

水洗トイレ用芳香洗浄剤
「波乐清ボールーチン」
(日本ブランド名:
液体ブルーレットおくだけ)
PEOPLE
水洗トイレ用芳香洗浄剤
「波乐清ボールーチン」
(日本ブランド名:
液体ブルーレットおくだけ)
入社当初は営業として貪欲に売上アップに取り組んでいた藤江さん。異動をきっかけに今ではすっかりマーケティングのおもしろさのとりこに。マーケティングの仕事の中でも特に思い出深いのが「ブルーレット」の中国進出プロジェクトだったと話す藤江さん。プロジェクトの立ち上げから軌道に乗せるまでの紆余曲折について振り返ってもらいました。
日用品事業部 グローバル洗浄剤カテゴリー
洗浄剤マーケティングブランド管理グループ 所属
2002年入社/経営学部 経営学科卒
ブルーレットの中国進出がプロジェクト化した一番の理由は、14億人規模の中国市場に計り知れない可能性を見出したからです。プロジェクトが動き出した2020年当時、既に「ブルーレットデコラル」などで中国国内に小林製薬への認知があったことも、プロジェクト化の決断を後押しした大きな理由でした。
中国は日本の人口の約10倍を誇るにも関わらず、タンククリーナー市場は日本の60~70%程度です。毎年市場を拡大し「2030年までにシェアNo.1を獲得する」というビジョンは非常に現実味のあるものだと当時は誰もが思っていました。
しかし、そのビジョンはすぐに打ち砕かれることになります。大きな期待感と共にスタートしたプロジェクトでしたが、最初は何もかもが想定通りに進まなかったのです。
想定通りに進まなかった大きな原因のひとつは、日本と中国のトイレ文化の違いにありました。中国のトイレには日本のトイレにあるような「タンクの上の手洗い部分」がないため、「手洗い部分に置くタイプのブルーレット」では普及が見込めなかったのです。
この問題を解決するため、タンクの外側に設置するタイプの製品設計を進めることになりました。設計に当たって特に困難だったのは、大きく分けてふたつ。ひとつめが、置くタイプのように製品に直接水が当たらないため「自然滴下」だけで調整を行う必要があったこと。もうひとつは、中国のトイレはバスルームと一体型のため入浴前後でトイレの温度変化が大きく、日本での品質試験法が流用できなかったことです。
中国現地の研究部門とも連携しながら、100回以上もの「処方開発・滴下テスト」を行い、中国のトイレ文化に合った「ブルーレット」の処方を作り上げていきました。紆余曲折を経て容器や処方に関する課題をクリアし、実際の製造に向けた決裁を取れたのが2022年4月のこと。2年もの時間がかかっただけに、このときの達成感は非常に大きかったことを覚えています。
中国での普及に向けた施策として、特に好事例になったと感じているのが、現地のマーケティング部門と共同制作で打ち出したWEB広告です。中国ではKey Opinion Leader、日本で言うインフルエンサーの活用が主流なので「ブルーレット」の広告戦略もこれに倣いました。するとEC販売において当初の予想を遥かに上回る売上を達成できたのです。
今後は実店舗での売上をいかにして伸ばしていくかが重要だと考えています。特に都心部から少し離れた郊外の店舗は日本の10~20倍規模の店舗もあるので、こうした規模の実店舗にしっかりリーチしていかなければシェアNo.1は見込めません。
現在、中国のタンククリーナーのシェアNo.1は他社製品に譲っている状況ですが、私たちの製品品質には自信があります。さらなる普及に向けた販売戦略を立て、最適なPDCAを回し続け、必ず「2030年までにシェアNo.1を獲得する」という当初のビジョンを叶えてみせます。
製品名のユニークさや社員の人柄に惹かれて小林製薬に入社。営業として売上アップに力を尽くす。入社10年目に営業支援部(現 流通開発部)に異動。
ブランドマネージャーとして衛生関連商品を3年、洗浄剤を4年担当。2020年から「ブルーレット」の中国進出と普及に関わる戦略の立案・推進に携わる。
2023年より洗浄剤マーケティングブランド管理グループのグループ長に就任。部下の育成やより良い組織づくりにも努める。