・各地域のニーズを掘り起こしながら、「熱さまシート」を通じて新しい習慣を拡げています。日本と同様に、市場が開拓できると競合品も多く参入してきますが、「熱を冷やす」専門ブランドとして、これからも市場をリードし続けたいと考えております。冷やすことで得られるベネフィットを軸に、新しい製品・ターゲット・使用機会を提案し、一人でも多くの「世界のお客さま」の、“あったらいいな”をカタチにし続けてまいります。
●各国の主要製品一覧
国 | 日本 | 香港 | マレーシア | シンガポール | 北米 | フィリピン | 台湾 |
販売年 | 1994年 | 1996年 | 1998年 | 1998年 | 1999年 | 1999年 | 2000年 |
パッケージ | ![]() |
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名前 | 熱さまシート | 小林退熱貼 | KOOLFEVER | KOOLFEVER | Be KOOOL | KOOLFEVER | 小林退熱貼 |
国 | 英国 | タイ | 中国 | オーストラリア | インドネシア | ベトナム | アラブ首長国連邦 |
販売年 | 2001年 | 2001年 | 2005年 | 2009年 | 2011年 | 2012年 | 2013年 |
パッケージ | ![]() |
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![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
名前 | Fever KOOL'n SOOTHE |
KOOLFEVER | 冰宝貼 | Fever KOOL'n SOOTHE |
KOOLFEVER | KOOLFEVER | KOOLFEVER |
以上