私たちの身体は、脳からの指令によって筋肉を収縮させることで、生活やスポーツに必要な動作を実行することができます。この脳の指令は、電気信号という形で神経を通じて、筋肉に届けられます。この電気信号が筋肉にうまく伝わらず、異常収縮、すなわち脳の命令に反して筋肉が収縮してしまうと、ケイレンが起きます。
では電気信号の伝達を妨げる要因とは何なのでしょうかーー。
ランニングという状況下で起こりやすいのは、下記の2点
この2点を防いでいくのが、下記に紹介する4つのポイントなのです。
それでは具体的に解説していきましょう。
足がつりやすいのは、大きな筋肉がついている太ももよりも、筋肉の小さなふくらはぎです。地面を蹴るような走り方をしている人は、ふくらはぎに負担がかかりやすい走り方をしていると言えます。私は大きな筋肉であるお尻とハムストリングス(太ももの裏)を意識して走っています。
これまで3つポイントを紹介してきましたが、これを実施したからといって、必ず「足つり」が防げるわけではありません。足のつりやすさは、体質やその日のコンディション、加齢によっても変わってきます。大事なレースで、もしも足がつりそうになったら……。そんなときに備えて、レースには芍薬甘草湯を持って走ることをおすすめします。芍薬甘草湯には即効性があり、レースの備えにピッタリです。
芍薬甘草湯とは、その名のとおり、芍薬(シャクヤク)と甘草(カンゾウ)の2つの生薬で作られた漢方処方です。芍薬に含まれるペオニフロリン、甘草に含まれるグリチルリチン酸などの成分が筋肉を弛緩させることで、「足つり」の痛みとこわばりを治してくれるといわれています。
摂り方のポイントは3点。
①足のケイレンがひどくなる前に摂る
飲むのは、筋肉がピクピクしたり、疲労とは明らかに異なる違和感を覚えるなど、
「足つり」の前兆が出始めた時。完全に足がつってしまう前に摂るようにしましょう。
②止まらないで摂る
芍薬甘草湯を摂る際は、ペースを落としても、完全には止まらないこと。一度止まってしまうと、筋肉もメンタル的にも、もう一度レースペースで走るのが難しくなります。(もちろん完全につってしまったときは、この限りではありませんが)。
③タブレットタイプで摂る
持って行く芍薬甘草湯は、持ち運びしやすいタブレットタイプを選びましょう。
粉末タイプだととても飲み込み難く、味も苦いです。
またそれを解消しようと水分を多く摂りすぎると、走りにも悪影響が出ます。
私は自分のレースでは、タブレットタイプをよくナンバーカードの裏に貼って持っていきます。
皆さんはレース中、「ドクター」のビブスを着て走っているランナーを見たことがありませんか? 私が所属している「日医ジョガーズ」は、ランニング好きな医師たちが集まった団体で、全国でランニング大会の医療支援活動を行っています。
そのひとつがランニングドクターです。その名の通り、自ら走りながら、大会中に何らかのトラブルに見舞われたランナーに対して初期対応を行っています。その多くのランニングドクターが、芍薬甘草湯を持って走っています。
緊急の医療対応が求められるときに、自分の足がつっていては、十分に対応ができない場合があります。
そのため、万が一足がつっても、すぐそれを回復させる必要があるからです。
芍薬甘草湯は、そのくらいドクターにも信頼されている漢方なのです。
承認基準内※最大量配合の芍薬甘草湯満量処方(※一般漢方製剤承認基準)でドラッグストア等で購入できる商品です。
ゼリータイプなので、レース時でも持ち運びしやすい。
芍薬甘草湯エキス 27g/シャクヤク 6g/カンゾウ 6gより抽出
添加物として、クエン酸、クエン酸Na、カラギーナン、カロブビーンガム、白糖、タウマチン、スクラロース、パラベン、安息香酸Na、プロピレングリコール、香料を含有する
●本剤は天然物(生薬)を用いているため、ゼリーの色が多少異なることがあります
満量処方(日本薬局方芍薬甘草湯12g処方から抽出したエキスを全量(最大量)配合)でドラッグストア等で購入できる商品です。
錠剤タイプなので、レース時でも持ち運びしやすい。
芍薬甘草湯エキス 2.4g/シャクヤク 6.0g/カンゾウ 6.0gより抽出
添加物として、CMC-Ca、二酸化ケイ素、ステアリン酸Mg、タルク、セルロースを含有する
●本剤は天然物(生薬)を用いているため、錠剤の色が多少異なることがあります
消炎鎮痛成分フェルビナクが足つりなどの筋肉の痛みを鎮めます。血行促進成分トコフェロール酢酸エステルが、滞った患部の血流を改善。
ドラッグストア等で購入できる商品です。
塗るタイプで、患部に素早く浸透します。
フェルビナク 3g/トコフェロール酢酸エステル 0.5g/l-メントール 6gより抽出
添加物としてジイソプロパノールアミン、アジピン酸ジイソプロピル、ミリスチン酸イソプロピル、BHT、プロピレングリコール、硫酸Mg、エタノールを含有する
「足つり」の原因・対策はこちらでも紹介しています [ → 詳細はコチラ]