ニュースリリース

レポート

40代からの男性のシミは濃くて大きい?!
男性シミの特徴と原因を徹底追究

―2018年9月18日~21日 IFSCC Congress 2018国際化粧品技術者会連盟本大会(ドイツ)にて発表―

小林製薬株式会社(本社:大阪市、社長:小林章浩)は、男性のシミは40代から大きくなり、女性のシミに比べて濃く目立つこと、そしてその程度は女性からの好感度に影響を与えることを見出しました。さらに男性のシミの原因の1つがプラスミンという物質であることを新たに発見いたしました。本研究成果は、2018年9月18日~21日にドイツ・ミュンヘンで開催されました「第30回国際化粧品技術者会連盟本大会 2018(IFSCC Congress 2018)」にて発表いたしました。
国際化粧品技術者会連盟本大会(IFSCC Congress)は世界中の化粧品技術者が最新の研究技術や成果を競い合う大会で、化粧品業界で最も権威のある大会です。

研究の背景

シミは性別を問わず中年以降の男女に好発する皮膚症状です。女性のシミを対象とした研究はこれまで多数報告されていますが、男性のシミについての報告は少なく、その知見はほとんど無いのが現状です。
そこで今回我々は、男性のシミに着目し、男女のシミの違いやその原因を調査いたしました。また男性のシミの程度と女性からの好感度との関係を検証し、シミが男性の見た目に与える影響を調査いたしました。

研究結果 ダイジェスト

1.男性は40代から大きなシミが発生し、そのシミは女性より濃くて目立つ。
2.男性はシミの程度が軽いほど、女性からの見た目の印象が良い。
3.炎症性物質であるプラスミンが男性シミの原因の1つである。
4.トラネキサム酸は男性シミの対策に有効である。

今後、製造販売する製品に、今回の知見を活かしてまいります。

研究の結果

1.男性は40代から大きなシミが発生し、そのシミは女性より濃くて目立つ。

男性の世代間のシミの大きさを比較するため、20~50代男性のシミの大きさを計測しました。その結果、男性は40代から急に大きなシミができてくることがわかりました(図1)。また、そのシミの濃さを画像解析ソフトにて解析したところ、女性に比べて男性のシミは有意に濃いことがわかりました(図2)。

男女のシミの一例男女のシミの一例

男性の大きなシミ保有年齢図1 男性の大きなシミ保有年齢

男女のシミの濃さ図2 男女のシミの濃さ

試験方法:
<大きさ>20~50代の男性87名の顔写真を専用の画像解析装置にて撮影した。長径6mm以上のシミを解析対象とし、その保有率を年代別に解析した。t-test **p<0.01
<濃さ>20~60代の男性109名、女性105名の顔写真を専用の画像解析装置にて撮影した。長径6mm以上のシミを解析対象とし(男性n=33 女性n=45)、画像解析ソフトを用いて、非シミ部に対するシミ部のΔL値を算出し、シミの濃さとした。t-test **p<0.01

2.男性はシミの程度が軽いほど、女性からの見た目の印象が良い。

シミの程度をグレード付けした40代男性の顔写真を女性に見せ、見た目の好感度の高い順に順位付けを行ってもらいました。その結果、男性のシミが小さくて薄くなるほど、女性からの見た目の印象が良くなることが示されました(図3)。

男性のシミグレードと女性からの印象の関係図3 男性のシミグレードと女性からの印象の関係

試験方法:
<シミのグレード付け>40代男性(n=23)の頬のシミについて大きさ・数・濃さを指標とし、6段階のグレードに分類した。老人性色素斑が無い者あるいは3mm以下の極小のシミしか無い者をグレード1、10mm以上の濃く大きな老人性色素斑がある者をグレード6とした。
<女性からの好感度評価>シミの程度をグレード付けした40代男性の顔写真(n=23)を女性(当社内N=20,平均年齢30±7歳)に提示し、見た目の好感度の高い順に順位付けを行い、シミグレードとの相関を解析した。

3.炎症性物質であるプラスミンが男性シミの原因の1つである。

40~50代男性のシミ部分と非シミ部分のプラスミン活性※1を測定しました。その結果、シミ部分のプラスミン活性が非シミ部分に比べて有意に高いことがわかりました(図4)。さらにシミのない男女の肌のプラスミン活性を測定したところ、シミがない男性においても、女性と比べてプラスミン活性が高い傾向が示されました(図5)。これにより、男性の肌は女性に比べて、常にシミができやすい炎症状態にあると考えられます。

シミ部と非シミ部のプラスミン活性比較図4 シミ部と非シミ部のプラスミン活性比較

男女のプラスミン活性比較図5 男女のプラスミン活性比較

※1プラスミンとは
肌の中にある炎症性物質のこと。紫外線や物理的刺激によって生成され、メラニンを作れという命令に変換されます。

試験方法:
40~50代男女(各n=16)の頬のシミ部、非シミ部から角層を剥離し、プラスミン活性を測定した。基質(t-butyloxycarbonyl-l-valyl-l-leucyl-l-lysine 4-methylcoumaryl-7-amide)由来のMCAの蛍光を測定し、角層総タンパク質量あたりのMCA生成量(fmol/min/μg)をプラスミン活性とした。t-test: **p<0.01 +p<0.1

4.トラネキサム酸は男性シミの対策に有効である。

トラネキサム酸※2配合の試験サンプルを、シミのある男性に約1か月間使用したところ、メラニン値が有意に低下しました(図6)。このことから、トラネキサム酸が男性シミ対策に有効であることが示されました。

※2トラネキサム酸とは
炎症性物質であるプラスミンの活性を抑える働きがある物質

トラネキサム酸

(a)トラネキサム酸によるシミへの効果

(b)初期⇒1か月後

図6 トラネキサム酸によるシミへの効果

(a)トラネキサム酸配合試験サンプルを1か月間使用した時のメラニン値変化
(b)シミ写真(著効例)

試験方法:
頬にシミのある男性(当社内 n=10 29~55歳)にトラネキサム酸配合試験サンプルを4週間使用(1日2回)し、使用前後のΔメラニン値(シミ部と非シミ部のメラニン値の差)を比較した。t-test: **p<0.01
t-test **p<0.01

以上

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