環境に配慮した製品開発

小林製薬では、“あったらいいな”の新製品を開発し続けるメーカーとして、ものづくりにおける環境負荷低減に対する責任は大きいと考えています。

特に製品の容器包装においては、Reduce(減らす)、Reuse(再利用)、Recycle(再資源化)、Renewable(再生可能原料への転換)の4視点での取り組みを重視しています。具体的には、バージン原料と同等の品質の「再生プラスチックの積極利用」、石油由来プラスチックより低炭素かつ再生可能な植物由来の原料を使用した持続可能な「バイオマスプラスチックの積極利用」、適切に管理がなされている森林から生産された「持続可能性に配慮した紙の導入」などを主軸として開発を進めています。

小林製薬は、お客さまにとっての“あったらいいな”と環境価値の同時実現に努め、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。

プラスチック削減目標

当社は、2024年に持続可能な社会の実現に向けた取り組みを加速させるべく、化石資源由来のバージンプラスチック使用量の削減目標を策定いたしました。当社では、製品に年間約16,000トンのプラスチックを使用しています。一般的な化石資源由来のバージンプラスチックは、その製造過程において多くの温室効果ガスが排出され、地球温暖化を推し進める一因とも言われています。加えてプラスチックごみの海洋流出も問題となっており、化石資源由来のバージンプラスチック使用量の削減に取り組むことは、企業の社会的責任であると考えています。
このたび、新たに使用量削減の数値目標を掲げることで、製品開発における環境負荷の低減をさらに推進してまいります。

プラスチック削減目標
2030年までに売上高あたりの化石資源由来のバージンプラスチック使用量を2020年比で33%削減する

当社のプラスチック 使用量推移
  2018年 2019年 2020年 2021年 2022年
プラスチック総使用量(千トン) 19.0 18.6 16.7 17.3 16.9
バージンプラスチック使用量(千トン) 19.0 18.6 16.7 14.6 14.2
連結売上高(千億円) 1.6 1.6 1.5 1.6 1.7
売上当たりのバージンプラスチック使用量(kg/百万円)
【バージンプラスチック使用量/連結売上高】
123.7 117.4 111.2 94.3 85.3
基準年(2020年)からの削減率 15% 23%
  • 容器包装プラスチック

プラスチック削減の取り組み

現在、小林製薬では約150ブランド、約1000SKUの製品を取り扱っています。その多くで石油由来のプラスチックを材料とし、製品において年間約8,000トンのプラスチックを使用しています。

一般的な石油由来のプラスチックは、その製造過程おいて多くのCO2が排出され、地球温暖化を推し進める一因とも言われています。加えてプラスチックごみの海洋流出も問題となっており、使用量削減は大きな社会課題となっています。

持続可能な原資材の活用

当社では、石油由来のプラスチック使用削減に向け、2021年春より、特に使用量の多い「お部屋の消臭元」「トイレの消臭元」「液体ブルーレット」などを中心に、再生プラスチックやバイオマスプラスチックなどの環境負荷が低い環境配慮型樹脂に変更しています。
また、製品のパッケージや添付文書に「持続可能性に配慮した紙」の活用も進めています。

取り組み例

取り組み例

製品開発における環境負荷低減の見える化

小林製薬では、製品開発において従来より環境配慮を重視しており、2011年度より「製品開発エコ指標」という自主基準を設け、製品の開発段階における環境負荷について確認し、基準を満たすことを発売の条件としてまいりました。

2020年には、より高いレベルでの環境負荷の低減に取り組むべく、項目の見直しや運用方法の改善を行いました。また、製品開発における環境負荷低減を見える化するため、新たに環境負荷低減に寄与する自社基準「小林製薬 製品開発エコ基準」を設け、基準を1つ以上満たした製品に「エコをカタチに」マークを付与する制度の運用を2021年より開始いたしました。

「製品開発エコ指標」と「製品開発エコ基準」の2つのしくみを稼働させることで、より環境負荷が少ない製品開発を行うとともに、「エコをカタチに」マークでその取り組みを見える化し、消費者に環境に配慮した製品であることを伝えていくことで、取り組みを推進してまいります。

「小林製薬 製品開発エコ基準」についてはこちらをご覧ください

「小林製薬 製品開発エコ基準」と「エコをカタチに」マーク

店頭販促物における環境負荷低減の取り組み

お客さまに芳香・消臭剤製品の香りを実際に確かめていただくことを目的に店頭に設置している、「香りサンプル」は、従来包装カバーと設置用フックの素材にプラスチックを使用しておりましたが、2021年春より包装カバーを紙製の箱に置き換え、設置用フックについても「MAPKA®(マプカ)※1」という紙パウダーを主原料とした素材に切り替えました。これにより、石油由来のプラスチック使用量を年間約5t削減できます。

この取り組みは、小林製薬独自の社内制度「アイデア提案制度」がきっかけとなっています。2019年にある従業員から、「香りサンプルを年間200万個ほど生産しているのに、環境負荷低減の検討がなされていないことが良くない」と提案があったことを機に、担当部署での検討がスタートしました。

環境負荷を低減できる素材について様々な面から検証を重ねた中で、強度や実現性の観点から、今回の新しい「香りサンプル」にたどり着きました。提案から約1年3ヶ月での実現となり、新製品や業務改善について従業員一人ひとりが“あったらいいな”のアイデアを考え続ける、小林製薬らしい取り組みとなりました。

新素材 MAPKA®とは※2

株式会社環境経営総合研究所が提供する新素材です。微細な紙パウダーを主原料にプラスチック原料を混成させており、様々な用途にあわせ成形可能な“ポストプラスチック原料”として近年注目を集めています。紙パウダーが原料の51%を占めるため、石油由来のプラスチック使用量を半減できるだけでなく、MAPKA®の成形物は紙扱いとなるため、燃えるごみ・燃やすごみとして廃棄が可能となります※2

従来仕様 新仕様

従来仕様 新仕様

  • MAPKA®(マプカ)は株式会社環境経営総合研究所の登録商標です。
    詳細はHPをご覧ください。
  • 各地方自治体のルールに従ってください。