ブルーレット発売50周年企画『小学校のトイレ快適プロジェクト』本格始動!
小林製薬と松村教授(大阪大学)、日本トイレ研究所で考案した
”つい楽しく”トイレをキレイにする「仕掛け」を大阪から全国へ拡大します
日本初!!「仕掛学※1」から生まれた小学校のトイレ快適プログラムを考案!!
※1 行動変化を強制するのではなく、魅力的な行動の選択肢を増やすことで目的の行動に誘うアプローチ
小学校のトイレは「臭い」「汚い」などの理由から「不快だ」と感じる児童が多いという実態があります。このようなトイレ環境を快適に保つためには「正しいトイレ掃除方法」と「キレイにトイレを使う方法」を知ることが大切ですが、多くの小学校ではそれらがきちんと教えられておりません。
そこで今日、「仕掛学」の発想を用いて「小学校のトイレ快適プログラム」を考案しました。トイレ掃除をゲーム形式で楽しむ「トイレモンスターズ」、トイレの使用時に自然と正しい位置に誘導する「標語シート」と「ステップシール」を開発しました。これらを今年度はまず大阪から、そして来年度以降、全国の小学校へと展開してまいります。
開発にあたり、日本で唯一「仕掛学」を研究されている大阪大学大学院 経済学研究科の松村真宏教授と、トイレのことを長年考え続けてこられたNPO法人「日本トイレ研究所」代表理事の加藤篤氏の両名にご協力いただきました。
▼トイレ快適プログラム
トイレモンスターズ
汚れの原因をキャラクター化
ゲーム形式で楽しく出来るトイレ掃除
標語シート
児童が考えた標語を記載
つい読んでキレイを意識
ステップシール
シールを踏むと自然に
正しい位置で用が足せる
▼開発サポーター
大阪大学 大学院 経済学研究科
松村真宏 教授
<サポート内容>
「仕掛学」の観点から“つい楽しく”やってしまう要素について、様々なアドバイスをいただきました
NPO法人 日本トイレ研究所
代表理事 加藤篤氏
<サポート内容>
「正しいトイレ掃除の方法」を作成していただきました
プロジェクト詳細
1.プロジェクトの概要
小林製薬株式会社(本社:大阪府大阪市、社長:小林 章浩 以下「当社」)は、国立大学法人大阪大学(所在地:大阪府吹田市、総長:西尾 章治郎 以下「大阪大学」)の松村教授と、NPO法人日本トイレ研究所(所在地:東京都港区、代表:加藤 篤 以下「日本トイレ研究所」)は大阪府から全国へと広める小学校のトイレを快適にするプロジェクト『小学校のトイレ快適プロジェクト(以下「本プロジェクト」)』を2019年11月13日(水)に本格始動いたします。
本プロジェクトは、トイレが汚れる原因や正しい掃除の仕方・用具の使い方などをゲーム形式で楽しく児童に理解してもらうことによって、「楽しく」「いつの間にか」キレイにできる状態を作り、トイレの不快な環境を快適に変える社会課題解決のためのプロジェクトです。その第一弾として今年度は大阪からスタートし、来年度以降は全国へと本格的に展開いたします。
2.プロジェクト立ち上げの背景
ブルーレット発売40周年から続く社会貢献活動の一貫で
日本のトイレ環境に寄り添いながら家庭のトイレをキレイにしてきたブルーレットは、2009年に発売40周年を迎えたことを機に「小学校に洋式トイレプレゼント!」活動を開始しました。そこから毎年10~20校の小学校に洋式トイレをプレゼントし、ハード面を充足させてまいりました。
そうした中、今年ブルーレットが発売50周年を迎え、「トイレからニッポンをここちよく」というブルーレットブランドのスローガンのもと、小学校のトイレ環境のソフト面(=キレイを維持する方法)も伝えるべく、本プロジェクトの始動に至りました。
小学校のトイレ課題
今年4月、当社が実施した調査によると、トイレが不快と感じる児童は約33%で、不快な理由は「臭い」がトップ。さらに、トイレを我慢したことがある児童は半数以上でした。※2
※2 2019年4月実施 N=928(小学校1年生~6年生とその親) 当社調べ
3.課題解決の座組み
トイレの「不快」を解決し、児童が我慢せずトイレに行けるようにするために、大阪大学大学院 経済学研究科 松村教授の「仕掛学」と、日本トイレ研究所による「正しいトイレ掃除方法」とを組み合わせたコンテンツを開発しました。
4.今後の展望
当社と包括連携協定を締結している大阪府とも連携し、まずは府内5~6校への導入を予定しています。その後、来年度からさらに全国へと広がるよう、これらのツールをキットとして提供し、導入できる仕組みを検討中です。小学校のトイレ環境を改善し、一人でも多くの児童が適切にトイレに行くことができるようになることを目指してまいります。
5.具体的なプロジェクト内容
- (1)トイレ掃除ゲーム「トイレモンスターズ」
- (2)キレイを維持する仕掛け
・標語シート
・ステップシール - (3)プロジェクトWEBサイト
(https://www.kobayashi.co.jp/toilet-kaiteki) - (4)トイレモンスターズ(トイレ掃除)解説動画
※主に学校関係者向けのガイドブック「学校トイレ快適掃除ガイド」を後日WEBサイトで公開予定です。
【プロジェクト内容の詳細】
<トイレモンスターズ>
トイレモンスターズは、トイレに存在する汚れをモンスターに見立て、掃除道具を武器に、モンスターを倒すトイレ掃除ゲームです。小学校の平均的な掃除時間である15分間がカウントダウンされるBGMにあわせ、掃除の手順や役割が書かれたPOP・首掛けカードを見ながら、モンスターを倒すことで制限(掃除)時間内に楽しく・正しく掃除ができます。終了後に6項目のチェックポイントにそって掃除ができたかを確認することで、さらなるレベルアップにつなげます。
汚れのモンスターは、児童たちに馴染みやすいデザインにし、モンスターを覚えるうちに汚れの原因や、どこに汚れがあるかを理解できるよう、図鑑やPOPで解説しています。さらに、放置して進化させてしまうと倒すことが難しくなるモンスターを作ることで、自分たちが倒せる段階で掃除をしようという気持ちを醸成させています。
<トイレモンスターズ図鑑>
<トイレ掃除POP(一部)>
<トイレのキレイを維持する仕掛け>
トイレ掃除をしてもすぐ汚くなると思っている児童が約50%※3もいました。特に意識せずにトイレをキレイに使ってしまう、またトイレをキレイに使おうという意識を醸成する仕掛けとして、下記2種類のコンテンツを用意しました。
※3 2019年4月実施 N=928(小学校1年生~6年生とその親) 当社調べ
◆標語シート
児童が自分たちでメッセージを書き、トイレのキレイを意識してもらうための標語シートです。トイレを使用する際に正しい位置で見やすくなる場所に貼ることで、標語を読むために自然と正しい位置に誘導する仕掛けです。
学校毎に更新ルールを決めていただき、児童たちから標語内容を募集することで、自分の標語が選ばれることへのワクワク感や、自分や友達の標語が選ばれているか確認したくなる仕掛けで、より標語を書きたく、読みたくなるようにしました。
◆ステップシール
つま先を合わせることで正しい位置でトイレができるステップシールを制作しました。
6.プロジェクトメンバーのコメント
日用品事業部
マーケティング部
福田 覚
ブルーレットのブランドマネージャー
学校トイレを、家庭のようにここちよい空間にしたい。
この小林製薬の想いに、たくさんの皆様にご賛同いただき、素晴らしいアイデアを考える事ができました。
この活動で、将来を担う子供たちの暮らしに「快」を届けたいと心から願っています。
経済学研究科
松村真宏 教授
仕掛学の観点からアドバイス
今回の「トイレモンスターズ」などの仕掛けがきっかけになって,日本の小学生のトイレに対する意識やトイレ掃除に対する知識が変わり,キレイなトイレが当たり前になればと思っています。
日本トイレ研究所
代表理事 加藤篤氏
正しいトイレ掃除方法を作成
子どもが安心できるトイレをつくるには、その環境づくりに参加する仕組みが必要です。心地よい空間とは何か、汚れとは何か、正しく掃除するにはどうしたらよいかなどを学べるトイレ掃除プログラムとして広がることを期待しています。
代表 佐藤ねじ氏
デザイン・クリエイティブを担当
仕掛学の松村先生にもアドバイスをいただきながら、トイレモンスターズなどのコンテンツを作りました。実際にこどもたちが、ゲームを通して汚れのことを前よりも理解し、トイレ掃除のことを知っていく様子を見た時に、とてもグッときました。いろんな学校に広まるといいなと思います。
7.モデル校:岸和田市立東光小学校での実施の様子
モデル校となった岸和田市立東光小学校では、美化委員会の児童にトイレ掃除を楽しくする方法と、キレイにトイレを使うためのアイデアをヒアリングしました。その中で「床に汚れの敵がいると思って掃除をする」や「正しい位置で用を足すと見える間違い探し」などのアイデアをもらい、その発想を盛り込むことでプログラムの開発、導入に至りました。
■岸和田市立東光小学校 プロジェクト実施前後の調査結果
トイレモンスターズなどのコンテンツを導入し3週間後に児童へアンケートを実施したところ、少しずつですがトイレ環境の改善が見られました。
<トイレ掃除が好きな理由(一部抜粋)>
・トイレモンスターズになったからおもしろい
・係を決めて、前はしていなかった掃除ができるから
・キャラクターを倒せると達成感があるから
・どこを掃除するかわかった
2019年10月実施 N=277(東光小学校4年生~6年生の児童) 当社調べ
以上
岸和田市立東光小学校 小林哲雄 校長先生からのコメント
このプロジェクトの立ち上げにあたり、大人が決めたことをさせるのではなく、子どもたちの素直な声やアイデアを大切にしながら進めることができるものと理解しましたので、教職員の協力のもと賛同することにしました。また、この活動を通じ、子どもたちが家庭において、さらには大人になってからも、すすんでトイレ掃除をすることにより、自らの住環境を快適なものにする心掛けができる人に育ってくれることを期待しています。