ニュースリリース

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2016年9月01日

蒼朮(ソウジュツ)のヒアルロン酸産生促進効果を発見
―2016年9月24・25日 日本生薬学会第63回年会にて発表―

小林製薬株式会社(本社:大阪市、社長:小林章浩)は、神奈川工科大学(応用バイオ科学科 飯田泰広教授)との共同研究で、ホソバオケラなどの根茎を原料とした生薬である蒼朮(ソウジュツ)の抽出物が皮膚の細胞に分子レベルで作用し、ヒアルロン酸の産生を促進することを発見しました*。
本成果は、小林製薬から今後発売される化粧品に活用してまいります。

*本研究成果は、2016年9月24日から25日まで富山にて開催される、日本生薬学会第63回年会にて発表予定です。

研究背景

ヒアルロン酸は優れた水分保持機能を持つ高分子多糖で、皮膚に多く存在しており、肌にハリ、弾力および柔軟性を与えています。しかし、加齢と共に皮膚のヒアルロン酸量は減少するため、ヒアルロン酸は加齢による肌の衰えに深く関与していることが一般的に知られています。

今回、生薬抽出物からヒアルロン酸産生を促進させる成分について、スクリーニングを行いました。

研究結果 概要

下記2点の結果が明らかになりました。

1.蒼朮(ソウジュツ)の高いヒアルロン酸産生促進作用

蒼朮(ソウジュツ)の50%エタノール水溶液で抽出した抽出物が、真皮線維芽細胞の非常に高いヒアルロン酸産生促進作用を有していることがわかりました。さらに、その促進作用はヒアルロン酸合成酵素遺伝子の一つであるHAS2遺伝子の発現を増加させることでヒアルロン酸合成を促進させていることもわかりました。

2.蒼朮(ソウジュツ)に含まれるヒアルロン酸産生促進成分の解明

蒼朮(ソウジュツ)に含まれているヒアルロン酸産生促進作用のある成分を追求したところ、精油成分であるヒネソールおよびβ(ベータ)-オイデスモールという2つの成分が、真皮線維芽細胞のHAS2遺伝子の発現を増加させる作用を持ち、ヒアルロン酸産生を促進していることがわかりました。

蒼朮(ソウジュツ)に含まれるヒアルロン酸産生促進成分の解明

研究結果

1.蒼朮(ソウジュツ)の高いヒアルロン酸産生促進作用

真皮中にあるヒアルロン酸は、肌にハリ、弾力および柔軟性を与えていますが、加齢と共にその量も減少することが知られています。蒼朮(ソウジュツ)の50%エタノール水溶液で抽出した抽出物を含む培地でヒトの真皮線維芽細胞を培養し、ヒアルロン酸の産生量を調べたところ、ヒアルロン酸の産生量が増加することがわかりました(図1)。さらに、その促進作用はヒアルロン酸合成酵素遺伝子の一つであるHAS2遺伝子の発現を増加させることでヒアルロン酸合成を促進させていることもわかりました(図2)。

図1 ヒアルロン酸産生量

図2 ヒアルロン酸合成酵素遺伝子の発現量

2.蒼朮(ソウジュツ)に含まれるヒアルロン酸産生促進成分の解明

蒼朮(ソウジュツ)に含まれているヒアルロン酸産生促進作用のある成分の単離精製を行ったところ、精油成分であるヒネソールおよびβ-オイデスモールという2つの成分が、真皮線維芽細胞のHAS2遺伝子の発現を増加させる作用を持ち、ヒアルロン酸産生を促進していることがわかりました(図3、図4、図5)。

図3 ヒネソールのヒアルロン酸産生量およびHAS2遺伝子発現量

図4 β-オイデスモールのヒアルロン酸産生量およびHAS2遺伝子発現

図5 ヒト皮膚線維芽細胞のヒアルロン酸染色

用語解説

○ 蒼朮(ソウジュツ)
生薬の一種。ホソバオケラ(Atractylodes lancea De Candolle、Atractylodes chinensis Koidzumi又はそれらの雑種)の根茎で、長さ3〜10cm、径1〜2.5cm、不規則に屈曲した円柱形で、外観は暗灰褐色〜暗黄褐色である。主な薬理作用としては健胃、整腸、利尿作用が知られています。
○ 真皮
真皮は表皮の内側にあって、皮膚組織の大部分を占めており、皮膚の本体ともいえます。部位などによって異なりますが、皮下組織を除くと平均で約2ミリの厚さがあり、厚さは表皮の15〜40倍あります。
○ 皮膚線維芽細胞
皮膚に弾力を与えている「コラーゲン(膠原線維)」、「ヒアルロン酸(基質)」や「エラスチン(弾性線維)」などの線維や基質を作り出す細胞です。
○ ヒアルロン酸合成酵素(Hyaluronan Synthase)
ヒアルロン酸を作り出すのに必要な酵素で、ヒアルロン酸はヒアルロン酸合成酵素のみからしか作り出せません。ヒアルロン酸合成酵素は3種類あり、それぞれHAS1、HAS2、HAS3と呼ばれます。真皮線維芽細胞では主にHAS2によりヒアルロン酸が作り出されていることが知られています。

以上