ニュースリリース

レポート

~敏感肌にはL-カルニチンとセラミドの併用が効果的~
ポイントは、肌の保湿によるバリア機能改善にあった!

小林製薬株式会社(本社:大阪市、社長:小林章浩)は、(未成熟な再構築ヒト表皮モデルにて)ヒト型セラミドとL-カルニチンの併用が、肌の水分を逃がしにくくする効果を持つことを発見いたしました。本研究成果は2019年7月27日に熊本市で開催された「第37回 日本美容皮膚科学会 総会・学術大会」で発表いたしました。

研究の背景

セラミドは角質細部の間を満たす角質細胞間脂質の主成分であり、水分蒸散を抑えて肌の潤いを守るバリア機能物質として非常に重要な役割を果たしています。また、セラミドが少ない肌は水分蒸散量が大きいことが知られています(図1・2)。
当社は、化粧品の保湿成分として知られているヒト型セラミド1,2,3混合物を長年にわたり研究し、「優れた水分蒸散抑制能をもつこと*」や「肌のセラミド産生を促進する効果をもつこと**」、「肌のたるみを改善する効果をもつこと***」を発表して参りました。今回の研究では、ヒト型セラミド1,2,3混合物とL-カルニチンをともに肌に供給することで、バリア機能構造を効率的に構築し、水分蒸散を抑制する可能性について検討いたしました。

*第113回日本皮膚科学会総会にて発表。
**第34回日本美容皮膚科学会総会・学術大会にて発表。
***第24回国際化粧品技術者会連盟中間大会(IFSCC 2017 Conference)にて発表

図1:肌細胞構成イメージ 図2:肌断面イメージ

結果の概要

1.L-カルニチンの添加によりセラミドの足場の材料(ロリクリン)の産生が促進

2.L-カルニチンの添加によりセラミドの足場(コーニファイド・セルエンベロープ)の形成が促進

3.ヒト型セラミド1,2,3とL-カルニチンの組み合わせが肌の水分を逃がしにくくすることを確認

本成果は、今後の小林製薬の化粧品に活用してまいります。

1.L-カルニチンの添加によりセラミドの足場の材料(ロリクリン)の産生が促進

図3:ロリクリン測定

細胞外にepimorphinを発現誘導した角化抑制表皮細胞(※)をL-カルニチンあり・なしの2群に分け27日培養し、セラミドの足場の材料であるロリクリンの産生量を測定しました。コントロールに比べ、L-カルニチンを0.5mg/mL添加した群のほうが、ロリクリンの産生量が多いことが確認されました(図3)。
※細胞外にepimorphinを発現誘導すると、細胞の角化が抑制される。

口頭発表をする浅田研究員
口頭発表をする浅田研究員

2.L-カルニチンの添加によりセラミドの足場(コーニファイド・セルエンベロープ)の形成が促進

ヒト表皮細胞をL-カルニチンあり・なしの2群に分け3日培養し、形成されたコーニファイド・セルエンベロープ(CCE)の量を測定しました。
コントロールに比べ、L-カルニチンを0.125mg/mL添加した群のほうが、CCEの形成を促進することが確認されました(図4)。

図4:CCE測定

3.ヒト型セラミド1,2,3とL-カルニチンの組み合わせが肌の水分を逃がしにくくすることを確認

ヒト表皮を模して細胞を三次元に構築したヒト表皮モデル(角層が未成熟な再構築ヒト表皮モデル、LabCyte EPI-MODEL 6D,J-TEC)を、ヒト型セラミド1,2,3およびL-カルニチンあり・なしの4つの群に分け5日間培養し、初期と5日後の経皮水分蒸散量(TEWL)がどれだけ変化したかを評価しました。

ヒト型セラミド1,2,3およびL-カルニチンを添加しなかった群に対し、双方を添加した群は水分蒸散量の改善量が有意に改善。また、L-カルニチンのみを添加した群に比べ、ヒト型セラミド1,2,3とL-カルニチンを添加した群は水分蒸散量の改善量が有意に改善しました。
これらの結果からヒト型セラミド1,2,3とL-カルニチンの組み合わせが肌の水分を逃がしにくくする効果を持つことが確認されました(図5)。

図5:TEWL改善量(▲TEWL)

上記3つの研究概要より、ヒト型セラミド1,2,3とL-カルニチンの組み合わせは、セラミドの足場を形成促進することにより、効率的にバリア構造を構築したものと考えられます。

【用語解説】
○ヒト型セラミド1,2,3  天然型セラミド。ヒトの皮膚に存在するものと同じ構造をもつ。
○L-カルニチン  ヒトの皮膚にも存在するアミノ酸誘導体。
○コーニファイド・セルエンベロープ  皮膚の角層細胞を包む厚さ約10nmの不溶性の膜状構造。セラミドの足場。
○TEWL  経表皮水分蒸散量。体内から無自覚のうちに角層を通じて揮散する水分量のこと。

以上