ニュースリリース

レポート

化粧水の「ふきとり」ケアがもたらす感性価値を科学的に検証

ふきとるスキンケアは、気持ちの「リセット」から「心を満たす大切な時間」へ

「第28回日本感性工学会大会」にて研究成果を発表

小林製薬株式会社(本社:大阪市、社長:豊田 賀一)は、化粧水を浸したコットンで肌を「ふきとる」行為がもたらす心理的・感性的価値を、単回使用と継続使用の2つの研究から検証しました。その結果、ふきとりは一度の使用では「心地よさ」や「リセット感」をもたらすこと、さらに継続することで「心を満たす大切な時間」へ変化する可能性が示唆されました。また、使用実感と機能実感が結びつくことで、化粧水の総合満足度に寄与する可能性も示されました。

本研究成果は、2026年9月16日に「第28回日本感性工学会大会」にて発表しました。

研究成果のポイント

■手で塗布する場合と比べ、ふきとりで「心地よさ」や「リセット感」が高まる可能性
■ふきとりを継続することで、「心を満たす大切な時間」へと変化
■なめらかな使用感と機能実感が結びつき、化粧水の総合満足度に寄与する可能性

〈研究背景〉

スキンケア化粧品を継続して使用していただくためには、肌への効果だけでなく、心地よく使える「感性価値」も重要です。そこで当社は、化粧水を浸したコットンで肌を「ふきとる」というひと手間に着目しました。ふきとり行為がもたらす感性価値を明らかにするため、薬用化粧水を用いて、手で塗布した場合(以下、手塗布)と、コットンでふきとった場合(以下、ふきとり)の一度の使用による心理状態や生理指標への影響と、2週間の継続使用による体感・感情・化粧水の総合満足度への影響を検証しました。

ふきとるイラスト

イメージ図

〈研究内容〉

■研究1 一度のふきとりで、「心地よさ」や「リセット感」が高い結果に

ニキビに悩む女子大学生7名を対象に、手塗布とふきとりにおける心理状態や生理指標の変化を比較しました。その結果、手塗布と比較して、ふきとりでは自律神経全体の活動量を示す「TP」*1と、副交感神経活動の指標である「HF」*2が上昇する傾向が確認されました(図1)。

また、主観評価では、「清浄感がある」「心地よい」「リセットした感じがする」などの項目において、手塗布よりもふきとりで高いスコアが確認されました(図2)。

今回、ふきとりによって「TP」と「HF」の両方が上昇したという結果は、自律神経のリカバリー力を高めつつ、心身のオン・オフを適切に切り替えやすい状態へと導いていることを示唆しています。これらの生理学的な変化と、主観的な「気持ちの切り替え」効果が相まって、コットンによるふきとりケアは、意識や気持ちを切り替える「心理的なリセットのスイッチ」として作用する可能性が示唆されました 。

*1 TP(Total Power)とは
心身の疲労度を示す指標。このパワーが高い状態であれば、ストレスなどで自律神経のバランスが崩れた際にもスムーズにリカバリーできる。
*2 HF(High Frequency)とは
副交感神経の指標。これが安定的に働くことで、休みたい時にしっかり身体を休め、必要なタイミングで交感神経を働かせて集中するといった、メリハリのある状態を作り出すことができる。

図1. ストレス負荷後からの「ln TP」「ln HF」変化量

図1. ストレス負荷後からの「ln TP」「ln HF」変化量

図2.使用感評価(5段階評価)

図2.使用感評価(5段階評価)

試験概要:
ニキビに悩む健常な女子大学生7名を対象に、化粧水を手で顔に塗布する条件と、コットンを用いてふきとる条件などを設定し、介入前後の自律神経活動および主観評価の変化を比較。

■研究2 ふきとりの継続で、単なるスキンケアが「心を満たす大切な時間」へと変化する

25~39歳のニキビに悩む女性107名を、手塗布を行う「塗布群」と、ふきとりを行う「ふきとり群」に分け、2週間の継続使用による体感・感情・化粧水の総合満足度への影響を比較分析しました。

その結果、「ふきとり群」では継続使用に伴い、「なめらかなふきとり感」といった使用実感と、「汚れを除去した実感・ニキビ対策への期待」という機能実感が一体化することが確認されました。また、ふきとりケアが毎日の習慣となることで「自分を大切にしている・いたわっている」という感情(自己報酬感)が、「安心する・満ち足りた」という感情(情緒的充足)へと育まれることが明らかになりました。さらに、この「使用実感と機能実感の一体化を伴う体感」と「情緒的充足を伴う自己報酬感」が連動することで、化粧水の総合満足度へ寄与していることが示唆されました(図3:ふきとり群)。

本研究により、コットンで「ふきとる」という物理的なアクションが、毎日のスキンケアを「心を満たす大切な時間」へと変える重要なスイッチになり得ることが実証されました。一方で、手塗布を行う「塗布群」では体感や感情の一体化はみられず、2週間連用後においても化粧水の総合満足度への有意な寄与は確認されませんでした(図3:塗布群)。

図3:ふきとり群と塗布群の継続に伴う感性価値の変化(イメージ図)

図3:ふきとり群と塗布群の継続に伴う感性価値の変化(イメージ図)

試験概要:
25~39歳のニキビに悩む女性107名を、ふきとり群53名と塗布群54名に無作為に割り付け、同一の化粧水を1日2回、2週間使用。体感・感情・化粧水の総合満足度を経時的に評価し、それぞれの関係を解析。

〈まとめ〉

2つの研究から、特にニキビ対策をコンセプトとして設計した化粧水を浸したコットンで肌を「ふきとる」行為には、肌への機能的価値だけでなく、ユーザーの気持ちに影響を与える感性価値がある可能性が示されました。一度のふきとりは、意識や気持ちを切り替える「心理的なリセットのスイッチ」として作用する可能性があります。さらに継続することで、使用実感と機能実感が結びつき、ふきとる行為が、単なる毎日のスキンケア行為に留まることなく「情緒的充足を伴う自分をいたわる大切な習慣」へ変化し、化粧水の総合満足度に寄与する可能性も示されました。

当社は今後、本研究で得られた知見を活かし、機能だけでなく、毎日心地よく使い続けられる「感性価値」まで考えた製品開発を進めてまいります。

【研究成果の発表先】

本研究成果は「第28回日本感性工学会大会」(2026年9月16日~18日)にて発表しました。

■研究1

学会名:第28回日本感性工学会大会
発表日:2026年9月16日
タイトル:スキンケア行為による心理的リフレッシュ効果
発表者名:今井 柊1)、宮脇 詩織1)、八緒 陸心1)、森下 賀哉1)、中村 行雄1)、西岡 満智子1)、坂口 千翔2)、廣瀬 智士2)
1) 小林製薬株式会社、2) 追手門学院大学

■研究2

学会名:第28回日本感性工学会大会
発表日:2026年9月16日
タイトル:スキンケア化粧水の使用方法による感性価値の変容プロセス
発表者名:宮脇 詩織1)、室 佳奈子1)、中村 行雄1)
1) 小林製薬株式会社

〈『オードムーゲ』ブランドについて〉

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        (新シリーズ「オードムーゲVC」3品について)

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