ニュースリリース

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2017年10月26日

「ヒト型セラミド1,2,3」の肌への有効性を新発見
肌のたるみ改善効果を確認
―2017年10月23日〜25日 IFSCC2017国際化粧品技術者会連盟中間大会(韓国)にて発表―

小林製薬株式会社(本社:大阪市、社長:小林章浩)は、東京工科大学応用生物学部(前田憲寿教授)との共同研究で、ヒト型セラミド1,2,3混合物が、肌に存在する繊維芽細胞に作用し、肌のたるみを改善する効果を発揮することを発見いたしました。本研究成果は、2017年10月23日〜25日に韓国・ソウルで開催される「第24回国際化粧品技術者会連盟中間大会(IFSCC 2017 Conference)」において初めて発表いたしました。
国際化粧品技術者連盟(IFSCC)とは世界47カ国の化粧品技術者が加盟する、化粧品の最先端の科学と技術で国際協力に貢献することを目的とした世界最大の学術機関です。学術大会では、発表内容の科学的根拠・新規性などが厳しく評価されます。

研究背景

セラミドは角質細胞間脂質の主成分であり、肌のバリア機能に非常に重要な役割を果たしています。当社は、化粧品の保湿成分として知られているヒト型セラミド1,2,3混合物を長年にわたり研究し、2014年に優れた水分蒸散抑制能をもつことを発表*し、2016年に肌のセラミド産生を促進する効果をもつことを発表**しました。
今回、ヒト型セラミド1,2,3混合物が、新たな機能を持つ可能性について検討いたしました。

*第113回日本皮膚科学会総会にて発表済。
**第34回日本美容皮膚科学会総会・学術大会にて発表済。

研究結果 概要

ヒト型セラミド1,2,3混合物について、以下の結果が明らかになりました。

1.ヒト型セラミド1,2,3混合物を配合した、化粧水、クリームの4週間使用試験で、角層水分量の増加、キメの改善、肌のたるみの改善を確認

2.ヒト型セラミド1,2,3混合物が繊維芽細胞を活性化し、コラーゲン収縮能を促進する

3.ヒト型セラミド1,2,3混合物が繊維芽細胞のコラーゲン接着因子、インテグリンの発現量を増加させる

4.ヒト型セラミド1,2,3混合物が繊維芽細胞において、弾性線維の構成因子であるフィブリリンの発現量を増加させる

今後、製造販売する製品に、今回の知見を活かしてまいります。

研究結果

1.ヒト型セラミド1,2,3混合物を配合した、化粧水、クリームの4週間連用試験で、角層水分量の増加、キメの改善、肌のたるみの改善を確認

ヒト型セラミド1,2,3混合物の有用性を確認するため、40代〜50代の女性13名で、ヒト型セラミド1,2,3混合物を配合した化粧水及びクリームの、4週間連用試験を実施しました。その結果、連用前に比べ、連用後では、角層水分量の増加、水分蒸散量の抑制傾向、キメの粗さの改善、肌のたるみの改善が確認されました。(図1)また、被験者の効果体感を調べるアンケート結果では、肌の調子、肌のたるみ、キメ、ハリ、つや、透明感、化粧のりなどすべての項目で改善傾向が見られました。(図2)

ヒト型セラミド1,2,3混合物配合化粧水及びクリームの連用試験結果

試験方法と結果:
40〜50代の女性13名で、ヒト型セラミド1,2,3混合物を配合した化粧水とクリームを朝晩1日2回、4週間使用し、使用前後で角層水分量、水分蒸散量、キメスコア、たるみスコアを測定した。角層水分量、キメスコア、たるみスコアが有意に改善し、水分蒸散量が減少傾向であることを確認した。
*:P<0.05,**:P<0.01、bar:標準偏差。
角層水分量(Skicon-200EX)、水分蒸散量(Tewameter TM 210)、キメスコア(VisioScan®VC98 USB, Variance)、たるみスコア(Cutometer MPA580,R6(Uv/Ue))、頬部にて測定。

図1 ヒト型セラミド1,2,3混合物配合化粧水及びクリームの連用試験結果

ヒト型セラミド1,2,3混合物配合化粧水及びクリームの連用試験体感アンケート結果

試験方法と結果:
40〜50代の女性13名で、ヒト型セラミド1,2,3混合物を配合した化粧水とクリームを朝晩1日2回、4週間使用し、使用前後で体感アンケートを実施した。その結果、肌の調子、しっとりしている、ハリを感じる、透明感を感じるなどすべてのスコアで改善が見られた。*:P<0.05,**:P<0.01、bar:標準偏差。VAS(Visual analog scale)を用いたアンケート結果。

図2 ヒト型セラミド1,2,3混合物配合化粧水及びクリームの連用試験体感アンケート結果

2.ヒト型セラミド1,2,3混合物が繊維芽細胞を活性化し、コラーゲン収縮能を促進する

ヒト型セラミド1,2,3混合物の繊維芽細胞への効果を検証するため、培養ヒト繊維芽細胞を用いて繊維芽細胞のATP産生量への影響を調べました。その結果、ヒト型セラミド1,2,3混合物にATP産生を促進する効果が認められました。(図3(左))
繊維芽細胞はコラーゲンと相互作用することで、コラーゲンを収縮させ、肌の弾力性を維持することに関与していることが知られております。ヒト型セラミド1,2,3混合物の、繊維芽細胞への効果をさらに確認するため、繊維芽細胞とコラーゲンを共に培養し、繊維芽細胞がコラーゲンを収縮させる力への影響について、調べました。その結果、ヒト型セラミド1,2,3混合物が繊維芽細胞のコラーゲン収縮能を高めることを確認しました。(図3(右))

ヒト型セラミド1,2,3混合物のコラーゲンゲル収縮能促進効果

試験方法と結果:
培養ヒト繊維芽細胞に、ヒト型セラミド1,2,3混合物を添加し、1日間培養した後RNAを抽出し、リアルタイムPCR法にて遺伝子発現量を調査した。その結果、繊維芽細胞のATP産生量を高めることを確認した。また、ヒト繊維芽細胞とコラーゲンゲルをともに4日間培養し、1日ごとにコラーゲンゲルが収縮した長さを測定した。その結果、コラーゲンゲル収縮能を促進することを確認した。

図3 ヒト型セラミド1,2,3混合物のコラーゲンゲル収縮能促進効果

3.ヒト型セラミド1,2,3混合物が繊維芽細胞のコラーゲン接着因子、インテグリンの発現量を増加させる

繊維芽細胞は細胞膜に存在するインテグリンを介してコラーゲンと相互作用することが知られています。インテグリンはαサブユニットおよびβサブユニットからなるヘテロ二量体であり、複雑な細胞外ドメインを有します。ヒト型セラミド1,2,3混合物のインテグリン発現量への影響を調べたところ、インテグリンα2、インテグリンβ1の遺伝子発現を高めることを確認しました。(図4)このことから、ヒト型セラミド1,2,3混合物が、インテグリンの遺伝子発現に作用し、繊維芽細胞のコラーゲン接着能を高めることが示唆されました。

ヒト型セラミド1,2,3混合物のインテグリン遺伝子発現量増加効果

試験方法と結果:
培養ヒト繊維芽細胞に、ヒト型セラミド1,2,3混合物を添加し、1日間培養した後RNAを抽出し、リアルタイムPCR法にて遺伝子発現量を調査した。その結果、インテグリンα2、インテグリンβ1の遺伝子発現を高めることを確認した。

図4 ヒト型セラミド1,2,3混合物のインテグリン遺伝子発現量増加効果

4.ヒト型セラミド1,2,3混合物が繊維芽細胞において、弾性線維の構成因子、フィブリリンの発現量を増加させる

ヒト型セラミド1,2,3混合物の繊維芽細胞におけるさらなる効果を調べたところ、コラーゲンとともに肌の弾力維持に重要な弾性線維の構成因子である、フィブリリンタンパクの遺伝子発現を高めることが確認されました。(図5)このことから、ヒト型セラミド1,2,3混合物は、コラーゲン収縮を促進させるだけではなく、弾性線維を介して、肌のたるみを改善する可能性が示唆されました。

ヒト型セラミド1,2,3混合物のフィブリリン発現量増加効果

試験方法と結果:
培養ヒト繊維芽細胞に、ヒト型セラミド1,2,3混合物を添加後、1日間培養した後RNAを抽出し、リアルタイムPCR法にて遺伝子発現量を調査した。その結果、フィブリリン1の遺伝子発現を高めることを確認した。

図5 ヒト型セラミド1,2,3混合物のフィブリリン発現量増加効果

これらの結果から、ヒト型セラミド1,2,3混合物が繊維芽細胞や弾性線維に作用することが明らかとなり、肌のたるみを改善する可能性があることがわかりました。

以上