ガバナンス At a Glance

ガバナンス At a Glance

基本的な考え方

小林製薬は、企業の持続的成長を図るためには、健全 なリスクテイクを支える環境と適切な経営の監督とのバランスが重要であると考えています。
小林製薬は、創業家を中心とする経営体制を敷いており、長期的視点の経営判断ができるメリットがあります。 他方、経営トップの独善的行為が発生するおそれがあるため、当社では監督能力の高い社外取締役を任用、チェック機能を担保することでスピード経営や大胆な改革を実現しています。こうした経営を継続していくため、コーポレー ト・ガバナンスの充実を図るべく、さまざまな制度・仕組みを取り入れています。
また、経営トップに対しても現場の生の声を直接伝える機会を積極的に設けるなど、誰に対しても意見が言える非常に風通しの良い社風を持ち合わせています。制度・仕組 みを充実させるだけではコーポレート・ガバナンスの目的は達成できないとの認識のもと、この社風を維持・発展させることもコーポレート・ガバナンスを強化する有効な手段であると考えています。

経営体制

社長を中心とする執行役員が経営の執行にあたるとともに、会長を議長とする取締役会が経営の監督機能を担うという体制を取っています。取締役6名のうち3名の独立社外取締役を選任しており、取締役会の活性化の観点から取締役の人数の最適化も図っています。  取締役などの選任や報酬の決定プロセスの公正性を担保するため、独立社外取締役を委員長とする「人事指名委員会」「報酬諮問委員会」を設置しています。また、独立社外取締役や代表取締役を中心メンバーとする「アドバイザリーボード」を設置し、大きな経営課題への必要な助言を得る体制を敷いています。

役員の選任

 取締役については経営全般にわたる幅広い知識と見識を備えるという観点で、執行役員については事業部ごとの適材適所を踏まえたうえで候補を選び、「人事指名委員会」および取締役会の審議を経て選任、または候補者として決定します。
監査役については、監査業務に必要な知識と見識を備えた者について、取締役会が監査役会の同意を得たうえで、候補者の決定を行っています。

コーポレート・ガバナンス体制の模式図

各委員会の設置状況

グループ
執行審議会
当社では、監督と執行の分離を明確にするため、執行役員制度を導入しています。執行役員を主な構成員とするグループ執行審議会を月に4回開催しており、執行に関する重要な案件について審議しています。
取締役会 取締役会は、社外取締役3名を含む6名の取締役で構成されており(社外監査役3名を含む5名の監査役も出席)、グループ執行審議会で審議された内容などをチェックする機能を果たしています。また、取締役会の席上、社外取締役・社外監査役から活発な発言があり、外部視点による牽制が非常によく機能しています。
アドバイザリーボード 取締役会やグループ執行審議会を補佐する機関として、アドバイザリーボード(半年に1回)を開催しています。アドバイザリーボードは、社外取締役ならびに当社会長、社長および担当役員を構成員としています。経営方針や経営の重要課題について、大所高所からの助言をいただき、日々の経営に反映しています。
報酬諮問委員会 取締役の報酬額決定プロセスの透明性を確保するため、外部識者、社外取締役ならびに当社社長および担当役員を構成員とする報酬諮問委員会を設置しています。
人事指名委員会 取締役および執行役員選任プロセスの透明性・公正性を確保するため、外部識者、社外取締役ならびに当社社長および担当役員を構成員とする人事指名委員会を設置しています。
内部統制委員会 内部統制委員会は、内部統制主管役員と関係幹部を構成員とし、コンプライアンス問題および内部統制管理体制構築に関する基本問題を中心に審議しています。また、当社および関係会社の内部統制に関する基本方針案の立案、構築された内部統制管理体制の監視も行っています。
リスク管理委員会 小林製薬グループにおける経営リスクの顕在化を未然に防止、あるいは顕在化した場合の影響を極小化することを目的に主要役員を構成員としてリスク管理委員会を設置し、リスクマネジメント体制の構築および推進を図っています。

外部視点の導入

独立社外取締役や社外監査役を選任するに際し、豊富な経験や知識を有することに加えて、社内取締役や執行役員に対してはっきり意見を述べることができるかどうかを重視しています。
実際、独立社外取締役や社外監査役は、取締役会において外部視点に基づき積極的に発言し、十分に活発な議論がなされています。
このように取締役会においては闊達な雰囲気が醸成され、侃々諤々の議論がなされ、議案の採決について賛否が分かれることもしばしばあります。
また、3名の女性役員(社外取締役1名、社外監査役2名)からも、さまざまな視点からの意見が上がっています。

社外役員の選任理由

社外取締役

氏名 選任理由
辻 晴雄 社長経験者として企業経営に関する豊富な経験や高い見識を有しており、当社の全事業における取り組みを十分に理解のうえ、経営の監督機能強化に尽力してきました。社会情勢の変化を精緻に把握し、経営の透明性・公正性を高めるために積極的に発言するなど、当社から独立した立場でステークホルダーの視点を踏まえて取締役会に提言しています。こうした経験と実績を踏まえて引き続き適任と判断し、社外取締役候補者とし、株主総会にて選任されました。
伊藤 邦雄 大学教授として長年会計学・経営学の研究に携わり、また、他社の社外役員を歴任する他、政府による企業の持続的成長に関する研究会において中心的役割を果たしています。当社においてもこれらの活動で培った知見を基に、資本効率の改善など、企業価値向上の観点から経営の監督機能を果たしています。こうした経験と実績を踏まえて引き続き適任と判断し、社外取締役候補者とし、株主総会にて選任されました。
佐々木 かをり 経営者としての実績・見識に加え、他社社外役員を歴任して企業経営を豊富に経験する他、国際女性ビジネス会議を長年にわたり開催し、女性活躍推進の先駆者として活躍しています。当社においても働き方改革、ダイバーシティおよび消費者の視点を踏まえた意見を取締役会に反映するなど、企業価値向上に貢献しています。こうした経験と実績を踏まえて引き続き適任と判断し、社外取締役候補者とし、株主総会にて選任されました。

社外監査役

氏名 選任理由
酒井 竜児 弁護士として企業活動の適正性を判断するに十分な法的知見を有し、重要な経営判断に関わる事案を多数経験しています。これらの知見・経験が当社の企業活動に対する監査に活かされており、これまでの取締役会や監査役会において厳正かつ積極的な発言が行われていることから、引き続きその職務を適切に遂行していただけるものと判断して社外監査役候補者とし、株主総会にて選任されました。
八田 陽子 税理士法人での業務経験があり国際税務に関する高い知見を有しており、他社社外役員を歴任する他、大学の監事を長らく務めています。これらの知見・経験に基づいて、グローバルな事案に関する当社の企業活動に対する監査が適切に行われていることから、引き続きその職務を適切に遂行していただけるものと判断して社外監査役候補者とし、株主総会にて選任されました。
有泉 池秋
(2020年3月新任)
日本銀行において日本および海外の経済情勢や金融市場の分析、日本銀行の政策と経済情勢判断などに関する企業経営層との対話に長年携わっており、これらにおいて培われた豊富な知見・経験や日本経済全体の健全な成長を常に考えてきた姿勢を、当社の企業活動に対する監査に活かしていただけるものと判断して社外監査役候補者とし、株主総会にて選任されました。

取締役の報酬

取締役の報酬構成は「基本報酬」、単年の業績に応じて変動する「短期インセンティブ報酬」、中長期業績に応じて変動する「長期インセンティブ報酬」からなり、業績向上ならびに中長期的な成長を動機づける設計としています。社外取締役の報酬は、業務執行から独立した立場であることから基本報酬のみとしています。
各報酬項目の概要は、下表のとおりです。

報酬項目 概要
基本報酬 役位に応じた職務遂行および着実な成果創出を促すための、緩やかに業績に連動した報酬
短期インセンティブ報酬 事業年度ごとの業績目標の達成による企業成長に向けた成果創出を促すための、単年の業績に連動した業績連動報酬
長期インセンティブ報酬 中長期的な企業価値・株主価値の向上を重視した経営を推進するための、中長期の業績に連動した業績連動報酬

取締役の報酬額については、社外取締役、社外有識者および当社代表取締役などを構成員とする報酬諮問委員会でその妥当性を協議し、その結果を踏まえ、具体的な報酬額の決定については代表取締役に一任しています。なお。外部環境の変化などに対して迅速な対応を行うため、毎年外部専門機関の調査に基づき、同業種および同規模他業種の企業の役員報酬水準を確認のうえ、報酬額を決定しています。

役員区分ごとの報酬等の総額、報酬等の種類別の総額および対象となる役員の員数

役員区分 報酬等の総額
(百万円)
報酬等の種類別の総額(百万円) 対象となる
役員の員数(名)
基本報酬 ストック・
オプション
賞与 退職慰労金
取締役
(社外取締役を除く)
640 640 5
監査役
(社外取締役を除く)
39 39 3
社外役員 78 78 5

(注1)当社取締役は、上記支給額以外に使用人としての給与の支給を受けていません。
(注2)取締役の報酬限度額は、2015年6月26日開催の当社第97期定時株主総会において年額9億円(うち社外取締役分1億円)以内と決議されています。
(注3)監査役の報酬限度額は、2009年6月26日開催の当社第91期定時株主総会において年額8千万円以内と決議されています。
(注4)2019年3月28日開催の第101期定時株主総会終結の時をもって退任した取締役へ支給した報酬等を含んでいます。

報酬等の総額が1億円以上である者の報酬等の総額等

氏名 役員区分 報酬等の種類別の総額(百万円) 報酬等の総額
(百万円)
基本報酬 ストック・
オプション
賞与 退職慰労金
小林 一雅 取締役会長 293 293
小林 豊 取締役副会長 174 174

取締役会改革に向けた取り組み

取締役会の実効性評価の実施

小林製薬は、取締役会の活性化がコーポレート・ガバナンスひいては企業価値向上のために極めて重要であるとの認識のもと、2019年10月から12月にかけて取締役会の実効性評価を実施しました。評価を行うにあたっては、取締役および監査役全員に対して、取締役会の運営、課題、機能などに関するアンケート調査と個別インタビュー を行い、取締役会に関する問題点と今後の課題についての洗い出しを行いました。
上記の調査結果を踏まえ、12月に社外取締役(3名) と社外監査役(2名)による取締役会評価会議を開催しました。
決定した評価結果については、取締役会にフィードバックを行い、取締役会の監督機能および意思決定機能のさらなる向上を図っていきます。評価結果の概要は以下のとおりです。

評価結果の概要

多くのテーマにおいて「概ね適切」との評価を得ましたが、以下@からGのテーマについては、「なお改善の余地あり」となっています。

課題 評価

① 人事指名委員会、報酬諮問委員会の諮問結果に基づく取締役会での議論

それぞれの委員会において、審議が充実しつつあることに対して評価を得ました。しかしながら、取締役会においてさらなる議論の充実が必要であることから、引き続き、委員会での審議内容を踏まえた取締役会における議論の活性化に努めていきます。

② コンプライアンスや財務報告に係る内部統制に関する事項や先を見越したリスク管理体制の整備・運用

リスク管理や内部統制に関する議論や報告が一定程度行われているものの、これらに関してさらにレベルを向上させることが課題となりました。関係する委員会(リスク管理委員会、内部統制委員会)の運用を強化することで、取締役会での議論の充実を図っていきます。

③ 労働環境の改善のための働き方改革や人材育成に関する施策についての議論

関連する議題の附議が増えている点は評価されましたが、働き方の変化に伴って必要となる業務の見直しや人材育成に関する議論はまだ不十分であることが課題となりました。これらの議論に資する議題の計画的な附議に努めていきます。

④ 新中期経営計画の適切な遂行のために重点的な議論が必要な項目

本年より2020年-2022年中期経営計画がスタートしており、本計画を適切に遂行するための取り組みとして、より長期的な視点での事業展開を議論のうえ、定期的なレビューを実施していくことが課題とされました。当社グループの将来像についての議論を深め、適宜レビューを実施していきます。

⑤ 中期経営計画やESGへの取り組みなど、経営戦略の方向性を示す議題の議論

年間計画に沿って中期経営計画や中長期的な経営課題が取締役会に附議されたことに対して評価を得ました。しかしながら、事業環境の理解を踏まえたさらなる議論の深化が必要であるとの指摘も受けたことから、引き続きこれらの議題についての議論の充実に努めていきます。

⑥ 中期経営計画などの進捗状況や重要な業務執行案件の適切なレビューの実施

重要案件に対するレビューの実施が改善されている点について評価を受けましたが、M&Aなどの投資案件のレビューについてはさらに充実させることが課題となりました。今後もM&Aなどのレビューを計画的に行い、進捗の管理を強化します。

⑦ 最高経営責任者などの後継者計画についての議論、モニタリング

人事指名委員会での議論を踏まえ、事業部長クラスのサクセッションプランが取締役会にて策定されました。今後の適切な運用が課題であることから、人事指名委員会における議論の内容も対象に、取締役会によるモニタリングを実施します。

⑧ 資本効率や資本コストを踏まえた経営判断に関する議論

資本効率や資本コストの観点からの議論が一部行われているものの、それらに重点を置いた議論はまだ実施できていない点が課題となりました。関連する議題の附議に際して、取締役会での議論の充実につながるよう、引き続き改善に取り組んでいきます。

株主・投資家とのコミュニケーション

小林製薬では、株主・投資家(以下「株主等」)を重要なステークホルダーと認識し、企業の持続的成長のための建設的な対話を重視しています。
株主等との対話における有益な意見を中心に、経営陣に確実にフィードバックできる仕組みを設けており、経営の改善につなげています。

株主等との対話の方針

  • 企業の持続的成長に資するため、株主等との対話は積極的に行う。
  • 株主等との対話には、属性、対話の時期、当社の経営資源等の諸事情などを考慮し、経営トップ、IR担当役員、IR部門が必要に応じて行うものとする。
  • 株主等との対話において、企業の持続的成長に資する株主の意見については、取締役会に対してフィードバックを行う。

2020年12月期の取り組み実績

株主総会(2020年3月開催)
出席者 46名
議決権行使比率 93.9%
機関投資家・アナリストとの面談
面談件数 274件
個人投資家との対話
開催回数 0回
参加者 0名

※新型コロナ感染拡大防止の観点より、2020年度は開催していません。

コーポレート・ガバナンス報告書

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