唾を飲み込めないほどのどが痛くなる、のどの痛みを感じたあと熱が出る。こういった症状は扁桃腺が腫れることで起こる「扁桃炎」が原因かもしれません。扁桃炎は舌の付け根の部分がウイルスなどによって炎症を起こした状態を指し、何日も続くこともあります。扁桃炎の原因や対処法、予防する方法を専門医が詳しく解説します。

<井上先生のプロフィール>
井上 雄太(いのうえ ゆうた)
2010年 大阪市立大学医学部医学科卒業
2012年より関西電力病院耳鼻咽喉科 シニアレジデント
現在、同病院耳鼻咽喉科 医長として勤務。
日本耳鼻咽喉科頭頚部外科学会専門医・指導医。補聴器相談認定医。
※弊社から井上先生に依頼をし、頂いたコメントを編集して掲載しています。

扁桃炎の原因と症状

扁桃炎の治し方を理解するためには、扁桃炎とはどのような状態か、なにが原因で発症するのかを知っておく必要があります。

扁桃炎は、喉の奥に位置する「扁桃腺」と呼ばれる部位が炎症を起こした状態です。扁桃腺はウイルスや細菌が体内に侵入するのを防ぐ役割を果たしています。しかし、免疫力が弱っていたり、体力が落ちていると防御機能が弱まり扁桃腺自体が感染、炎症を引き起こし、扁桃炎になります。この炎症により喉の痛みや腫れ、発熱などの症状が現れます。

扁桃炎の初期段階では、喉の奥に違和感を覚えることが多いです。具体的には喉がイガイガする、物を飲み込むと痛むなどの軽い症状から始まります。扁桃炎を早く治すためには、この段階で適切なケアを行うことが重要です。

扁桃炎が進行すると、症状はさらに悪化します。喉の痛みが強くなり、唾を飲み込むのも辛くなり、痛みが喉だけではなく耳あたりにまで広がることもあります。38度以上の高熱が出ることも多く、全身の倦怠感や食欲不振も伴います。

正常な扁桃腺の役割と扁桃腺が感染した時のイメージ図

扁桃炎は何日で治る?

扁桃炎が何日で治るかは、原因となる病原体や症状の重さによって異なります。ウイルス性の扁桃炎は比較的軽度で、1週間程度で治ることが多いです。しかし、細菌性の扁桃炎は、高熱や強い喉の痛みを伴い、抗生薬による治療が必要な場合もあります。治療期間は10日から2週間程度が一般的です。

症状は重くないものの長期にわたって扁桃腺が炎症を起こしたり、何度も繰り返したりする状態を慢性扁桃炎と呼びます。慢性扁桃炎は治療に数ヶ月かかることもあり、過度な飲酒など日常の行動に原因があることも多いため、長期的な生活習慣の改善が必要になることもあります。

扁桃炎の
種類
原因 特徴 治る期間 治療法
急性扁桃炎
(ウイルス性)
ウイルス感染、コロナウイルスやインフルエンザウイルスなど 喉の痛み、発熱、全身の倦怠感。扁桃部分が赤く腫れ、痛みが集中する 1週間程度 対症療法(安静、鎮痛剤、喉の保湿)、水分補給、栄養摂取
急性扁桃炎
(細菌性)
細菌感染、主に溶連菌感染など 高熱、強い喉の痛み、扁桃部分に白い膿が付着す ることがある 10日~
2週間程度
抗菌薬、鎮痛剤、喉の保湿、水分補給、栄養摂取
慢性扁桃炎 ウイルス細菌感染を原因とした扁桃腺の慢性的な炎症、再発することも多い 軽度の喉の痛みが長期間続く。扁桃部分の慢性的な炎症 数ヶ月以上 抗菌薬や抗炎症薬の投与、喉の保湿、禁酒・禁煙など生活習慣の改善

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扁桃炎がうつる要因

扁桃炎は人同士でうつります。くしゃみや咳による飛沫感染や接触感染によってウイルスや細菌が広まります。

飛沫感染とは?感染を防ぐための対策

感染者の咳やくしゃみ、会話をする際に放出される細かい水滴(飛沫)を周囲の人が吸い込むことで感染が広まる感染経路です。飛沫感染を防ぐためには、しっかりとマスクを装着し適度に交換することが有効です。また使用済みマスクはビニール袋などに密封し捨てるなど、直接触れないよう注意が必要です。

接触感染とは?感染を防ぐための対策

感染者が触れた物を介して病原体が広がる感染経路です。ウイルスや細菌が付着した手でドアノブやスイッチなどに触れ、その後に別の人が同じ場所に触れることで感染が広まります。
接触感染を防ぐためには、頻繁な手洗いやアルコール消毒、他人も触る場所の消毒が重要です。手に病原体が付着した場合、目や鼻の粘膜に触れる前に手を洗いましょう。

扁桃炎になったときの治し方

扁桃炎が疑われる場合は、早めに医療機関を受診することが大切です。病院では扁桃炎の原因となっている病原菌を推定し、抗菌薬や抗炎症薬を用いて、喉の腫れを抑え改善するための治療を行います。

扁桃炎を治すには身体に備わっている治癒力も重要です。普段の生活の中でも喉をいたわることが早く治すことにつながっていきます。のど飴やトローチを舐めたり、マスクの着用や、加湿器を利用することで喉の乾燥を防ぐことも有効です。

さらに、免疫力を高めるため十分な栄養と睡眠をとることも必要です。ビタミンCやビタミンB、ビタミンA、D、Eは免疫機能に強く関連する栄養素のため意識して食事で摂取することが望ましいです。その他、亜鉛やダメージを受けた細胞の修復の源であるタンパク質の摂取も推奨されます。

すぐに医療機関を受診できない時、痛みで食事を摂るのも辛い場合は市販薬の利用を検討しましょう。抗炎症成分が含まれていると腫れ症状が緩和されます。ただし、それでも良くならない場合は必ず医療機関を受診しましょう。入院や外科治療が必要なこともあります。

扁桃炎を早く治すためにできること

扁桃炎の予防方法

扁桃炎を予防するためには、日常的に喉のケアを続けること、免疫力と体力を強化することの2点が大切です。

乾燥した環境では、喉の粘膜が乾き、ウイルスや細菌が扁桃腺に付着しやすく感染のリスクが高まります。加湿などで積極的に口内や喉を潤すことが、病原体の侵入を防ぐことが予防に繋がります。

また、健康な状態であれば体がもつ通常の免疫機能で病原体を退治することが可能ですが、ストレスを抱えていたり、体力が落ちていたりする時には免疫力が低下し、感染しやすくなります。そのため日常的に免疫力を高めるよう生活することが扁桃炎の予防に効果的です。免疫力を高めるためにはビタミンCや疲労回復に有効なビタミンB群を意識した食事を行うとよいでしょう。また適度な運動は血液循環を高め栄養が体を巡るため免疫細胞が活性化すると考えられます。

その他、暴飲暴食、喫煙、大声を出すなど喉に負担がかかる行動を控え、定期的な手洗いやうがいで病原体を洗い流すことを心がけることも大切です。


井上先生、詳しい解説ありがとうございました!


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※専門家のコメントは商品の推奨及び、商品の効果効能を保証するものではありません。
※以上は、小林製薬からの依頼に基づき、『Doctors me』が作成した記事を掲載しています。