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- News Letter -
小林製薬の「糸ようじ」®※130周年
愛され続けて30年 これまでとこれから
8月18日を「糸ようじの日」※2に制定

  1. ※1「糸ようじ」は当社の登録商標です。
  2. ※2一般社団法人 日本記念日協会により2017年5月31日に制定されました。
    由来は歯(8)と歯(8)の間に糸(1)が通っていることから。

感謝のご挨拶

2017年は、私ども小林製薬グループにとって100期という節目の事業年度となります。またその中で、当社のロングセラー製品「糸ようじ」も本年で発売30周年を迎えました。
成長を支えてくださった方々に心より感謝申し上げます。

愛され続けて30年「糸ようじ」の歩み

1.誕生秘話~きっかけは新幹線の車内でした~
1987年11月に発売した「糸ようじ」は、デンタルフロスとつまようじを一体化させた歯間清掃具です。「糸ようじ」開発のきっかけは、新幹線の車内で外国人女性が人目を避けるようにしてデンタルフロスを使っているのを小林製薬の社員が見かけ、「一体あれは何だ!」と衝撃を受けたことが始まりです。当時、欧米で主流だったデンタルフロスは、日本でも歯科医院で推奨され始めてはいましたが、歯間清掃の習慣自体が定着していなかったこと、つまようじに慣れた日本人には糸タイプのフロスは使いづらかったこともあり、まだ一般的に普及していませんでした。そこで、使いやすく、汚れが手軽に確実に取れるものを目指し試作を重ね、その数は数百種類にものぼりました。また、試作品のモニターも当初は社内ボランティアが約50人でしたが、最終段階では社員とその家族を含め数百人になりました。この結果、一方に弓型にフロスが張られ、もう一方にはカギ状にカーブしたつまようじで、奥歯の歯間や、歯の裏側などの食べかすも取り除ける現在の形状に辿り着きました。

初代「糸ようじ」1987年発売初代「糸ようじ」
1987年発売

「糸ようじ」発売当時の資料画像「糸ようじ」発売当時の資料画像

2.歯間清掃の新習慣を創造
製品の特性に加え、日本で浸透していなかった歯間清掃具の必要性を伝えるために、発売直後からTVCMを開始しました。
TVCM放映当初は、歯の間から食べかすが出てくる演出から「汚い」「不快だ」「食事時に広告を流さないでくれ」といったクレームが多数寄せられ、それによって広告を自粛したこともありました。しかし、歯の健康を保つことがお客様の身体全体の健康に繋がるはずだと信じ、「歯の間みがき」を訴求しつづけました。その結果、「糸ようじ」は多くの人々の生活に浸透し大ヒット、歯間清掃という新習慣を創造しました。それから30年が経った現在、2016年には16億円に上る売り上げを誇り、歯間清掃市場No.1製品(※)となりました。※当社調べ

歯間清掃の新習慣を創造

当社では、「消費者に製品内容が的確に伝わる」商品ネーミングを意識しており、新しさと分かりやすさの両立にこだわり続けています。「糸ようじ」もその一例で、1995年に商標登録されています。その後、「糸ようじ」は無事市場に定着し、お馴染みの製品に成長しました。

3.歯間清掃の必要性と効果
歯の表層(歯冠部)は、人体の中で最も硬い組織であるエナメル質に覆われています。エナメル質部分に付着した歯垢は、付着後すぐにブラッシングをすれば取り除きやすいものの、放っておくと石灰化して歯石になってしまいます。その為、歯石は、特に歯ブラシによるブラッシングだけでは届きづらい歯間部、奥歯の裏面、歯周ポケット付近に多くできる傾向にあります。歯石は一度出来てしまうと、日々のケアでは除去できず、虫歯の原因にもなるため、歯垢段階での除去が重要です。歯垢除去のために、歯間清掃具を使用することの効果について実証しているデータが下記のグラフです。歯ブラシのみでは全体の60%弱の歯垢しか除去できていなかったものが、デンタルフロスを使用することで86%、歯間ブラシの併用では、ブラッシングのみよりも40%近く高い95%にも達することがわかっています。

歯間ブラシとデンタルフロスの清掃効果

4.歯科医インタビュー~歯間清掃について~
歯ブラシだけでは歯の隣接面の汚れを取ることは難しいです。隣接面の汚れや歯垢が残っていると虫歯になりやすいので、きちんとケアする必要があります。虫歯や歯周病の原因となる歯垢はフロスを歯間部に入れるだけでは取れにくく、歯面に沿わしながらこすることが必要ですが、上手にできない人もいます。また、勢いよくザクッと歯間に入れてしまったり、歯周ポケットの中まで入れてしまったりして、歯肉を傷つける危険性もあります。
小林製薬の糸ようじの糸は6本糸が帯状にならんでおり、歯面に沿わしながら清掃しやすいように工夫がされているので、フロスが使いにくい人や初めて歯間清掃する方には使い易いと思います。また糸を帯状にすることによって歯間部に入れやすく、勢いよくザクッと入りにくい工夫をしてありますが、これからも継続して適切な使用方法を使用者に伝えて欲しいと思います。

柿本 和俊 先生

インタビューコメント:
大阪歯科大学
医療保健学部 口腔工学科
学科長 教授 柿本 和俊 先生

5.オーラルケアの変化と「糸ようじ」進化の歴史

1981年
世界保健機関(WHO)、国際歯科連盟(FDI)により口腔保険に関する国際目標「歯科保健目標」が提唱されました。

1989年
厚生省(当時)と日本歯科医師会による、「80歳で20本の歯を残す」ことを目標に掲げた「8020運動」がスタート。歯間清掃が歯周病予防に効果的であることが徐々に認知され始めました。

2001年
厚生省(当時)により始められた「健康日本21」で、生活習慣の目安となる9分野のうちの1つとして「歯の健康」が入り、歯周病が糖尿病・循環器病・がんと並んで、生活習慣病として位置づけられました。

2007年
全身の健康と歯・口腔の健康との関係性が明らかになり、政府のまとめた「新健康フロンティア戦略」では、推進策として掲げた9分野に「歯の健康力」が盛り込まれました。

こうした国の動きに加え、就労形態や食事、睡眠など、生活スタイルの変化も重なり、生活者の歯と口内に関する悩みが多様化し、オーラルケアに対するニーズは大きく2つの方向で進化しています。
1つ目は、家族みんなが同じ歯磨き粉を使う一律のケアから、それぞれの年代・性別・症状に合わせたひとり一人のケアが求められるようになってきた「パーソナル化」。2つ目は、歯の表面のブラッシングから、歯の間や歯茎の溝ケア、さらに舌苔や口内全体のケアなど、「ケア範囲の広がり・工程の複雑化」です。
このような時代・ニーズの変化に対応して、「糸ようじ」も進化していきました。1990年代後半には低価格の類似品も登場し始め、競合環境が激化、他社製品との差別化が急務となりました。そこで、1999年4月、これまで1本の丸い糸だったものを、細い糸200本を帯状に並べた形に進化させた「糸ようじ200本糸」を販売し、”からめ取る“というコピーを生み出しました。更に、同年10月には糸の強度を高めるため、試行錯誤の末、複数の細い繊維からできている糸を6本並べた形状の「糸ようじ6本糸」が誕生しました。糸の改良に加え、2011年には「糸ようじミント付き」を、2016年4月にはこれまでよりも細くなめらかな糸を採用し、4本で構成された「入りやすい 糸ようじ」を発売しました。

「1本の丸い糸」から「細い糸200本を帯状に並べた形状」へ進化。その後、試行錯誤の末、現在の6本糸形状が誕生。「1本の丸い糸」から「細い糸200本を帯状に並べた形状」へ進化。
その後、試行錯誤の末、現在の6本糸形状が誕生。

「糸ようじ」の現在地と今後

1.奥歯への使いやすさを改良、「糸ようじ Y字型」を新発売
2017年4月5日(水)から「糸ようじ Y字型」を全国の薬局・薬店、スーパー、ホームセンターなどで新発売しました。これは、歯垢が溜まりやすく、歯ブラシや従来のデンタルフロスではアプローチしづらかった奥歯の歯間にも使いやすいように改良したものです。左右、上下のいずれの持ち方をしても、しっかり指が置けて持ちやすいグリップ設計を採用し、フロスの位置と持ち手の位置を近づけたことで、コントロール性を高め、奥歯に届きやすいコンパクト設計で使いやすさを実現しました。

「糸ようじ Y字型」「糸ようじ Y字型」

2.これからの「糸ようじ」について
(マーケティング・研究部門 担当者インタビュー)

●マーケティング部門 担当 岡野勇太
成人の約8割が患っており今や日本人の国民病とも呼べる歯周病。そんな歯周病の予防に効果的な歯間清掃を、習慣的に行っていただくために糸ようじは生まれました。そして、発売から30年が経ち、徐々にお口の健康習慣として定着してきました。これからも、より多くの方のお口の健康をサポートするために、使いやすさと効果にこだわり、幅広いニーズに合わせて進化していきます。

岡野勇太

●研究部門 担当 前田晋吾
「糸ようじ」
食べカスや歯垢を6本の糸がごっそり取る「驚き」

「入りやすい糸ようじ」
4本の糸が歯間にスルッと滑らかに入る「驚き」

「糸ようじY字型」
上下左右どんな持ち方でも持ちやすい「驚き」

このようにご使用いただいた方に、「これはスゴイ!!」と常に「驚き」を与え続けられるような製品開発を行ってまいります。

前田晋吾

3.8月18日「糸ようじの日」に制定
「糸ようじ」の30周年を記念し、毎年8月18日を「糸ようじの日」とすることを日本記念日協会(※)へ申請し、2017年5月31日に認定されました。8月18日とした理由は、8(歯)と8(歯)の間に1(糸)が通っていることを連想したからです。「糸ようじの日」制定を記念し、毎年8月18日に向けて、店頭での販促に力を入れるとともに、歯間清掃意識の大切さを啓発していく予定です。
※既存の記念日に加え、団体、企業、個人を問わず申請のあった新たな記念日の登録と認定を実施する団体

「糸ようじの日」登録証「糸ようじの日」登録証

“あったらいいな”をカタチにする小林製薬のオーラルケア

小林製薬は「糸ようじ」の他にも、歯間ブラシに対する「歯ぐきを傷つけたくない」というニーズに注目して開発したゴム製の「やわらか歯間ブラシ」や、歯グキの腫れや出血を伴う歯槽膿漏を防ぐ「生葉(しょうよう)」、炭がニオイの元になる歯垢や汚れを除去する「スミガキ」、ニンニク料理やアルコールを摂取した後にお腹の中から息をリフレッシュする「ブレスケア」など、様々なニーズにお応えするオーラルケア製品を取り揃えています。
これからも、暮らしを視つめ、お客様の声に耳を傾け、オーラルケアの“あったらいいな”をカタチにすることで、歯の健康から生活者おひとりお一人の身体の健康に貢献していきたいと願っています。

「やわらか歯間®ブラシ」「やわらか歯間®ブラシ」

「生葉®」「生葉®

「スミガキ®」「スミガキ®

「ブレスケア®」「ブレスケア®

<appendix>
小林製薬のオーラルケア、糸ようじの30年の歩み

3章 「糸ようじ」の歩み ~日本のオーラルケア対策の変化に合わせて常に新しい価値を提供~

3章 「糸ようじ」の歩み ~日本のオーラルケア対策の変化に合わせて常に新しい価値を提供~

「糸ようじ」ブランド各商品の“開発秘話”

「糸ようじ」誕生(生活の中の奇異な光景 ⇒ 社員の家族を巻き込んで製品化)
「糸ようじ」の開発のきっかけは、新幹線の中で、外国人女性が人目を避けるようにしてデンタルフロスを使っている姿を後の開発担当者が見て、「あれは何だ」と衝撃を受けたことが始まりです。当時の日本では、歯科医院で推奨され始めていたものの、一般的には普及していない状況でした。早速、国内外からデンタルフロス関連製品を集め、研究を開始したところ、つまようじになれた日本人にはフロスは使いにくいという問題が浮かび上がってきました。使いやすく、手軽に使えるものを目指して、数百種類もの試作品を作り、社員とその家族、約数百人に上る大掛かりなモニターテストを実施。こうして現在の一方は弓型にフロスを張られ、もう一方の先は鍵状にカーブしたつまようじで、奥歯の歯間や、歯の裏側などの食べかすも取り除ける現在の形状に辿り着きました。発売前は、卸代理店や小売りからは、あまり売れないのではないかという反応だったものの、年末年始のTVCMも功を奏し、一時期店頭から商品がなくなるほどヒットで大人気を博しました。

初のリニューアル そして・・・(1本 ⇒ 200本 ⇒ 6本と改良を重ねた糸ようじのフロス)
1990年代後半になると、低価格の類似品も登場し始め、競合環境が激化し、歯間清掃具のパイオニアである「糸ようじ」も差別化を図る必要が出てきました。発売開始から12年経った1999年、その後の糸ようじの発展に大きく関わることとなった製品の改良に取り組みました。改良点は、糸の本数。それまでは1本の丸い糸だったため、狭い歯間に入る瞬間に引っかかりがあったほか、勢いよく入れると歯茎を傷つけることがあり、その点に着目しました。そこで、細い糸を平たく縦に200本並べ、入りやすさと歯間への接地面積を向上させました。この時に「糸ようじ」の最大の特徴である“からめ取る”というコピーが確立したのです。しかしまたしても課題が浮上。歯間への入りやすさを追求し1本1本の糸を細くしたため、すぐに切れたり、抜けたりと耐久性が弱くなってしまうという問題が発生しました。そこで、歯間への入りやすさと歯間への接地面積を維持しつつ、糸の強度を高めるため、更なる改良を実施。思考錯誤の末、1本が複数の細い糸からできている糸を6本縦に並べた現状の形状にたどり着き、現在の”6本糸で歯垢をからめ取る”というパッケージコピーが確立しました。

以上


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