ニュースリリース

レポート

加湿マスク着用により鼻・喉の粘液線毛輸送機能が向上し、
ウイルスなどの異物排出作用の一助となる可能性を確認
- 2020年9月17日~10月20日 アレルギー学会にて報告 -

小林製薬株式会社(本社:大阪市、社長:小林章浩)は、加湿マスクを着用することで、鼻・喉の粘液線毛輸送機能が向上し、ウイルスなどの異物を体外へ排出する作用の一助となる可能性を確認し、2020年9月17日~10月20日「JSA/WAO Joint Congress 2020(第69回日本アレルギー学会学術大会)」にて報告いたしました。

人は呼吸をする際に、空気中のウイルスや細菌、ほこりなども一緒に吸い込んでいます。それらは一時的に鼻腔や気道に付着しますが、体を守る防御機構のおかげで、それらは体外へ排出されます。その排出作用のひとつが粘液線毛輸送機能です。

以前より、粘液線毛輸送機能は乾燥すると、その動きが低下することが分かっておりましたが、今回当社の研究で、加湿マスクを着用することが、気道(喉や鼻)表面を加湿し、粘液線毛輸送機能の向上に寄与することを確認いたしました。

本研究成果により、加湿マスクが飛沫防止だけなく、ウイルスなどの異物排出の一助となることが明らかとなりました。当社では、今後も“加湿”が与える作用について研究を深め、その成果を社会に還元してまいります。

◆研究成果◆ 加湿マスクの着用が粘液線毛輸送機能向上に寄与することを確認

【サッカリンテスト】

人工甘味料「サッカリン」を鼻腔に投与し、喉で甘いと感じるまでの時間(サッカリンタイム)を測定する試験です。甘いと感じる時間が短いほど、粘液線毛輸送機能の働きがよいとされます(図1)。コントロール(マスク非着用時)と加湿マスク着用時でサッカリンタイムを比較しました(図2)。

試験対象:コントロール(マスク非着用)、加湿マスク
被験者:健常成人16名(男性9名、女性7名)
試験環境:気温20℃、湿度40%

※2020年 9月17日-10月20日
JSA/WAO Joint Congress 2020(第69回日本アレルギー学会学術大会)
セッション:気管支喘息(成人)・成人気道疾患
◯タイトル:加温・加湿マスク着用条件における粘液線毛輸送機能の検討
◯アラスト アリレザ、市村 朋子、永松 彰、木村 あゆみ、
 清江 龍一(小林製薬株式会社)
 貞方 久人、橋本 光弘、富田 勉(株式会社タイムラプスビジョン)

以上

このページを共有する
Facebook
X
LINE