発熱のしくみ 発熱時の対処法 身体を温める時もある

原因を見極めて 〜「熱」以外の症状も、しっかりチェック〜

発熱の原因の多くは感染症ですが、それ以外にも原因はさまざま。受診が必要なケースも少なくありません。原因を見極めるためには、熱以外の症状に注目しましょう。 こんな症状がある場合に心配される病気、ラインナップ。

熱のみの場合 全身状態が良い場合は安静に。 数日以上続くと、感染性心内膜炎などの心配もあるので、病院へ。
カゼの症状を伴う場合(鼻水・鼻づまり、せき、のどの痛みなど) ウイルス性のカゼ。症状がひどく、長引く場合は細菌の場合もあります。
悪寒戦慄(症状:身体がガタガタ震える。筋肉が硬直するなど) 細菌・ウイルス感染症。重症の場合もあるので、受診しましょう。
頭痛 髄膜炎、脳炎など。急激に悪化する場合があるため、頭痛が激しければすぐ病院へ。 こめかみの後ろの動脈痛がある場合、側頭動脈炎の可能性もあるので要注意。
胸痛(せきによる胸膜部に痛み) 胸膜炎・心外膜炎、肺炎による胸膜の炎症、流行性胸膜痛など。 息苦しい、ひどく疲れるなどの症状がある場合は病院へ。
腹痛 下痢、吐き気・嘔吐を伴う:急性胃腸炎。下腹部が痛む時は憩室炎。 心窩部から右わき腹にかけての痛み:急性胆嚢炎、胆管炎(黄疸を伴う場合アリ)。 右わき腹の痛み・全身の倦怠感:急性肝炎。 心窩部から背中の痛み・嘔吐:急性膵炎。 下腹部の痛み(下痢がない):急性胃腸炎、急性虫垂炎、子宮付属器炎、骨盤腔炎、膀胱炎を伴う腎盂腎炎。
腰痛 発熱やカゼでも腰痛がみられる。
頻尿・尿混濁を伴う:腎盂腎炎。
下腹部痛を伴う:骨盤腔炎。
関節痛 カゼによる関節痛も多い。
成人の場合:関節リウマチ、膠原病、通風、偽通風、感染症の関節炎。
子どもの場合:リウマチ熱。
耳・眉間から頬のあたりの痛み 耳の痛み:急性中耳炎、おたふくかぜ(流行性耳下腺炎)、扁桃炎、喉頭炎。 眉間から頬にかけての痛み:急性副鼻腔炎。
その他 リンパ節のハレ:カゼ、扁桃炎、伝染性単核球症、ツツガムシ病、悪性リンパ腫、エイズ。
発疹:はしか、風疹、水疱瘡。
せき・たん:細菌性気管支炎、肺炎。
黄疸:溶血発作、急性胆嚢炎、胆管炎、急性肝炎。
熱が出た時の対処法 〜身体を冷やす時もある 身体を温める時もある〜

カゼをひいた場合の三原則は「安静・栄養・保温」。解熱する時は、タイミングに気をつけて。 感染症による発熱の、一般的な対処法をご紹介します。

安静+水分補給。
発熱・発汗、または下痢などで水分が失われています。水、茶、スポーツドリンクなどで水分・ミネラルを補給しましょう。子どもにスポーツドリンクを与える場合、脱水症状を起こす可能性があるので、子ども用のものを与えるか薄めて与えてください。
悪寒がある時は、身体を温める。
発熱によってウイルスなどに対抗している場合があるので、しっかり身体を温めてください。衣服や寝具、室内の温度も高めに。
熱が上がりきったら解熱
発熱は身体を消耗させるもの。頭だけではなく、腋の下や首筋など動脈が通っている所を冷やすと効果的です。また、熱が下がる時は汗をかくので、汗が冷えて熱がぶり返さないようにこまめに汗を拭いたり着替えたりすることも大切です。
消化の良い食事を
弱った胃腸のために、まずは消化の良いものを。できれば栄養価の高いものを摂ってください。また、発熱でビタミンCが失われるのでしっかり補給しましょう。

こんな時は、熱をさまして 〜すぐに熱を下げることが大切です〜

・発熱が40℃を超える場合。
・38℃以上の熱が数日続き、体力消耗、食欲低カの場合。
・精神症状やひきつけを起こした場合。
・患者の苦痛が強い場合。
・高齢者の発熱・アルコール中毒がある場合の発熱。

物理的に体温を下げる場合 〜お薬では熱が下がらないことがあります〜

日射病や熱射病、悪性高体温症などの場合、高熱が出る一方で解熱剤がほとんどききません。衣服を脱がせたり冷水で冷やすなどの方法で、すみやかに体温を下げてください。

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