朝起きたら、目がゴロゴロする?
寝起きの目のトラブルには
『朝の洗眼』がおすすめ
朝起きたら、「目やにが多い」「なんとなく目がゴロゴロする」「目がかすむ」など、目に違和感を覚えることはありませんか?
実は、朝起きた時の目は汚れています。
朝起きたら顔を洗うように、「朝の洗眼」を行って、目の表面の汚れや目やにを取り除くことが大切です。
朝の洗眼で目の健康を守り、すっきりした目覚めを習慣づけましょう。
監修医師

柿崎 寛子先生
経歴:三重大学医学部卒業。現在はVISTA medical international clinic shenzhen勤務
専門分野:眼科
眼科専門医・PDT 認定医

※弊社から柿崎先生に依頼をし、頂いたコメントを編集して掲載しています。
朝起きた時に感じやすい
目のトラブルとは?
朝起きた時に感じやすい目のトラブルは様々です。よくある目のトラブルと原因をまとめました。

- 目やにが多い
-
目やには涙に含まれる「ムチン」という物質と、目の表面にある古い細胞やほこり、細菌などが混ざり合ってできます。
朝起きた時に少量の目やにがついている場合は問題ありませんが、ドライアイやアレルギー性結膜炎の影響などで目やにが増える場合もあるため注意が必要です。
- 目がゴロゴロする
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ハウスダストやゴミ、アレルゲン、まつ毛などの汚れが目の表面に付着して異物感が生じることがあります。
また、実際に目に異物が入っていなくても、ドライアイやアレルギー性結膜炎などによって目に異物感が起こることもあります。
- 目がかすむ
- 目のかすみは、涙の量が不安定になることで生じる「ドライアイ」や、パソコン・スマホを長時間使用するといった目の使い過ぎによって生じる「眼精疲労」の影響で起こることがあります。
- 目の奥が重い
- 目の奥が重たいのは、前日までの眼精疲労が残っている可能性が考えられます。眼精疲労は、目の使い過ぎだけでなく、風邪、精神的ストレス、自律神経失調症、更年期障害などの全身の不調によっても起こると言われています。
- 目が痛い
- 朝起きた時に目の表面がチクチクと痛むのは、眠っている間に目の中に入った異物による刺激、またはドライアイ・アレルギー性結膜炎による症状が主な原因です。一方、目の奥が痛いのは、たいてい眼精疲労が原因とされています。
朝起きた時、
目は汚れているの?
朝起きた時の目は、意外と汚れています。目には、もともと「自浄作用」が備わっていて、涙液が目をみずみずしく保つとともに、新陳代謝によって生じた古い細胞やほこり、細菌などの異物をまばたきとともに排出する役割を果たしています。
特に日中など起きている時は、この自浄作用が活発にはたらいており、まばたきをするたびに、涙液とともに目の汚れをきれいに洗い流し、まぶたの内側にある涙点を通って鼻へと排出することで、目を清潔に保っています。
一方、睡眠中は、涙液の量が減り、まばたきもほとんどしなくなるため、自浄作用が弱くなります。
また、睡眠中も目の新陳代謝は行われており、常に古い細胞が排出されています。
以上のように、睡眠中に涙液の量が減ること・まばたきをしなくなること・絶えず新陳代謝が行われていることによって、古い細胞や排出しきれなかった汚れが、目の表面やまぶたの裏側にとどまり、目を閉じていたにも関わらず、朝起きた時の目は汚れているのです。
朝起きたら、
コンタクトを
つける前に洗眼しよう
朝起きてすぐの目に、コンタクトレンズをつけると、目がゴロゴロするのは睡眠中にたまった汚れのせいかもしれません。コンタクトレンズと角膜の間に、古い細胞やほこり、細菌などの異物が入っていると、角膜が傷ついたり、眼病を引き起こしたりする可能性もあります。
目の不快感を和らげ、眼病を防ぐためにも、薬液を使って目の表面を洗い流す「洗眼」を日々のケアに取り入れることが効果的です。

洗眼とは
洗眼とは、専用の洗眼液を使って、目の表面の汚れを洗い流す目のセルフケア方法です。
カップ式洗眼では、専用カップに洗眼液を入れ、目に当てて、まばたきすることで汚れを浮かし、目の表面やまぶたの裏、目の周辺をきれいにします。洗眼液は薬局やドラッグストアなどで購入できます。
洗眼のメリット
目の汚れを洗い流すことで、眼病予防、花粉症の対策も可能です。日本眼科学会のアレルギー性結膜疾患診療ガイドラインにも、目の表面に付着した花粉などのアレルゲンを洗眼で洗い流すことの有効性が示されています。
角膜保護や眼病予防の観点から、コンタクトレンズ装着前には目の汚れを取り除いておくことが大切です。朝、コンタクトレンズをつける前に洗眼をすることで、目の汚れを除去し、清潔な状態でコンタクトレンズを装着できます。
点眼と洗眼の違い
洗眼液を使ったカップ式洗眼では、目の表面だけでなく、まぶたの裏側についた汚れまで、すっきりと洗い流せます。

点眼薬は、目のかゆみ・違和感等の目の諸症状を治すもの

洗眼薬は、目の表面や目の中の花粉などをしっかり洗い流すもの
洗眼薬を選ぶポイント
目の汚れやアレルゲンなどの異物を除去し、目の健康に役立つ洗眼薬ですが、
市販の洗眼薬を選ぶにあたって気をつけたいポイントをおさえましょう。
防腐剤無添加の薬液を使う
洗眼を安全かつ効果的に行うためには、防腐剤無添加(ベンザルコニウム塩化物、パラベン等)の洗眼薬を選びましょう。
防腐剤の含まれた市販の洗眼薬は、角膜上皮障害と言って、角膜の表面に傷がついたり、角膜の一部の細胞が剥がれたりする状態を引き起こす危険があります。
正しい洗眼の方法
洗眼は、定められた用法・用量を守って使用しましょう。
洗眼を安全かつ効果的に行うために、正しい洗眼方法を紹介します。

洗眼カップを目に押し当てたまま、液がこぼれないようにゆっくりと頭を後ろにそらします。そのまま上を向いて、まばたきを数回しましょう。1回の洗眼は、30秒以内が目安です。
洗眼する際の注意点
洗眼する際には、以下の注意点を守りましょう。
水道水は使わない
水道水には細菌を殺菌するために塩素が含まれているため、目に負担がかかる可能性があります。目の汚れを取るために、「毎朝、顏を洗うついでに水道水で一緒に目を洗えばいいのでは?」と考えてしまうかもしれませんが、必ず専用の洗眼液を使用しましょう。
洗眼の前には
目の周りをきれいに保つ
洗眼の前には、目の周りをきれいに保っておくことが大切です。目を洗う前に、まずは洗顔を行い、就寝前に塗ったアイクリーム、目の周りの汚れをできるだけ除去しましょう。
メイクをしたまま寝てしまったり、前日のメイク(アイシャドウやマスカラなど)が残ったりしている場合は、最初にメイクを落としてから洗眼するようにしてください。
スキンケアをする前に行う
朝の洗眼は、洗顔後のスキンケアをする前のタイミングがおすすめです。先に化粧水や美容液、クリームなどでお手入れをしてしまうと、洗眼をした時にスキンケア剤が目に入ってしまう可能性があります。洗眼は必ずスキンケアの前に行いましょう。
家に帰ってからも洗眼を
洗眼は、朝起きたタイミングだけでなく、外出先から家に帰宅し、コンタクトレンズを外したあとにも行いましょう。
一日頑張った目には、汚れやほこり、花粉などの粒子や細菌などがついています。コンタクトを外した後、目を汚れたままにしておくと異物によって角膜が傷ついたり、アレルギー性結膜炎などの目のトラブルにつながったりする可能性もあります。
帰宅した夜は、毎日入浴をして身体をきれいにするのと同じように、目の洗眼を習慣づけ、目のトラブルを防ぎましょう。

日々のケアに、
帰宅後だけでなく
朝の洗眼も取り入れて、
瞳の健康を維持しよう
洗眼は、瞳の健康を守るための大切な習慣です。洗眼をすることで目の新陳代謝に伴う古い細胞などの汚れ、
ハウスダスト、花粉、細菌といった付着物を洗い流し、眼病予防にもつながります。
帰宅後の洗眼だけでなく、朝の洗眼も日々のセルフケアに取り入れ、気持ちのよい一日をスタートさせましょう。
監修医師のコメント

眼科専門医・PDT 認定医
柿崎 寛子先生
目やになどの眼の汚れ、異物、アレルゲンは、様々な身近な眼のトラブルの主な原因となります。もちろん点眼が必要な時は、治療が重要です。しかし、花粉症(アレルギー性結膜炎)のように、原因が眼に入ってきたアレルゲンであると分かっている場合や、自浄作用により汚れが排出しきれず異物感につながっている場合は、お家でできるケアとして、洗眼を行って原因を取り除くことが特に有効です。毎朝顔を洗うように、眼を洗い、眼の表面からまぶたの裏まで清潔に保つことで、日頃の眼のトラブルの予防や症状軽減につながります。