小林製薬の戦略

家庭用品製造販売事業のビジネスモデル

生活者も気づいていない“あったらいいな”という潜在的欲求を解決する製品を開発し、わかりやすいマーケティングで消費者の認知度を高め、ニッチ市場を開拓しています。

1.アイデアの開発

アイデアの開発

お客さまの“あったらいいな”に応えるアイデアを収集

技術ありきではなく、消費者のニーズから製品開発がスタートすることが当社の最大の特徴です。カテゴリー別に開発担当者とブランドマネージャーがおり、それぞれの立場から新製品のアイデアを出し合っています。さらに、社員は誰でもイントラネット上からアイデアを提案することができ、毎年15,000件ものアイデアが集められています。

2.アイデアの検討&開発候補の選定

アイデアの検討&開発候補の選定

アイデアに市場性があるかを徹底的に調査

各カテゴリーでまとめられた新製品のアイデアは、社長を含む経営トップが出席して毎月開かれるアイデア会議でのプレゼンテーションの場で開発の対象に選ぶかどうかの判断が下されます。生活者が真に欲しているアイデアの製品化のみに開発を集中することによって、開発期間の短縮とコストの効率化を図っています。

3.製品開発&進捗管理

製品開発&進捗管理

店頭に並ぶまで平均13ヶ月*のスピード開発

* 医薬品は除く

他社に先駆けて新製品を上市するため、開発に関わる各プロセスを同時進行で行う「コンカレント開発方式」を採用しています。アイデアの段階からブランドマネージャー、開発担当者、研究開発者、技術開発者が加わり、それぞれの専門性を発揮しながら開発を進めることで、ニーズやマーケット、処方・設計を熟知した上での緻密で効果的な開発が可能となっています。

4.市場テスト

市場テスト

新製品のヒット率を高めるためのマーケティング

当社製品は、パッケージを見ただけ、製品名を聞いただけで何に使う製品なのかがわかることを徹底的に追求しています。パッケージに製品のコンセプトが落とし込まれているかを確認する「パッケージテスト」、店頭で自社の既存製品や他社の競合製品と並べて売れ行きを確認する「テスト販売」を行い、一定の基準をクリアした製品のみ、全国販売を決定しています。

“あったらいいな”をカタチにした実例〜「熱さまシート」で額用冷却シート市場を創造〜

風邪などの発熱の対処法といえば、濡れタオルや氷のうなどで額を冷やすのが一般的でした。1994年に発売した「熱さまシート」は、額に「貼りつける」という画期的なコンセプトが消費者の共感を得て大ヒット製品となりました。

熱さまシート

アンケートから浮かび上がった消費者の不満

  • 濡れタオルではすぐにあたたまってしまう
  • 氷のうは使いづらく、氷を用意しておかないといけない
  • 額に乗せてもずり落ちてしまう

簡単に冷やせる「熱さまシート」で新たな価値を提供

  • 額に密着し、寝返りをうってもずれ落ちない
  • 水分を含んだジェルシートで冷却効果が持続する
  • 透明フィルムをはがすだけで、急な発熱でもすぐに対処できる

ニッチ市場で高シェアを維持していることが高収益の秘訣

ニッチ市場で高シェアを維持していることが高収益の秘訣

当社は開発中心型企業として“あったらいいな”をカタチにし、新市場を開拓することで先行者利益を獲得しています。「小さな池で大きな魚を獲る」とは、言い換えると、「自ら開拓したニッチ市場で高いシェアと高収益を獲得する」ことです。
自ら開拓したカテゴリーに他社が参入した場合には、カテゴリーそのものが消費者に浸透して市場が拡大するため、当社製品の売上が伸長する好循環も生まれます。
これらの結果、同業他社と比較して高い売上高営業利益率
(2010年3月期13.2%)が獲得できています。