悪い菌がいると思ってゴシゴシ洗う方がとても多いのですが、洗いすぎは肌のうるおいを守る角質や必要な菌まで洗い流してしまうので逆効果です。入浴時はぬるま湯でサッと洗い流すだけで十分。石鹸を使う場合は、弱酸性のなるべく肌に優しい泡タイプのものを選び、乾燥に気を付けましょう。

ヒリヒリ痛い、ムズムズかゆい、ブツブツ赤い……。
更年期を迎える40〜50代頃から多くの女性が悩まされるのが、尿かぶれをはじめとしたデリケートゾーン(陰部)の肌トラブルです。原因のひとつには女性ホルモンの減少があり、正しいケアを行わないと症状は長引き、悪化する恐れも。更年期世代からの女性尿かぶれの特徴や正しいケアについて婦人科の佐藤歩美先生にお聞きしました。
あゆみレディースクリニック高田馬場 院長
横浜市立大学医学部卒業後、NTT東日本関東病院、愛育病院などを経て2022年3月にあゆみレディースクリニック高田馬場を開院。ライフステージで変化する女性の健康をサポートすべく、一人一人に寄り添った気軽に受診できる診療につとめている。
更年期世代は女性ホルモン(エストロゲン)の減少により、様々な身体の変化が起こりますが、その中でも多くの方が尿トラブルに悩んでいるのではないでしょうか。
当院には、20代~80代くらいまでの様々な方がご来院されますが、中でも”更年期”の身体の変化に悩まれている方からのご相談も多くいただきます。特に、40~50代くらいから尿漏れの症状が増え始め、そして尿漏れによるデリケートゾーンのかぶれに悩む方が増えてきますね。
女性ホルモン(エストロゲン)は20代に最も分泌が多くなり、40~50代ではピーク時の1/10程度まで減ってしまうと言われています。
エストロゲンは肌の水分やハリを保つ働きをしており、減少すると皮膚の乾燥に繋がります。肌の水分量が減ると、かゆみやかぶれが起こりやすくなりますが、それはデリケートゾーンでも例外ではありません!
こうしたエストロゲンの低下によって起こるデリケートゾーンまわりの症状を、GSM(閉経関連尿路生殖器症候群)といいます。閉経前後より約50%の女性が該当するといわれ、上で紹介した症状の他にも、頻尿や性交痛などがあります。GSMの症状は、以前は仕方ないものとして我慢するような風潮がありましたが、治療やケアで改善が期待できるものとして認識されるようになってきました。
ムレやかゆみ、かぶれ、赤み、乾燥などがあります。
中でも多くの方が悩むのが、尿かぶれ特有の「痛がゆさ」です。熱くてヒリヒリするような灼熱感があったり、腫れているような痛みを感じることもあり、日常生活にもさまざまな支障が出てきます。
睡眠不足は女性ホルモンの低下を招きますし、外出をためらうようになると筋力が衰えて、さらに尿漏れを進行させる悪循環になります。
生理中にもかゆみやかぶれは起こりますが、生理が原因の場合、出血のない間に治すことができます。一方、尿漏れは毎日起こり得るものなので、尿かぶれの原因そのものを取り除くことが難しいトラブルです。尿かぶれを長引かせて悪化させないためにも、早めの対処が大切です。
尿漏れは日々繰り返しますし、肌も女性ホルモンの減少とともに乾燥しやすくなります。すぐには治らないからこそ、早めにケアをしましょう。
まずは何より、かゆくても極力かかないこと。日中はかかないように我慢していても、就寝中に無意識にかいてしまう方も多くいらっしゃいます。そのため、肌への刺激を減らして、かゆみそのものを抑えるケアが必要です。以下のことに気をつけましょう。
悪い菌がいると思ってゴシゴシ洗う方がとても多いのですが、洗いすぎは肌のうるおいを守る角質や必要な菌まで洗い流してしまうので逆効果です。入浴時はぬるま湯でサッと洗い流すだけで十分。石鹸を使う場合は、弱酸性のなるべく肌に優しい泡タイプのものを選び、乾燥に気を付けましょう。
尿や汗がついたままの尿漏れパッドは、雑菌やカビの温床に。
尿の吸水量に関係なく、なるべくこまめに交換しましょう。
また、排尿後はこすらずにトイレットペーパーを押し当てて尿を吸い取りましょう。トイレの度にウォシュレットを使用するのも避けましょう。
尿漏れパッドを使用しないときはゆったりした通気性の良い下着を選びましょう。素材はコットンなどの天然素材がおすすめです。
炎症を抑える作用のある、専用の薬を選びましょう。
擦り込まず、肌にのせるようにやさしく塗るのがコツ。ベタつかないクリームタイプが使いやすいです。症状を素早く抑えるためにも、即効性のある成分が入っていればベターです。自分で選ぶなら非ステロイドの物から試してみると安心でしょう。
すぐに医療機関の受診は難しい方も多いと思います。
市販薬を1〜2週間ほど試してみても症状がおさまらないときは医療機関を受診しましょう。尿がしみて痛いときや、湿疹ができているときは早めに来てくださいね。
婦人科や泌尿器科、皮膚科が専門になります。
40代以降の女性の場合、女性ホルモンの減少が関係していることも多いので、迷ったらまず婦人科でご相談されることをおすすめします。
デリケートゾーンのトラブルは、他人に相談しづらく一人で悩まれている方も多いです。佐藤先生からは「婦人科には幅広い年代の患者さんがたくさんいらっしゃいます。不調を感じたら気軽に受診してみてください」とアドバイスをいただきました。何もしないで我慢する前に、市販薬などを使用して適切にケアしてみませんか?
早めの対処を心がけて、毎日を快適に過ごしていきましょう!
尿かぶれなどによるデリケートゾーンのつらい痛がゆさやヒリヒリ感を素早くしずめてくれるのが「フェミニーナUP」。非ステロイドの抗炎症成分配合の処方で、繰り返すかぶれや赤みを改善し、長引きやすい尿かぶれをしっかり治してくれます。スッとのびて塗りやすいクリームタイプで、お肌にやさしい低刺激性。ドラッグストアやネットですぐ手に入るのも助かりますね。