低気圧不調対策コラム

監修:北里大学東洋医学総合研究所 所長 小田口浩先生

低気圧が近づくと、頭が痛くなる、体がだるくなるなど不調があらわれることがあります。このような気圧低下によって体の調子が悪くなることを『低気圧不調』と呼びます。低気圧不調で日常生活に支障をきたしている方は全国で約1,200万人にのぼると推定されており、多くの方々が低気圧不調による悩みを抱えています。
低気圧不調とうまく付き合っていくためには、どうすればいいのでしょうか。低気圧不調を予防する方法や不調がみられたときの対処法について、北里大学東洋医学総合研究所の小田口浩先生にお話しを伺いました。

※小林製薬「低気圧不調実態調査(2019年10月)」20~69才男女 N=2500、総務省人口統計データ(2019年10月)に基づき推計

低気圧不調でみられる症状とは

頭痛、だるさ、めまい、むくみなどはよくみられる症状です。めまいは吐き気を伴うこともあります。そのほか、食欲不振、下痢、肩こり、膝や手首などの関節の痛み、全身の痛み、動悸など、多彩な症状がみられます。
症状があらわれるパターンもさまざまで、低気圧が近づいてくる、天気が悪くなる前に予兆を感じる方、低気圧が近づいてくるときだけ症状があらわれ、雨の日になると症状が治まる方、雨の日はずっと症状が続く方など、個人差があります。

低気圧不調でみられる症状

低気圧不調は、どうして起こるの?

低気圧不調には体内の水分バランスが深くかかわっています。
水分は、生命活動を維持するための重要な役割を担っており、私たちの体の大部分を構成する成分です。しかし、気圧が下がってくると、体内の水分バランスが乱れることにより、さまざまな不調が起こります。
例えば、胃腸に必要以上に水が集まると下痢が生じますし、頭の血管に水が集まると、血管が拡張することで頭痛が起こります。
また、水分バランスの乱れが、自律神経の乱れを引き起こし、不調の原因となることがあります。
(参照:低気圧不調が起きる仕組み )

低気圧不調を起こさないためには

低気圧不調を起こさないためには、バランスの良い食事、十分な睡眠をとり、適度な運動を行うなど、生活スタイルを改善することが大切です。お酒の飲み過ぎは、症状を悪化させる可能性がありますから、控えるようにしてください。
また、天気予報を確認すること、天気と自分の体調を記録することは、不調がいつあらわれるかを予測し、構えることができますので、有効だと思います。低気圧不調対策として開発された、体調管理アプリを活用するのも良いでしょう。

適度な運動

低気圧不調の予防法

  • 栄養バランスの良い食事
  • 十分な睡眠
  • 適度な運動
  • お酒の飲み過ぎは控える
  • 天気や体調を記録する

など

低気圧不調を改善するためには

低気圧不調があらわれたときに、耳をもむ、引っ張るなど耳をマッサージすることで、症状が楽になることがあります。ぬるめのお湯でゆっくり入浴し、リラックスすることも有効です。
日常生活に支障をきたしている方などは、予兆を感じたとき、つらくなる前に、お薬・漢方薬を服用すると良いと思います。低気圧による頭痛、むくみなどの症状に使える市販薬も販売されています注)。当院の漢方診療では、低気圧不調と考えられる患者さんには、漢方薬の『五苓散(ごれいさん)』をよく処方します。血流の滞りが気になるときは『桂枝茯苓丸(けいぶくりょうがん)』、貧血や冷えを伴うときは『当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)』を処方することもあります。このような漢方治療は、血の巡りをよくして、水分のバランスを整える働きがあり、原因の根本に近いところに作用するため、有用だと考えています。
注)市販薬を使用する際は、使用上の注意などを十分確認し、必要に応じて医師、薬剤師または登録販売者に相談してください。

耳のマッサージ

低気圧不調の対処法

  • 耳のマッサージ
  • ぬるめのお湯で入浴
  • お薬・漢方薬(五苓散など)

など

いつもと違う不調を感じたときには、病院へ

低気圧不調は、天気が悪化するタイミングで不調がみられるのが特徴です。天気の悪化とは関係なく、いつもと違うタイミングであらわれる不調は、別の病気が原因である可能性があります。また、いつもとは異なる症状を伴っている、いつもより痛みが強い、いつものお薬・漢方薬を飲んでもよくならない場合も注意が必要です。まれに、頭痛が脳腫瘍によるものであったなど、深刻な病気がかくれていることがあります。いつもと違う不調と感じたときには、病院を受診するようにしてください。また、心配なことがありましたら、遠慮せず医師や薬剤師に相談するようにしてください。

こんなときは、病院へ受診を
  • いつも不調があらわれるタイミングと違う
  • いつもとは異なる症状を伴っている
  • いつもより痛みが強い、つらい
  • いつものお薬・漢方薬を飲んでも治らない

低気圧不調に悩まされている方へ

頭痛、だるさ、めまい、むくみなどの症状が低気圧不調と気づかず悩んでいる方は少なくありませんが、乗り物酔いをしやすい、飛行機で耳鳴りがする、高山で体調が悪くなるような方は、低気圧不調を起こしやすい印象があります。
その不調が天気の悪化によって引き起こされているのであれば、ここに紹介した予防法を試したり、お薬、漢方薬を活用してみたりしてください。悩んでいた症状が改善、または和らいで、より快適な生活を送ることができるようになるかもしれません。
一人でも多くの方が低気圧不調による悩みを解消されることを願っています。

北里大学東洋医学総合研究所漢方鍼灸治療センター
煎じ薬を基本にして個々の体質に応じた本来の漢方治療を行っている。
オンライン診療可。自由診療。
https://www.kitasato-u.ac.jp/toui-ken/index.html
小田口浩先生

北里大学東洋医学総合研究所 所長
小田口浩先生

2003年 北里大学東洋医学総合研究所入職
2007年 北里大学大学院医療系研究科修了
2015年 北里大学東洋医学総合研究所所長
2018年 北里大学医学部教授

CONTENTS

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【効能・効果】体力に関わらず使用でき、のどが渇いて尿量が少ないもので、めまい、
はきけ、嘔吐、腹痛、頭痛、むくみなどのいずれかを伴う次の症状:暑気あたり、頭痛、むくみ

低気圧などで不調を感じる方に|テイラック
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