「お腹が張って苦しい」「オナラが出そうで辛い」と感じることありませんか?
仕事中やデート中に厄介なこの症状。
お腹いっぱい何かを食べたわけでもないのに、お腹の内側から張っている感じがして、座っているとお腹がさらに圧迫されて息苦しいし、気がゆるむとオナラも出ちゃいそう。
多分、お腹にガスがたまっているのだろうけど、どうしてこうなったんだろう?
恥ずかしい思いをする前に、今すぐなんとかしたい!
そこで今回は、“お腹のガスだまり”について、医師に話を伺いました。

- <飯田先生のプロフィール>
- 飯田 綾子(いいだ あやこ)
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2009年奈良県立医科大学卒業。大阪市立大学医学部附属病院で初期臨床研修後、大阪市立総合医療センター消化器内科レジデントを経て、大阪市立大学医学部附属病院肝胆膵内科で学位を取得。
現在は大阪市内のクリニックに勤務し、一般内科外来や在宅診療をメインに行っている。 - 弊社から飯田先生に依頼をし、頂いたコメントを編集して掲載しています。


飯田先生
お腹にたまるガスには、口から飲み込まれる空気と、腸内で発生するガスがあります。普通はそれが血液中に吸収され、げっぷやオナラとして体外に排出されます。
しかし、胃や腸の動きが低下してうまく排出されないと、体内にたまってしまうのです。


飯田先生
腸内にガスがたまる理由は大きく2つです
1つ目は腸内ガスの過剰産生によるものです。
肉類を中心とした高たんぱく、高脂質の食生活は、腸内で悪玉菌を増やす原因となります。腸内で悪玉菌が増えすぎると、ガスが過剰に産生されるようになります。また便通をよくする食物繊維ですが、イモ類や豆類など食物繊維を多く含む食品は、腸内で分解される際に二酸化炭素などのガスを多く発生させるため、どんな食事も摂りすぎには注意しましょう。

また、便秘も要注意。
便が腸内に長期間たまっている状態は、悪玉菌が増殖しやすく、ガスの発生につながります。女性の場合は特に、生理前にはホルモンの関係で便秘になりやすいため、お腹にガスがたまっているように感じることが多いのではないでしょうか。
2つ目は腸内ガスの排出低下によるものです。
腸内ガスの排出低下は消化管の運動が低下することで起こります。消化管は交感神経と副交感神経の支配を受けており、ストレスがかかると交感神経優位となり、消化管の運動は低下してしまいます。ストレス性の便秘や過敏性腸症候群などがこの状態です。その他、腸閉塞では腸内容物とともにガスも排出できなくなるのでガスだまりができてしまいます。



飯田先生
■ガスだまりを予防するには
- 空気を飲み込まないよう、よく噛んでゆっくり食べる
- 悪玉菌増加の原因になる肉類を摂りすぎない
- 善玉菌を意識して、発酵食品や食物繊維をバランスよく食べる
- 便秘にならないよう、こまめに水分補給をする
- 適度な運動で腸の動きを良くする

■ガスだまりを感じたら
生活習慣を改善し、お腹を温めたり、運動をして腸の動きを促してみましょう。それでもだめなら、ガスを形成する膜を薄くし、ガスだまりをつぶれやすくしてくれる消泡剤を配合した市販薬を内服するのも一つの手です。

ただし、排便がまったく止まってしまっている場合や、強い吐き気、腹痛を伴う場合は、治療が必要な病気が隠れている可能性があるので、一度医療機関を受診してください。