ニュースリリース

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2020年12月10日

公益財団法人 小林製薬青い鳥財団によるアンケート調査結果
「何が課題となっているのか?」「コロナ禍における変化は?」
障がいや病気に悩む子どもとその家族の支援や調査研究を行う現場の“今”

調査背景

公益財団法人 小林製薬青い鳥財団

公益財団法人 小林製薬青い鳥財団(所在地:東京都港区、理事長:小林 章浩、以下「本財団」)では、障がいや病気に悩む子どもたちとその家族の支援や調査研究をされている方々を支援することで、社会全体の「快」の増大に貢献することを目指しております。今回の調査を通じて、現場において「今、何が課題となっているのか?」「コロナ禍においてどのような変化があったのか?」、生の声を一人でも多くの方に知っていただき、支援の輪を広げていきたいと考えております。

調査総括

  • 普段の活動における課題では、「活動資金の確保」が80.8%と突出。「助成金、委託事業収入」や「寄付金・協賛金」など外部資金の減少が要因の多くを占める一方で、「活動の認知度が低い」という根本的な要因も。
  • 資金の使いみちとしては、「有給スタッフの雇用維持・拡大」が半数以上を占め、そもそも全員がボランティアで成り立っている団体もあるという、活動の持続可能性に関する課題も浮き彫りに。
  • コロナ禍においても、「一度も休止せず活動を継続している」が57.7%も。継続・再開のきっかけは、「支援をしている子ども・家族のために活動するべきと強く思ったから」など、活動の社会的意義を強く意識した結果に。
  • ④コロナ禍における活動への影響は、「多くの人が集まるイベントの開催ができない」が半数以上を占める。「活動資金の確保」や「活動の認知度向上」という恒常的な課題に、コロナ禍がさらに拍車をかけている

調査設計

  • 調査方法:Webアンケート
  • 調査対象:病気や障がいを抱える子どもとその家族の支援活動や調査研究を行う団体・個人
    (過去に本財団の助成・顕彰事業へご応募いただいた方)
  • 回答者数:52名
  • 実施期間:2020年10月20日〜11月11日

※文中および表中の数字は、小数第2位を四捨五入しているため、単一回答の質問についても全体の%が100%と異なることがあります。

調査詳細

Q1.普段の活動で課題に感じていることは何ですか?特に重要と感じるものを3つまでチェックしてください。(複数回答)

Q1.普段の活動で課題に感じていることは何ですか?特に重要と感じるものを3つまでチェックしてください。(複数回答)

「活動資金の確保」(80.8%)が突出しており、次いで「活動の認知度向上」(38.5%)、「行政・教育機関・医療機関・企業・他NPO団体などとの連携・協力」(30.8%)となりました。

Q2.普段の活動資金の調達方法について、当てはまるものを全てチェックしてください。
(Q1.で「活動資金の確保」を選んだ方のみ、複数回答)

Q2.普段の活動資金の調達方法について、当てはまるものを全てチェックしてください。(Q1.で「活動資金の確保」を選んだ方のみ、複数回答)

「民間団体からの助成金・委託事業収入」(78.6%)が一番多いながらも、「寄付金・協賛金」(66.7%)、「会員からの入会金・年会費」(57.1%)、「行政からの助成金・委託事業収入」(52.4%)などにも合わせて取り組んでいる団体・研究者が多いことがわかりました。

Q3.活動資金の確保が課題となっている要因として何がありますか?最もメインとなるものの番号を1つだけチェックしてください。(Q1.で「活動資金の確保」を選んだ方のみ、単一回答)

Q3.活動資金の確保が課題となっている要因として何がありますか?最もメインとなるものの番号を1つだけチェックしてください。(Q1.で「活動資金の確保」を選んだ方のみ、単一回答)

「寄付金・協賛金の減少」(19.0%)、「行政からの助成金、委託事業収入の減少」(16.7%)、民間団体からの助成金、委託事業収入の減少(14.3%)などが多く挙げられる一方で、「その他」(42.9%)の意見として、「活動の認知度が低い」というそれぞれの調達方法に関わる根本的な要因や、「難病や希少疾患の場合、確定診断までに全国平均で約4年かかり、補助金決定までが長い」といった特有の要因なども挙げられました。

Q4.もし活動資金が確保できた場合、何に使いたいですか?最もメインとなるものを1つだけチェックしてください。
(Q1.で「活動資金の確保」を選んだ方のみ、単一回答)

Q4.もし活動資金が確保できた場合、何に使いたいですか?最もメインとなるものを1つだけチェックしてください。(Q1.で「活動資金の確保」を選んだ方のみ、単一回答)

→回答の半数以上を占めた「有給スタッフの雇用維持・拡大」(52.3%)については、本アンケートの回答者(支援団体のみ)平均で、スタッフ1人につき約7.7人の子どもたちと向き合っていることがわかっています。また「有給のスタッフがいない」「有給スタッフを雇える状況にない」といった意見も複数寄せられ、そもそも全員がボランティアで成り立っている団体もあるという、活動の持続可能性に関する課題も浮き彫りとなりました。次いで多かった回答としては、「必要備品・器具・車両などの購入」(15.9%)でした。

Q5.Q1.で選んだ課題について、解決・改善のために取り組んでいることがありましたらコメントください。(自由回答)

・「活動資金の確保」:長期の支援継続につなげるため、広く活動を紹介できるよう取り組んでいますが、患者のプライバシー保護や、病院のコンプライアンスを遵守しながら活動の理解や関心をいただける手段を模索中です。

・「活動の認知度向上」:“かわいそうだから支援”ではなく、“手助けできることがあり、それをすると病児だけでなく自分も幸せになる”と支援者の皆さまに感じてもらうことを意識して、認知の向上を図っています。

・「外部との連携・協力」:医療機関や他団体との連携協力については、医師やボランティア団体のネットワークを活用させていただくことで解決しています。また、フォーラムやセミナーなどの場を活用して企業や団体との連携協力につなげています。

・「活動成果の測定」:成果指標は支援人数ではなく、“病気があっても子どもが幸せに生きられる社会の実現”であり、“外出をためらわせる社会からの圧を下げること”だと思っています。ご家族に配慮した発信の仕方に常に悩みます。

Q6.コロナ禍において、活動は継続していましたか?当てはまるものを1つだけチェックしてください。(単一回答)

Q6.コロナ禍において、活動は継続していましたか?当てはまるものを1つだけチェックしてください。(単一回答)

「一度も休止せずに活動を継続している」が計57.7%と半数以上を占め、「活動を休止していた期間があったが、今は活動を再開している」が計32.7%となりました(それぞれ内容に一部制限ありも含む)。活動を休止していた期間としては、「6ヶ月以上」(22.7%)が最も多く、「1〜2ヶ月間(緊急事態宣言期間中)」(18.2%)、「約3ヶ月間」(18.2%)と続きました。

Q7.活動を継続・再開したきっかけは何ですか?最もメインとなるものを1つだけチェックしてください。
(Q6.で「活動を継続・再開した」と選んだ方のみ、単一回答)

Q7.活動を継続・再開したきっかけは何ですか?最もメインとなるものを1つだけチェックしてください。(Q6.で「活動を継続・再開した」と選んだ方のみ、単一回答)

「支援をしている子ども・家族のために活動するべきと強く思ったから」(45.8%)が最も多く、次いで「支援をしている子ども・家族からの強い要望があったから」(20.8%)、「地域での感染拡大状況が落ち着いたから」(8.3%)となりました。また、「感染対策のための備品や環境が整ったから」や「人手を確保できようになったから」といった環境要因を1番の理由として挙げた回答者はおらず、感染拡大状況を鑑みながらも活動の社会的意義を強く意識し継続・再開されている方が多い、という結果に至りました。

Q8.コロナ禍の活動で、どのような影響がありましたか?最もメインとなるものを1つだけチェックしてください。(単一回答)

Q8.コロナ禍の活動で、どのような影響がありましたか?最もメインとなるものを1つだけチェックしてください。(単一回答)

「多くの人が集まるイベントの開催ができない」が半数以上(52.0%)を占め、「施設の休業などにより活動場所が確保できない」(12.0%)と「活動資金の確保が難しくなった(会費・寄付金・融資の減少など)」(12.0%)が続きました。
最も多かった「イベントの開催」については、Q1.の普段の活動時における主要な課題である「活動資金の確保」や「活動の認知度向上」に大きく寄与するものであり、恒常的な課題にコロナ禍がさらに拍車をかける現状となっていることがわかりました。また「活動場所の確保」については、「事務所を持たず公共のスペースを活用して活動を行っているため、コロナ禍で安定的に確保できなくなった」といった意見も挙げられました。

Q9.新型コロナウイルス感染再拡大の可能性に備えて、課題に感じていることは何ですか?特に重要なものを3つまでチェックしてください。(複数回答)

Q9.新型コロナウイルス感染再拡大の可能性に備えて、課題に感じていることは何ですか?特に重要なものを3つまでチェックしてください。(複数回答)

「オンライン、IT機器の活用など、支援活動・調査研究の新しい方法を考える」(55.8%)が最も多く、「感染対策のための活動ルールや運営マニュアルの整備」(38.5%)、「感染対策のための備品を確保する」(26.9%)と続きました。また「元々の活動に必要な備品を確保する」も17.3%を占め、医療的ケア児のための消毒液、アルコール綿の確保など、病気を抱える子どもたちを支援する団体ならではの課題となりました。

Q10.Q9.で選んだ課題について、解決・改善のために取り組んでいることがありましたらコメントください。(自由回答)

「オンライン、IT機器の活用など、支援活動・調査研究の新しい方法を考える」:

・研究調査場所が医療施設であるため、所属している研究者がそれぞれの場所で実施し、施設部外者の出入りが無いように変更した。

・小児病棟の面会が制限されていることから再開の目処はたちません。そこで、オンラインセッションや普段行っている活動の動画を病室で見てもらうなどの方法へ移行する予定です。

「感染対策のための活動ルールや運営マニュアルの整備」:

・医療系学会の感染対策ガイドラインなどを参考にしています。

・通常保育は関わる人数を制限し、親子が安全に過ごせる環境を提供できるよう、できる限りの対策を整えた。人が多く集う行事の開催は、会場型とオンライン型を同時活用している。

「その他」:

・医療的ケア児とそのご家族の心理面や身体面の負担の増加:オンライン座談会の開催やグループメールなどを活用し、ご家族たちの孤独感や心理的なストレスの軽減を意識したやりとりを継続しました。

・外部との連携:感染が再拡大した場合にそなえ、病院と連携して状況に応じた支援の方法の検討を進めている。

以上