私たちの身の回りのウイルス

私たちの周りには常にたくさんのウイルスが存在していますが、そのウイルスの流行時期や特徴はそれぞれによって異なります。ウイルスの流行時期やウイルスの特徴、ウイルスが原因で引き起こされる症状について正しく理解し知識を持つことが大切です。

また近年では新型コロナウイルスの感染拡大をきっかけに生活者の感染症への対策意識は高まっており、加えて変異株の感染流行により、新型コロナウイルスの変異に関わらず、不活化が可能な素材の検証が求められています。

弊社では、以前からヨウ素等の抗ウイルス効果に関する基礎研究を続けております。様々なウイルスに対するヨウ素の有効性を明らかにしてきました。

咳・喉痛 頭痛・発熱のイメージ図
※イメージ
摂取上の注意点
ヨウ素は甲状腺ホルモンの合成に必要であり、人にとって必須元素です。ヨウ素が欠乏すると甲状腺機能低下症などを発症するリスクがあります。ですが、多くとれば良いというわけではなく、過剰摂取した場合でも甲状腺機能低下症などが発症するリスクがあります。日本では食生活の中で海藻などから自然にヨウ素の摂取が行われているため、積極的にヨウ素を摂取する必要はありません。

季節性ウイルスに対するヨウ素の効果

気になるウイルス、今注意すべきウイルスをチェック!

  • 秋冬に流行(11~3月)コロナウイルス RSウイルス
  • 冬に流行(12~3月)インフルエンザウイルス
  • 春・秋に流行(3~5月、9~11月)ライノウイルス
  • 夏に流行(6~8月)アデノウイルス

コロナウイルス(新型コロナウイルス等)

流行時期

11~3月(秋から冬にかけて)

特徴
  • 発熱や呼吸器障害などの症状が多いが嗅覚、味覚障害などの症状も発症する。
  • 高齢者、基礎疾患のある方は重症化しやすい。
  • SARSやMARSといったウイルスもコロナウイルスの変異種である。
コロナウイルス 引用元:国立感染症研究所 提供、 引用元:CDC/ Antibiotic Resistance Coordination
and Strategy Unit
ヨウ素水溶液の効果

ヨウ素は新型コロナウイルスに対して
殺菌効果があることが分かりました。

※第25回ヨウ素学会シンポジウム報告、The 5th International Symposium on Halogen Bonding 報告、SIS Letters. 2022, No.23, p.2-8.より ※「ヨウ素水溶液による効果」のグラフ結果は、培養細胞での実験系であり、人体での現象を必ずしも反映するものではございません。
ヨウ素水溶液の効果(図表)

RSウイルスについて

流行時期

11~3月(秋から冬にかけて)

特徴
  • 乳幼児の肺炎や下気道疾患の主な原因ウイルス。
  • 成人が感染すると普通感冒程度で済むことが多い。
  • 慢性肺疾患、心臓疾患を有する人や、抵抗力が弱い高齢者では重症化する事がしばしばある。
RSウイルス 引用元:技術評論社「ウイルス・細菌の図鑑」(2016)
ヨウ素水溶液の効果

ヨウ素はRSウイルスに対して
殺菌効果があることが分かりました。

※日本防菌防黴学会、日本臨床微生物学会報告より ※「ヨウ素水溶液による効果」のグラフ結果は、培養細胞での実験系であり、人体での現象を必ずしも反映するものではございません。
ヨウ素水溶液の効果(図表)

インフルエンザウイルスについて

流行時期

12~3月(主に冬)

特徴
  • A型、B型、C型の3つの型があり、「季節性」インフルエンザとして流行するのは、A型とB型の2つ。
  • 構造が変わりやすく、一度かかっても再感染する。
  • 38℃以上の高熱や関節痛、頭痛などの症状が現れることがある。
インフルエンザウイルス 引用元:技術評論社「ウイルス・細菌の図鑑」(2016)
ヨウ素水溶液の効果

ヨウ素はインフルエンザウイルスに対して
殺菌効果があることが分かりました。

※日本防菌防黴学会、日本臨床微生物学会報告より ※「ヨウ素水溶液による効果」のグラフ結果は、培養細胞での実験系であり、人体での現象を必ずしも反映するものではございません。
ヨウ素水溶液の効果(図表)

ライノウイルスについて

流行時期

3~5月、9~11月(春および秋)

特徴
  • 季節問わず成人の風邪の原因となるウイルス。
  • 33℃で繁殖する。
  • 鼻、のどなどの上気道で増殖しやすく、炎症を引き起こす。
  • 100種以上の血清型があり、再感染を繰り返す。
ライノウイルス 引用元:技術評論社「ウイルス・細菌の図鑑」(2016)
ヨウ素水溶液の効果

ヨウ素はライノウイルスに対して
殺菌傾向があることが分かりました。

※本試験は、15秒間と短い接触時間での試験でしたが、
より長時間の接触で高い殺菌効果が得られると考えられます。
※日本防菌防黴学会、日本臨床微生物学会報告より ※「ヨウ素水溶液による効果」のグラフ結果は、培養細胞での実験系であり、人体での現象を必ずしも反映するものではございません。
ヨウ素水溶液の効果(図表)

アデノウイルスについて

流行時期

7~9月(主に夏)

特徴
  • 風邪の原因ウイルスのひとつ。小児胃腸炎の約10%、呼吸器感染の約5~10%の原因とされる。
  • 扁桃腺やリンパ節に感染し増殖する。
  • プール熱(咽頭結膜熱)はやり目(流行性角結膜炎)を引き起こす。
アデノウイルス 引用元:技術評論社「ウイルス・細菌の図鑑」(2016)
ヨウ素水溶液の効果

ヨウ素はアデノウイルスに対して
殺菌効果があることが分かりました。

※日本防菌防黴学会、日本臨床微生物学会報告より ※「ヨウ素水溶液による効果」のグラフ結果は、培養細胞での実験系であり、人体での現象を必ずしも反映するものではございません。
ヨウ素水溶液の効果(図表)

菌に対するヨウ素の効果

A群溶連菌について

流行時期

12~3月(主に冬)

特徴
  • 溶血性連鎖球菌と呼ばれる細菌。
  • 主にのどに感染し咽頭炎や扁桃炎を引き起こすだけでなく、全身に小さな紅い発疹の現れる猩紅熱(しょうこうねつ)を引き起こす。
A群溶連菌 引用元:技術評論社「ウイルス・細菌の図鑑」(2016)
ヨウ素水溶液の効果

ヨウ素はA群溶連菌に対して
殺菌効果があることが分かりました。

※第25回ヨウ素学会シンポジウム報告より ※「ヨウ素水溶液による効果」のグラフ結果は、培養細胞での実験系であり、人体での現象を必ずしも反映するものではございません。
ヨウ素水溶液の効果(図)

黄色ブドウ球菌について

特徴
  • 人体の鼻腔や皮膚などに常在し、成人の約30〜40%が保有する。
  • 肺炎などの呼吸器疾患のみならず、食中毒やおできなど様々な感染症を引き起こす。
黄色ブドウ球菌 引用元:技術評論社「ウイルス・細菌の図鑑」(2016) 引用元:CDC/ Antibiotic Resistance Coordination
and Strategy Unit
ヨウ素水溶液の効果

ヨウ素は黄色ブドウ球菌に対して
殺菌効果があることが分かりました。

※第25回ヨウ素学会シンポジウム報告より ※「ヨウ素水溶液による効果」のグラフ結果は、培養細胞での実験系であり、人体での現象を必ずしも反映するものではございません。
ヨウ素水溶液の効果(図)

インフルエンザ菌について

特徴
  • 複数の型が存在するがB型が一番病原性が高い。
  • 主に呼吸器や中耳に感染する。
  • 乳幼児の場合、重症髄膜炎や肺炎、菌血症の原因になる。
インフルエンザ菌 引用元:技術評論社「ウイルス・細菌の図鑑」(2016) 引用元:CDC/ Antibiotic Resistance Coordination
and Strategy Unit
ヨウ素水溶液の効果

ヨウ素はインフルエンザ菌に対して
殺菌効果があることが分かりました。

※第25回ヨウ素学会シンポジウム報告より ※「ヨウ素水溶液による効果」のグラフ結果は、培養細胞での実験系であり、人体での現象を必ずしも反映するものではございません。
ヨウ素水溶液の効果(図)

モラクセラ・カタラーリス菌について

特徴
  • 咽頭の常在菌だが、免疫低下時に症気を起こす。
  • 慢性気管支炎の悪化により発症し、呼吸困難になることも。
  • 中耳炎、副鼻腔炎、肺炎の原因になることもある。
モラクセラ・カタラーリス菌 引用元:日東書院「ウイルス・細菌・カビ」(2013) 引用元:CDC/ Antibiotic Resistance Coordination
and Strategy Unit
ヨウ素水溶液の効果

ヨウ素はモラクセラ・カタラーリス菌に対して
殺菌効果があることが分かりました。

※第25回ヨウ素学会シンポジウム報告より ※「ヨウ素水溶液による効果」のグラフ結果は、培養細胞での実験系であり、人体での現象を必ずしも反映するものではございません。
ヨウ素水溶液の効果(図)

肺炎球菌について

特徴
  • その名の通り肺炎を引き起こす。
  • 肺炎以外にも、中耳炎、副鼻腔炎、髄膜炎の原因にもなる。
  • 健常者にも少数存在する常在菌。
肺炎球菌 引用元:技術評論社「ウイルス・細菌の図鑑」(2016) 引用元:CDC/ Antibiotic Resistance Coordination
and Strategy Unit
ヨウ素水溶液の効果

ヨウ素は肺炎球菌に対して
殺菌効果があることが分かりました。

※第25回ヨウ素学会シンポジウム報告より ※「ヨウ素水溶液による効果」のグラフ結果は、培養細胞での実験系であり、人体での現象を必ずしも反映するものではございません。
ヨウ素水溶液の効果(図)

ヨウ素のウイルス感染性への影響

インフルエンザウイルス(H3N2)を透過電子顕微鏡にて、ヨウ素添加による影響を形態学的に評価しました。
結果、ヨウ素がエンベロープを変性させることで、ウイルスの感染性を失わせることが示唆されました。

インフルエンザウイルスの透過電子顕微鏡による観察

50,000倍の観察写真
ヨウ素添加なし
60,000倍の観察写真
ヨウ素添加3分後
ヨウ素添加により、インフルエンザウイルスの
エンベロープが変性していることが示唆された
※培養細胞での実験系であり、人体での現象を必ずしも反映するものではございません。 ※日本防菌防黴学会 第48回年次大会、第25回ヨウ素学会シンポジウム報告、The 5th International
Symposium on Halogen Bonding 報告より

新型コロナウイルスに対するヨウ素水溶液の効果の可視化

従来よりも細胞変性の様子を視覚的に確認できる方法として、タイムラプス動画で撮影を行いました。(図1) (動画1)
これによりヨウ素を作用させた場合の抗ウイルス効果を視覚的にも確認できました。(ヨウ素を作用させない場合には、新型コロナウイルスにより細胞が破壊、膨張、融合などの変化が生じている様子を捉えることができました。)

タイムラプス動画による新型コロナウイルス宿主細胞の撮影・観察(図1)

開始 約24時間後:変化なし(感染なし) 約43時間後:変化なし(感染なし)
ヨウ素ありの場合:ヨウ素で新型コロナウイルスを処理した後、細胞に添加しても変化はありませんでした。
開始 約24時間後:感染により一部細胞が破壊 約43時間後:感染により細胞破壊が進行
ヨウ素なしの場合:新型コロナウイルスの感染により細胞が破壊されていく様子が確認できました。
※培養細胞での実験系であり、人体での現象を必ずしも反映するものではございません。 ※日本防菌防黴学会 第48回年次大会、第25回ヨウ素学会シンポジウム報告、The 5th International Symposium on Halogen Bonding 報告、SIS Letters. 2022, No.23, p.2-8.より

走査電子顕微鏡による新型コロナウイルス宿主細胞の観察(動画1)

また、走査電子顕微鏡でもヨウ素水溶液の効果の確認を行いました。(図2)
ヨウ素添加なしの場合は新型コロナウイルス粒子が確認され、細胞の繊毛構造に変性が見られましたが、ヨウ素添加ありの場合はウイルス粒子は確認されず、細胞が正常な状態であることが示唆されました。

走査電子顕微鏡による新型コロナウイルス宿主細胞の観察(図2)

ヨウ素添加なしの観察写真
ヨウ素添加なし
ヨウ素添加3分後の観察写真
ヨウ素添加3分後
ヨウ素とウイルスを混合接種した場合、
細胞表面にウイルス粒子が確認されず絨毛構造が観察された
※培養細胞での実験系であり、人体での現象を必ずしも反映するものではございません。 ※日本防菌防黴学会 第48回年次大会、第25回ヨウ素学会シンポジウム報告、The 5th International Symposium on Halogen Bonding 報告、SIS Letters. 2022, No.23, p.2-8.より

小林製薬の新型コロナウイルス研究に関して