尿酸値が気になる方に
「プリン体」が分解される際に生じる老廃物が「尿酸」です。「尿酸」が血液中にたくさんある状態が続くと結晶化し、関節などに蓄積されてしまう事が知られています。
健康診断などで、尿酸値が7.0mg/dLを超えている場合に高尿酸血症と判断されます。高尿酸血症は痛風だけでなく、腎障害やメタボリックシンドローム、心血管障害とも関連があると言われているので、健康なうちから食事のバランスや生活習慣に気を付ける事が大切です。
出典:高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン 第3版
「尿酸」の元となる「プリン体」はDNAの合成にかかせませんが、「プリン体」の産生過剰や排泄低下が尿酸値上昇の原因と言われています。
「プリン体」は食品から摂取するだけではなく、体内で作られているのがほとんどです。
出典:M.Ouchi et al.,日腎雑誌.,57 (4) 766-773 (2015)
「ルテオリン」は菊の花由来のポリフェノールです。この「ルテオリン」には「尿酸」のもととなる「プリン体」の分解を阻害して「尿酸」を減らす機能が報告されています。
尿酸値上昇を抑えるために特にプリン体の多い食品に気をつける事も必要です。肉食が多くならないようにすることと、特に動物の内臓や肉汁にはプリン体が多く含まれるので食べすぎに注意しましょう。
参考文献:高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン第3版
アルコール飲料は、それ自体にプリン体をあまり含んでいなくても、細胞由来の尿酸の産生量が多くなると同時に尿酸の排泄を抑制すると言われています。1日の目安量としては、日本酒1合、ビール500mL、ウイスキーダブル1杯(60mL)までとして、週に2日以上を禁酒日とすることがおすすめされています。
また、飲水量を多くして尿量を増やすことで、尿酸の排泄を助ける事が期待できます。飲水量は、1日2L以上の尿量を保つようにしますが、糖分の多いジュース・牛乳・アルコール飲料を水代わりに飲むことは避けましょう。
食事の制限を厳しく行うと一定期間は実行できても多くは反動を招きますので、可能な範囲でストレスなく習慣付けることが大事です。
参考文献:高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン第3版