決算説明会資料
2023年12月期第2四半期
決算業績報告
■2023年第2四半期 トピック
CFOの中川でございます。私から上半期の決算業績につきまして、ご報告をさせていただきます。
まず最初に、第2四半期のトピックにつきまして、ご紹介いたします。
一つ目は、女性を支援いたします、フェムテック・フェムケアの取り組みでございます。医師や専門家によるサービスを提供しております、株式会社TRULYと協業いたしまして、法人向け事業を来春より開始いたします。
また、性教育メディアの命育と協同し、当社のサラサーティをセットにしましたキットを準備いたしまして、PTAや団体に無償配布をしてまいります。
二つ目としましては、Sawaday Tsumukaでございます。結婚式の幸せな記憶や思い出を、香りでつむぐ新サービスを開始しております。
三つ目としまして、弘前大学と、オーラルヘルスサイエンス学講座を開設しております。
■業績サマリー(第2四半期 累計)
続きまして、業績サマリーでございます。
国内事業に関しましては、トータルでプラス3億円、プラス0.5%の増収の結果となりました。
国際事業におきましては、プラス20億円、プラス15%の増収となりました。
国内事業の結果の中には、インバウンドの需要の増加、プラス28億円を含んでおります。また、消臭元SAVONやメイマックなどの新製品が、プラス16億円と貢献しております。これらの貢献が、日用品を中心とした既存品の減収等をカバーいたしまして、トータルでは増収の結果となっております。
国際事業に関しましては、為替の影響もございましたが、全ての地域におきまして増収の結果となりました。また、各国のページにて、ご説明させていただきます。
■2023年第2四半期 連結業績
続きまして、第2四半期の連結業績について、ご説明いたします。
上半期におきましては、売上高736億円、プラス3.3%の増収となりました。
営業利益におきましては104億円、プラス5.5%の増益、当期純利益は78億円、プラス2.1%の増益、EBITDAベースにおきましても131億円、プラス6%の成長の結果となりました。
■連結営業利益増減要因
続きまして、連結営業利益の増減要因について、説明させていただきます。
上半期は104億円の営業利益とすることができました。これは、昨年の98億円から比較いたしますと、プラス6億円の増益となっております。
要因といたしましては、増収の影響、プラス17億円、コストダウン、プラス7億円に追加としまして、広告宣伝費の8億円の減少等が貢献いたしまして、赤色で示しております減少要因を吸収する形で、最終的には、増益の結果となっております。
為替の影響は、プラスとマイナスの要素がございましたけれども、ネットいたしまして、プラス1億円の効果となっております。
■国内事業(カテゴリー別業績)
続きまして、国内事業について見ていきたいと思います。
国内事業は、上半期売上高、577億円となり、プラス0.5%の増収となりました。
ヘルスケアは309億円で、プラス4.8%、カイロも堅調でして、17億円、プラス7.8%の増収の結果となりました。
日用品、通販が苦戦をしておりまして、芳香消臭剤を中心としました既存品の苦戦もあり、日用品に関しましては212億円、マイナス3.8%の成長となりました。通販に関しましては38億円、マイナス9.7%の結果となりました。
営業利益は93億円で、昨年と比較し、広告宣伝費の減少もございましたけれども、原材料の値上がり等の影響を受けまして、マイナス1.6%の結果となりました。
■国内事業(インバウンド需要)
続きまして、インバウンド需要について、ご説明させていただきます。
この上半期は、29億円のインバウンドの売上となりました。これは、コロナ前のピーク時と比較しますと、5割強まで回復したといった数字となっております。
現時点におきましては、訪日客は韓国や台湾が主力となっており、約7割を占めております。コロナ前の主力であった中国の観光客に関しましては、現時点におきまして、約1~2割程度しかまだ戻ってきていないという状況になっております。
インバウンドの売上に関しましては、コロナ前と大きくは変わりなく、医薬品が健闘しております。また、コロナ禍で発売いたしました新製品、熱さまのアイマスク、ナイトミン耳ほぐタイム、ナイトミン眠る力など、こういった新製品も、インバウンドでいい動きを示すような徴候を見ることができました。
また、各言語に対応しましたPOPを設置するなど、インバウンド需要に対応いたしました店頭活動を強化しておりまして、今後、ますますの売上拡大を図っていく予定でございます。
■国際事業(地域別業績)
続きまして、国際事業に移らせていただきます。
上半期は、国際事業に関しましては、155億円の売上となりました。これは15.1%の増収となっております。為替の影響を除きましても、プラス8.2%の増収となりました。
為替を除いた場合、米国のみがマイナスとはなっておりますが、他の地域でプラスの貢献をしておりまして、全体としては良い結果となったと考えております。
営業利益は8億円となり、昨年と比べまして7億円の伸長となっております。
■米国(品目別)
続きまして、各国別の状況についてご説明させていただきます。
まず、アメリカでございます。
カイロにつきましては、暖冬の影響がございまして、減収の結果となりました。
医薬品につきましては、昨年Alvaで発生いたしました、原材料の供給問題も解決いたしまして、増収の結果とすることができました。
■中国大陸(品目別)
続きまして、中国大陸です。
4月~6月は、昨年のロックダウンの反動もございまして、好調な結果となりました。
カイロにつきましては、こちらも暖冬の影響がございまして、減収となっております。熱さまシートに関しましては、非常に好調で、コロナウイルス以外でもインフルエンザ等の拡大によって、増収しております。
その他としまして、アンメルツが引き続き好調でして、またサラサーティランジェリー用洗剤ですとか芳香剤といった日用品に関しましては、競争が激化しておりまして、微減をしております。
■東南アジア(品目別)
次のページをお願いいたします。東南アジアです。
医薬品に関しましては、アンメルツが好調でして、増収の結果となりました。熱さまシートに関しましては、こちらも、非常に好調な結果となっており、コロナウイルス以外におきましても、デング熱や、インフルエンザ、そういったところの各種感染症におきましても、使用するという生活習慣も根付きまして、増収の結果となっております。
また、東南アジアにおきましては、タイにいる中国人の観光客による、インバウンド需要も貢献をしているといった結果となっております。
■通期の見通し
次のページをお願いいたします。
通期の見通しとなりますけれども、上期の結果も受けまして、公表数字通りの達成を目指していくという考えでございます。こちらにつきましては、この後、小林からも説明させていただきます。
■配当の推移
最後に配当でございます。
中間配当は、期初公表額の39円から4円引き上げ、43円に増配する予定でございます。年間配当は96円を予定しておりまして、昨年と比較しますと、6円の伸長でございます。
配当性向に関しましても、36.1%まで上がる予定にしております。より一層の株主様への還元を図っていく所存でございます。
■今後の見通しと中長期の成長に向けて
■小林製薬グループのパーパス
最初に、今年の春に発表いたしました、当社の新しいを振り返りたいと思います。
「見過ごされがちなお困りごとを解決し、人々の可能性を支援する」、その意味合いは、一人ひとりの暮らしの中の見過ごされがちなお困りごと、これを発見して、解決していくだけでなく、そのお困りごとによって妨げられている快適な生活や、妨げられている社会での活躍、これを、取り残された社会課題であろうととらえまして、その解決に貢献することで、人々の可能性を支援していく、このような形でパーパスを策定いたしました。
■2023-25年 新中期経営計画骨子
そこで策定しましたのが、今年をスタートとする3カ年計画の骨子でありまして、テーマは、「私が“あったらいいな”をカタチにする」、みんなでチャレンジしていきましょうと。
会社は、枠を超えたチャレンジ風土を醸成し、どんどんチャレンジウェルカムという形にしていくと、こういうテーマで経営を行っています。
戦略は五つありまして、開発、ここはスピードアップをテーマとしています。
それから2番目、こちらは海外サポートですね、国内事業部と海外事業部、ここの連携を強めにして、海外での新展開のスピーディーな展開を強化してまいります。加えて、OTC医薬品ですね、ハードルが高いですが、協力することで、スピーディーに出していきます。
3番目は既存品の競争力、少し苦戦をすることになりますが、技術面でこれをサポートし、勝てる既存品にしていきます。
4番目、新規事業、5番目はESGと、この後、石戸から説明しますDXです。
■業績目標(2025年度)
中期経営計画の数値は、先般説明しておりますので、端折ります。
売上は、1,910億円で4.7%の平均成長ですけれども、この先には2030年、2,800億を目指しております。そのためには、国際事業900億以上を目指しており、それにはキャパがありませんで、コロナ明けから大型積極投資を続けておりますので、大変申し訳ないのですけれども、営業利益については、この3カ年は伸びず、投資の3年間となります。
■2023年業績(下期)の見通し
三カ年がスタートして半年経ちました。この下期の見込みにつきまして、説明いたします。
今期の公表数値であります。赤枠囲みの数字は、上期が終わりましたので、上期実績を引いたら、残りどれだけの数字を下期やらないといけないかという数字です。
売上の983億円については、いけそうだと思っています。先ほどあった通り、国内消費者向けの売上が少し苦戦しておりますけれども、インバウンドがあります。この分、少し国内事業については苦戦をいたします。
一方で、海外事業がこの数字を大きく超えてくると思っております。
営業利益が下期はこの150億円、もしくは、通期の255億円にいくかどうか、瀬戸際のところだと思っておりまして、少し厳しくなっていますので、広告宣伝費を少し削りながらでも、何とか達成できないかと模索しているところです。
当期利益については増益を目指してまいります。
■国内事業の見通し
既存事業、国内事業の、特にこのインバウンドを除く日本市場向けの売上のところが課題となっております。昨年は順調にきておりましたが、第4クォーターで前年を割りました。
原料の値上がりの影響が大きく、下期に広告費をかなり調整したことで、その影響が出ておりました。
今年に入りまして、さらに広告費を削減していたことがあり、そのつけが回って来まして、この1Q、2Qについては、想定よりもかなり下に推移しました。世の中、いろいろな商品の物価が上がっておりまして、それで財布の紐が固くなっているところもあろうかと思いますが、我々も、トライヤル購入の獲得が減っておりまして、やはり広告を戻していくということで、少しずつ改善してきておりますので、3Qについては前年ぐらい、そして4Qでプラスに転じまして、来年以降に繋げて行きたいと思います。
■デジタル広告へのシフト
こちらは、その広告の内容です。コロナ前は、国内で200億強あったのですが、この3年で削りまして、153億まで下がりました。何とかこれを、もう少しずつでも伸ばしていきたいと思っておりまして、今年は158億を見ております。
その代わり、効率はやはりもっと高めていかないといけないと思っていまして、大変Web媒体のバイイングパワーの効率が良くなってきましたので、Web比率が3%ずつ上がってきておりまして、コロナ前からすると倍以上に伸びていまして、さらに良くなっていくよう腕を磨いていかないといけません。
■製品値上げの状況と今後の見通し
こちらは値上げの状況です。春には93SKUの値上げを発表し、商談も非常にうまくいきまして、順調に値上げが出来ております。下期は111SKUを新たに値上げ発表し、これでまだ足りませんので、来年以降も、順次値上げを実施していきます。
■新製品開発
新製品につきましては、かなり数が減ってきてしまったんですけれども、この中期経営計画の中では、安定的に継続的に、30品以上発売していける実力を目指したいということで課題設定いたしました。
春は少なかったのですが、秋は結構ツブが揃いまして、合計30品目を出せました。ただ、どのような状況においても、30品安定して発売できるという実力は、まだ足りないかなと思っておりますけども、そうなれるように努力してまいります。そのためには、開発のスピードアップが重要だと考えておりますので、引き続き開発力を高めていきたいと思います。
■大型設備投資
設備投資です。将来の成長のために、コロナ明けから大型設備投資が続いております。一番最初に進むのが、中国の熱さまシートを中心とした新棟で、建物が出来てまいりました。
加えて、仙台です。これは、医薬品を海外に輸出するための大型の医薬品工場です。
アメリカは、使い捨てカイロの工場の増築、そして、これは設備ではないのですが、新研究所、この四つが大型ですけれども、同時となっています。
そして、昨今の熱さまシートの大変好調なアジア、中国での売上を想定しまして、これは30年に200億までいけると今、狙っておりまして、そのためには、日本の設備増強がまず必要、それから中国の工場は、中国向けの熱さまシートの工場ですので、初めて東南アジアに新工場を建てることを考えています。こちら、東南アジア、非常に熱さまシートが伸びておりますので、非常に回収早くいけると思っておりまして、スピーディーに進めて、この200億を実現できるよう努めてまいります。