リスクマネジメント

リスクマネジメント

小林製薬では、リスクを3つに分類し、それぞれに応じた体制を整え、リスク管理を行っています。 中長期的なリスク(潜在リスク)については、長期的な視点で経営リスクを洗い出し、具体的な問題として顕在化する前に手を打つべく、2017年、社長を委員長とする「リスク管理委員会」を立ち上げ本格的に対応活動を始めました。社外有識者を招いた研修を含む、計4回のリスク管理委員会における議論を経て、2018年には、経営が関与しながら低減に取り組むべき中長期的なリスクとして「全社重点リスク」を選定しました。全社重点リスクに対しては、事業部長クラスが実行責任者を担い、リスク低減プランの策定や進捗管理、取締役会への定期報告を行う体制を整備し、具体的なリスク低減活動に着手しています。

顕在化する恐れのある短期的なリスクに関しては、各部門におけるリスク情報を月1回の「マンスリーレポート委員会」で集約し対応を検討することに加え、その中から経営の関与が必要と判断したリスクに関しては、経営会議に上げて対策を講じる体制を敷いています。この他に、目前で発生している顕在化したクライシスに関しては、顕在化とともに速やかに「危機管理本部」を立ち上げ、スピーディに対応を図る体制をとっています。

  リスク管理委員会 マンスリーレポート委員会/グループ執行審議会 危機管理本部
主に扱うリスク 中長期的なリスク(潜在リスク) 短期的なリスク 顕在化したクライシス
委員長 社長 グループ統括本社本部長/社長 社長

事業等のリスク

主要なリスク リスクの概要 主な対応策の実施状況
(1) 事業環境のリスク
  • 消費者ニーズの急激な変化
  • 競争環境の変化による広告宣伝費等のコスト増大
  • 消費者ニーズを捉えた新製品の開発
  • 環境変化を捉えた既存品の戦略策定
  • 多種多様な製品ラインナップによる影響の低減
  • メディアミックスによる広告宣伝費の効率化
(2)積極的に新製品を投入するビジネスモデルのリスク
  • 新製品の発売品目数の減少
  • 競合参入による発売時の競争激化
  • 全従業員対象の提案制度によるアイデア創出
  • 新製品ポートフォリオ活用による発売品目の確保
(3) 天候不順、気候変動による需要変動のリスク
  • 季節性の強い製品の売上減少
  • 温室効果ガス削減の潮流に伴う炭素税の負荷
  • エシカル意識の高まりによる需要低減
  • カイロ事業におけるヘルスケア領域での製品開発
  • 各種データ活用による出荷調整
  • グループ環境委員会による中長期のリスク対策の検討
(4) 海外事業のリスク
  • 各国の経済成長の鈍化や規制の変更による投資回収効率の低下
  • 為替レートの大幅な変更
  • 段階的・合理的な投資判断と投資計画の見直しによる改修リスク低減
  • 主要通貨レートのモニタリング
(5) 事業買収・提携のリスク
  • 想定外の事象や環境変化による不首尾
  • のれんや無形資産の減損
  • 精緻なデュ―・デリジェンス
  • 成長機会と残存リスクを議論した上での投資判断
(6)人的資本確保・活用のリスク
  • 性別・国籍等を問わない多様な人財の活躍推進の停滞
  • 労働市場の競争激化への対応の遅れ
  • 従業員の企業貢献意識向上施策の不足
  • フラットな企業風土
  • 上司と部下の成長対話による成長実感の醸成
  • 女性のキャリア志向を醸成を目的とした具体的活動の推進
(7) 製品安全性のリスク
  • 設計不良
  • 品質不良
  • 副作用報告に応じた対応の誤り
  • 品質監査の専門部門(信頼性保証本部)によるリスク低減の取り組み
  • 重篤な設計・品質不良が疑われた場合のタイムリーな判断
(8) 製品原材料調達のリスク
  • 為替相場の変動による調達コスト増大
  • 原油価格の急騰等による原材料価格の上昇
  • 災害発生時の生産・流通停滞による市場への製品供給阻害
  • 多品目販売による限定的な原材料価格高騰のコスト吸収
  • 「製品BCPシステム」による速やかな原材料確保
(9) 法的規制等のリスク
  • 法規の変更による製品の開発中止、販売中止
  • 輸出入の規制変更等による売上変動
  • 法務知財部を中心とした情報収集と迅速な対応
(10) 情報セキュリティ関連のリスク
  • 個人情報漏洩による補償と信用失墜
  • サイバー攻撃によるノウハウの流出と事業活動の一時中断
  • 情報セキュリティ体制の整備
  • 社員教育の徹底
  • 情報セキュリティの第三者評価
  • 重要なデジタルデータの遠隔地サーバでのバックアップ
(11)コンプライアンス関連のリスク
  • 当社グループ、または従業員による重大なコンプライアンス違反
  • 従業員及び社外取引先担当者対象のコンプライアンスアンケート
  • コンプライアンス問題の専用受付窓口(従業員相談室)の設置
(12) 知的財産、及び訴訟関連のリスク
  • 知的財産権を管理する仕組みの導入遅れ
  • 知的財産権に関する第三者侵害
  • 当社の知的財産権侵害による補償と信用失墜
  • 知的財産権の侵害、非侵害のチェック
  • 製品の開発段階における積極的な知的財産権の創出と戦略的出願
(13)自然災害によるリスク
  • 自然災害発生による業務停止・遅延、資産喪失、人的被害等の発生
  • 事業継続計画(BCP)の策定
  • 危機管理体制の構築
(14) 深刻な感染症流行によるリスク
  • 現地行政による外出規制による外出機会の減少に伴う売上減少
  • 感染症拡大の長期化・常態化による経済状況悪化
  • 事業所内での感染者発生による製品生産等の事業活動停止
  • 感染症拡により発生した新常態に対応した新製品の開発と発売
  • 危機管理本部による感染リスクの把握と対策の事前立案
  • 操業停止リスクを抑えた運営

BCP(事業継続計画)

小林製薬グループでは、東日本大震災の経験を踏まえ、BCP(事業継続計画)を策定しました。大規模地震、水害などの自然災害によって予期せぬ緊急事態に遭遇した場合、重要業務に対する被害を最小限にとどめ、最低限の事業活動の継続、可能な限り短期間に復旧を行うことを目的としたものです。業務プロセスを見直し、緊急事態の際の各事業のリスクの大きさ、優先して継続・復旧すべき事業を定めています。

※ BCP(Business Continuity Plan)
さまざまなリスクによって生じる事業活動の中断に対して、重要な業務・機能を継続する、あるいは可能な限り短時間で再開するよう事前に取り決める手順。