ニュースリリース

お知らせ

~鍵は「代謝時の脂質利用率アップ」にあり~
内臓脂肪を減らす漢方薬"(ぼう)(ふう)(つう)(しょう)(さん)"の効果実証!

小林製薬株式会社(本社:大阪市、社長:小林章浩)は、広島国際大学薬学部(中島正光教授)の協力の下、漢方薬“防風通聖散”が安静時エネルギー代謝の脂質利用率を高め、内臓脂肪低減に役立つことを確認いたしました。本研究成果は6月10日発行の学術誌『新薬と臨牀』に掲載されました。

<研究の背景>

おなかの脂肪には大きく分けて内臓脂肪と皮下脂肪があり、特に内臓脂肪は糖尿病や高血圧、脂質異常症などの生活習慣病をはじめとする様々な疾病の要因となることから、効果的な対策が求められています。一方、漢方薬の“防風通聖散”は、複数の臨床試験で内臓脂肪を減らす効果が確認されており、最近では医療用のみならず一般用漢方製剤としてもその利用が広まっています。これまで“防風通聖散”の作用メカニズムとして、脂肪の燃焼を高める作用や、脂質を便に排出する作用が動物を用いた試験で明らかになっています。しかし、ヒトで内臓脂肪の減少に至るメカニズムを解析した例はほとんどありませんでした。

今回の研究では、30~40代の肥満傾向のある男女に“防風通聖散”を12週間服用して頂き、「安静時エネルギー代謝」に及ぼす影響、及び「体重」や「ウエストサイズ」、「内臓脂肪面積」について評価いたしました。

<結果の概要>

●安静時に体内で消費されるエネルギー源を解析したところ、脂質利用率の増加が確認された。
●服用12週後に体重は平均2.1kg減少し、ウエストサイズは平均3.3cm減少した。
●内臓脂肪は皮下脂肪よりも大きく減少し、著効例では47.5%の減少が認められた。

今回の研究結果から、“防風通聖散“の継続摂取が安静時エネルギー代謝における脂質利用率を高め、内臓脂肪低減に役立つことが確認できました。本成果は、小林製薬の内服医薬品に活用してまいります。

<研究の方法>

ヒトがエネルギーとして利用できる栄養素は、糖質、脂質、蛋白質の3種類が挙げられます。これらの栄養素は安静にしている時でもエネルギー源として積極的に利用されており、1日の総エネルギー消費量の約7割を占めるといわれています。しかし、年齢とともに基礎代謝が低下すると、この安静時エネルギー代謝も低下してしまい、消費されずに残った糖質や脂質はおなか周りで脂肪となって蓄積してしまいます。本研究では、30~40代の肥満傾向のある男女に“防風通聖散”を12週間服用して頂き、安静時のエネルギー代謝に及ぼす影響を呼気ガス分析にて解析しました。また、体重や身体各部位サイズ、腹部脂肪面積などの肥満指標についても評価しました。

<研究結果>

1.“防風通聖散”の継続摂取は、安静時エネルギー代謝を改善し、脂質利用率を高める

服用前、服用4週後、服用12週後の安静時エネルギー代謝について解析したところ、“防風通聖散”の服用前後で消費されるエネルギー源の構成比は大きく変化し、脂質利用率が増加することが判明しました(図1)。

図1 安静時エネルギー代謝に対する“防風通聖散”の効果

安静時エネルギー代謝に対する“防風通聖散”の効果

2.“防風通聖散”は「体重」、特に「ウエストサイズ」を減らす

服用12週後の体重は、平均2.1kg減少しました。この時の身体サイズの変化を観察するため、3次元人体計測装置を用いて身体各部位のサイズを計測したところ、ウエストサイズが最も大きく減少しました(図2)。

図2 体重および身体各部位サイズに対する“防風通聖散”の効果

体重および身体各部位サイズに対する“防風通聖散”の効果

3.“防風通聖散”は内臓脂肪を減らす

服用前、服用4週後、服用12週後に腹部CTスキャンを行ったところ、内臓脂肪は平均17.4%、皮下脂肪は平均9.3%減少し、減少率は内臓脂肪の方が高い結果となりました(図3)。なお、著効例では47.5%の減少が認められました。

図3 腹部脂肪面積に対する“防風通聖散”の効果

腹部脂肪面積に対する“防風通聖散”の効果

<用語解説>

○“防風通聖散”
“防風通聖散”は、トウキ、シャクヤク、センキュウ、サンシシ、レンギョウ、ショウキョウ、ボウフウ、マオウ、ダイオウなど、18種類の生薬から構成される漢方薬である。

○呼気ガス分析
呼気中の酸素および二酸化炭素濃度を測定することでエネルギー消費量を間接的に算出することができる。また、尿中尿素窒素測定と組み合わせることで、糖質燃焼量、脂質燃焼量、蛋白質燃焼量が算出できる。

以上