ニュースリリース

レポート

“現代社会の新しい疲労+温活アプローチ” に関するメディアセミナーを開催

デジタル機器やマスクの使用によって、「耳疲労」を抱える人が急増中
不眠・不調のケアにつながる新たなキーワードは“耳温活”

~小林製薬、耳温活でリラックス効果を高める研究結果を発表~

睡眠サポート製品『ナイトミン』ブランドを展開する、小林製薬株式会社(本社:大阪府大阪市、社長:小林章浩)は、2022年1月20日(木)に“耳温活”に関するオンラインセミナーを開催いたしました。
本セミナーでは、きたにし耳鼻咽喉科の北西剛先生より、近年の生活環境の変化による「耳疲労」の症状と、その対処法の1つである“耳温活”についてご講演いただきました。また、小林製薬株式会社 日用品事業部 サーモ&ウェルネスケアカテゴリー ウェルネスケア研究開発グループ 氏家彩奈より、耳を温めることのリラックス効果についての研究発表をいたしました。以下、ご講演及び研究発表の内容です。

<ご講演>

耳疲労の今だからこそ「耳温活」のススメ

~耳疲労が及ぼす睡眠への影響と温めることのリラックス効果~

きたにし耳鼻咽喉科 北西剛先生

■「耳疲労」になる環境が整う現代

基本的に耳には休む時間がありません。日中の電車やドライヤー等の、自身が騒音と感じていないような場面も、耳にとって大きな負担になっている可能性があります。特に昨今はデジタル機器の長時間使用や、マスク着用による影響もあり、日常の生活習慣の中に、耳疲労を引き起こす原因が多くある環境と言えます。

■耳疲労は「睡眠」にも大きな影響が

耳疲労から生じる不調としては、耳鳴り、ふらつき、めまいが非常に多く、他にも、近年の感染症禍での不安や在宅での生活環境の乱れで、だるい、しんどい、頭が痛い等の不定愁訴や機能性身体症候群というような症状が見られます。さらに、聴覚は就寝中も常に働くため、寝付きづらい、夜に何度も起きる、すぐに目が覚めてしまう、起床時にすっきりしない等の睡眠に関する不調も深刻です。このような病気として症状が現れる前の“未病”に対するケアが大事になります。

■最大のセルフケアは‟耳温活”

睡眠にまつわる悩みの増加や未病人口の増加などを背景に、手軽にできるセルフケアとして、耳を温めるということの重要性がクローズアップされています。眠気が高まる要素として、深部体温が低下すること、皮膚温度と深部体温の差が小さくなることが挙げられます。入浴で上昇した深部体温を低下させる(身体から熱を放散させる)には90分程かかるため、入眠直前は入浴ではなく、耳温活や足湯が適しています

例えば、カイロで耳を包み込むことや、外出時にマフラーや耳あて等で耳をカバーして冷やさないようにするだけでも耳疲労が緩和されます。また、気持ち良い強さ・角度で耳を引っ張ったりするマッサージや、セサミオイル等のオイル類を温めて塗るのも効果的なケアです。

<研究発表>

耳を温めることのリラックス効果について

小林製薬株式会社 日用品事業部
サーモ&ウェルネスケアカテゴリー ウェルネスケア研究開発グループ
氏家彩奈

■研究の背景

以下の点から、耳の温めによる自律神経機能及び身体への影響について研究を行いました。

  • 近年の生活環境の変化により、ストレス等のメンタル面の不調※1や、自粛生活による冷えが増加※2していること
  • 温熱刺激と自律神経機能に関する研究が多数報告されている3こと
  • 耳介(一般生活でいう顔の外に出ている耳の部分)には自律神経機能に関与する迷走神経が存在し、迷走神経には心身のリラックスに関与する副交感神経線維が約75%含まれていることから、耳への温熱は自律神経機能に影響を与えやすい45ということ
  • 耳介への鍼灸治療による痛みに対する即効性が報告されており6耳介への刺激は即効性が高いということ

■結果

  • 耳介への温熱刺激は副交感神経を優位にさせ、リラックス効果を高める可能性が示唆された
  • 耳介への温熱刺激は、簡便かつ即効性のある心身リラックスの有効手段の1つと考えられる

以下、研究結果です。(本研究結果は、第25回日本統合医療学会にて発表しました)

耳を温めることでリラックス度が有意に上昇し、耳を温めた後は手の温かさも実感

主観的リラックス度

手 温かさ 主観評価

耳を温めることで手の甲温度が上昇。耳が温まることで副交感神経が優位となり、

末梢の血管が拡張して皮膚の血流が上昇し、皮膚温が上昇したと推察

耳を温めることで手の甲温度が上昇。耳が温まることで副交感神経が優位となり、 末梢の血管が拡張して皮膚の血流が上昇し、皮膚温が上昇したと推察

耳の温めにより、快適性の指標と言われている唾液中のsIgA濃度が上昇。

耳を温めることでリラックスできる可能性が示唆された

耳の温めにより、快適性の指標と言われている唾液中のsIgA濃度が上昇。 耳を温めることでリラックスできる可能性が示唆された

【試験方法】

対象:健常成人20~40代10名(男女各5名)
場所:きたにし耳鼻咽喉科
使用品:耳介を約40℃20分温め可能な発熱体
評価項目:下記表のとおり

項目
測定方法
内容
自覚症状
VAS(リラックス度)
0:全くリラックスしていない
10:非常にリラックスしている
VAS(温かさ)
0:全く温かくない
10:非常に温かい
皮膚温
手の甲温度測定
温熱耳栓使用あり、使用なし
5分後の手の甲温度測定
自律神経機能
唾液中のsIgA濃度
(快適性指標)
sIgA/コルチゾールのデュアル測定キットを用いて評価
  • ※1 パラミロン研究会調べ(対象:2021年1月8日~10日 関東(1都6県)・関西(2府4県)の20~70代男女1,200名、手法:インターネットリサーチ、機関:株式会社クロスマーケティング)
  • ※2 ウーマンウェルネス研究会調べ「身体の不調と冷えに対する意識調査」(対象:2020年12月21日~12月28日 首都圏の20歳〜59歳男女553名、手法:インターネット調査、
  • ※3 「LF/HFの変化」Kentaro K, et al., ,Japanese Journal of Nursing Art and Science Vol. 8, No. 3, pp 35–41, 2009
  • ※4 Atlas of human anatomy fifth edition, Frank H. Netter,MD
  • ※5 Terry Oleson, Auriculotherapy Manual : Chinese and Western Systems of Ear Acupuncture, fourth edition, 2003
  • ※6 「耳介治療前後の血管痛に対するVAS」竹内茂ら, 透析会誌 50(3):197~201,2017

以上

きたにし耳鼻咽喉科 北西 剛(きたにし つよし)先生 ご略歴

【専門分野】
耳鼻咽喉科、統合医療


【略歴】
1992年 滋賀医科大学卒業、同大学医学部耳鼻咽喉科入局
1994年 豊郷病院耳鼻咽喉科(滋賀)医長
1999年 滋賀医科大学耳鼻咽喉科助手
2001年 彦根市立病院耳鼻咽喉科医長
2005年~ きたにし耳鼻咽喉科 開院
2014年 医学博士号(学位)取得


【耳鼻科関連資格】
一般社団法人 日本耳鼻咽喉科学会 専門医
特定非営利活動法人 日本気管食道科学会 専門医

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