
ベンチャー、外資、日系老舗企業を経験してきた
CDO石戸が語る、小林製薬×デジタルの未来。
2023.8.31配信記事より引用

小林製薬は、DX推進に積極的に取り組んでいます。この記事では、2023年1月から当社のCDO(チーフ・デジタル・オフィサー)に就任した、石戸に話を聞きました。
ベンチャー、外資、日系老舗企業など、数々の企業を経験してきた石戸がなぜ関西の老舗企業である小林製薬へ入社することになったのか、小林製薬がDXを推進することでどんな可能性が見えてくるのか――ぜひご覧ください。

社長や社員がDX推進や組織変革に本気で向き合っている。その熱量が入社を決意させた
—— 石戸さんは入社前から、小林製薬に関わっていたんですよね?
そうなんです。最初は、小林製薬がDX推進のために発足したDX推進委員会に外部からアドバイスするという立ち位置で関わり始めました。DX推進委員会は、社長をはじめとした70人くらいのメンバーで構成されている組織で、小林製薬がDXを推進するために何をやるべきか、どんな優先順位で実施すべきかというのを検討していました。
—— 会議に参加して、小林製薬や社員にどんな印象を持ちました?
もう皆さんとにかくやる気と熱意がすごい。どうにかして会社を良くしたい、DXを成し遂げたいという思いをひしひしと感じましたね。僕は最初、月に1度は会議に参加して、アドバイスやコメントを言うという立場だったんですけど、皆さんの話が盛り上がって、かつ議題も多く、僕があまり話せずに終わってしまうこともあるくらいでした(笑)
—— 社長とも入社前に定期的に意見交換をしていたそうですね。どんなお話だったのですか?
社長と数ヶ月に一度くらいのペースで食事をしていた際に、DXの話になると「最近使われているシステムやアプリはどんなものがあるか」「DX人材はどうやったら採用できるのか」ととても熱心に質問されるんです。DX推進というものへの社長の本気度を会う度に感じていましたね。そういう社長と社員の本気度や熱意を感じるたびに、小林製薬への興味がどんどん深まっていきました。
—— なるほど!そこから小林製薬に入社しようと思うまでには、どんな葛藤や経緯があったんですか?
DX推進委員会で活動しているメンバーはみんな他に主務があるので、アイデアや熱意は溢れるほどにあるのですが、リソースが足りない。かつ、デジタル領域の経験豊富な社員が多いわけではないとのことだったので、アイデアをどう実行していけばいいのか進め方がわからないこともあって、進捗スピードが遅かったんです。
当時、僕は月に1回ある会議に参加してコメントするだけの立場だったので、それがもどかしくて。自分がこのチームに入れれば、もっと貢献できるのになというのを感じていた頃に、社長と話す機会があったんです。
そこでもっと小林製薬に関われないか、もしくは今のままだと中途半端だからいっそもう身を引きますという話をしようかと考えていたところ、社長の方から「もっと関わってくれないか」という話をもらったことがきっかけでした。

脊髄反射的なスピードが速すぎるのが、小林製薬の良さであり盲点
—— 入社してからは、まずどんなことに取り組んだのですか?
一つ心掛けていたのは、社員の熱意を受け止めつつ圧倒されないこと。そのうえで冷静に会社の状況や社員のやりたいことを俯瞰して、優先順位をつけたり方向性を考えたりというところから手をつけていきました。
DX戦略としてコアなものは会社として方針を掲げてはいたんですが、事業部や社員単位でヒアリングしていくと、DXとしてやりたいことが80個くらいあったんです。しかもそれぞれに思いがある。でも、僕一人が入ったところで、何もかもできるわけじゃないですから、とにかく冷静に現状把握と整理を進めていきました。
—— 色んな社員と話し、会社を見て、小林製薬の改善点はどんなところだと思いましたか?
何か課題が見つかったり、起こったりしたときに、それ自体は実は根本的な課題ではなく、表面に見えている単なる事象にしかすぎないことがあります。それを課題と捉え取り組む、脊髄反射的なスピードが早すぎるところがあると感じています。
特にデジタル領域の手段はとっかかりやすいことが増えていて、製造業の製品開発よりも簡単に手を加えやすい。その分、全体を俯瞰せずに目の前のことだけを見て取り組むと、逆に非効率さが生まれてしまうこともあると思うんですよね。だから、小林製薬のように行動スピードの早い企業だと反作用が起きてしまう部分もあると思っています。
—— なるほど、それに対してどういうアクションを起こしているんでしょうか?
一つはDXの方針とロードマップを示すことですね。僕が入社してすぐに、DXに対して具体的に何をするかという大方針としての戦略を3つ掲げて半年間取り組んできました。
加えて、3つの戦略を具体的にどう実現するのか、小林製薬が「2030年のありたい姿」として描く2030年をいったんのゴールと設定してロードマップを示しました。
(詳細は8月に開催したDX方針説明会の資料をご覧ください)
老舗企業とスタートアップの面白さを両方味わえる
——— 今後はどんな戦略や取り組みを考えているんですか?
大きく取り組みたいのが小林製薬の肝でもある「あったらいいなをカタチにする」ところにDXを導入してバージョンアップさせるということ。
これまでは一人ひとりがアイデアを出して、自分の経験や身近な物事・人物を主な情報源としてカタチにしていたのですが、例えばニーズを拾い上げるところからシステムを導入したり、バラバラと個別で行っていることを社内でナレッジ共有したり、出てきたアイデアを判断するのにAIを使ったりすることで、よりスピーディーにコストパフォーマンスも良く世の中に提供できる可能性があります。
他にもこれまでのように形ある製品だけでなく、デジタルを活用したサービスやアプリを創出することもできるようになるはずです。小林製薬がこれまで培ってきた経験や知見、それが具現化した製品群はとにかく大きな強みになります。
また、小林製薬にはニッチな製品が多く、このニッチで多品種という特徴はロングテールが活きるデジタルビジネスやデジタルマーケティングとも相性が良いと考えています。各部署や事業で様々なデータがありますから、それらを活用してどんどん新しい創造に挑んでいける、宝の山みたいなものですよね。
そういう魅力的な蓄積がありつつも、手付かずのところが多いですから、これまでIT企業やスタートアップで働かれていた方々は、ワクワクする仕事ができるんじゃないでしょうか。老舗企業の良い面とスタートアップの良い面を掛け合わせた仕事ができると思います。

—— 最後に、小林製薬のアピールポイントをお願いします!
小林製薬はこれまで医薬品や化学の技術でお客様のあったらいいなをカタチにしてきた企業です。今後、デジタルの力を活用することによって、より新しい方法でお客様のあったらいいなをカタチにできると思っています。
加えて先ほどもお伝えしましたが、老舗企業とスタートアップ、両方の面白さが味わえるのは、”今”の小林製薬だからこその魅力です。社員の皆さんも熱意やアイデアの精度が本当にすごい。今、デジタル領域の知識があって、何か面白いことをしてみたいという方には、ぜひ一度小林製薬という会社で働くことを視野に入れてほしいですね。
本記事全文をご覧になりたい場合は、以下URLよりご確認ください。
(https://note.kobayashi.co.jp/n/n92d844c4e3c8)