高昌さん
中央研究所 新規探索グループ所属
2000年入社/人間文化研究科修了

入社1年目から積極的にアイデアの発案や開発・製品化に携わってきた高昌さん。
入社10年目に処方の改良を手がけた「サカムケア」は、国内外の反響を呼ぶ大ヒットに。
入社から20年以上が経った現在、マネージャーとして後進の育成に携わりながらも、
商品開発への意欲はますます高まるばかり。

History at KOBAYASHI History at KOBAYASHI

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入社1~3年目
企画・開発
「就寝時にさす角膜修復とろーり目薬」の開発・製品化を担当。「アイボン」のビタミン配合の安定化、防腐剤フリーを達成。
入社10年目
企画・開発
液体絆創膏「サカムケア」の処方を改良し品質アップに貢献。
現在
開発・薬事・新規事業計画
開発と薬事、および新規領域の事業計画を兼任する組織でマネージャーを務める。

In the beginning

お客さまのお困りごとを解決できる喜びを知る。

入社1年目に担当した「就寝時にさす角膜修復とろーり目薬」は、私の実体験をもとに形にした思い出深い製品です。ある日、角膜への負荷が原因で病院に行ったときのこと。処方されたのはビタミンB2とコンドロイチン配合の目薬だけでした。最初は「これで治るの?」と半信半疑でしたが、数日後にはすっかり治っていたんです。この実体験から「日頃から角膜に負荷がかかるコンタクトレンズユーザー向けの製品がつくれそう」と気付き、アイデア会議で製品案を提出。案が採用され、開発・製品化を任されることになりました。
入社2年目からは洗眼薬「アイボン」の担当になり、先輩の代からの課題だったビタミンの安定的な配合に成功。また、自発的に防腐剤をフリーにする取り組みにも挑戦し、こちらの課題もクリアすることができました。アイデア発案や製品開発を通じて、入社1~3年目でお客さまのお困りごとを解決できる喜びを知れたことは、私のキャリア形成に大きな意味をもたらしたと感じています。

Climax

既存製品の処方を改良し、大きな反響を得る。

入社10年⽬の頃、液体絆創膏「サカムケア」が使用中に容器内で固まってしまう「固化」という現象の原因解明に取り組みました。
「サカムケア」は塗り広げて乾燥し固めて使用する医薬品ですから、当初は「乾燥が固化の原因では?」という意⾒が⼤半でしたが、乾燥では不具合が再現できずにいました。このテーマをひきついだ際、それまでに様々な製剤を開発してきた経験からか、直観的に「水分が固化の原因かもしれない」とひらめき、仮説検証のための実験を繰り返し、固化が再現できました。「サカムケア」は水仕事の前後にご使用いただくことも多い製品であり、水が原因の可能性は十分にあると感じました。
原因の仮説検証を終えた次は、「多少の⽔が⼊っても固化しない処⽅」の実現に奔⾛しました。研究‧開発のプロセスで試⾏錯誤を繰り返し、モニターの⽅に何度も使⽤感のヒアリングを実施。安全性‧有効性の⽴証から処⽅の権利化に⾄るまで、例外的ともいえる短期間で進めることができました。
その後、固化しない処⽅を⽤いた「サカムケア」が市場に出ると、後のインバウンド需要も相まって、国内外から相当な反響をいただきました。こうした開発活動は、会議で研究担当者が経営陣に直接プレゼンするのですが、社長から「すごいね!」と感嘆の⾔葉をいただいたことも良い思い出です。

Progress

以前と比べて、
より自分の専門分野が生かしやすい環境に。

小林製薬が進化した点のひとつは、社員の専門性に応じた分業制が進んだことです。一人でアイデア出しから製品化までを担当すると、確かに幅広い知識は身に付きます。ですが、お客さまが求める製品をいち早く形にするには、それぞれの分野のプロフェッショナルが同時並行で役割に取り組むことが大切。これは、技術蓄積をして会社としての開発能力を向上させるためにも必要なんです。
「それではプロジェクト全体を把握できないのでは?」と思われるかもしれませんが、小林製薬では一人ひとりが明確なテーマを持ち、他部署と連携しながら業務に取り組みます。そのため、常にプロジェクト全体を把握することができます。

For the Future

マネージャーになっても学び、挑戦し続けたい。

現在は開発・薬事を兼任する組織のマネージャーを任されています。薬事として検査薬や医療機器の開発テーマに寄り添いながら、製品化の承認を得ることが主な業務です。加えてデバイスやアプリなど、新規領域の事業計画や開発もこの組織のミッションとなります。
これまでと仕事の中身はかなり変わりましたが、仕事の普遍的な部分はまったく変わっていないと思っています。それは、お客様に喜んでいただける製品・サービスを作りたいということです。そのためには、常に「学び」そして「学び合い」を大切にしています。今の組織でも所属メンバーが常にチャットやwebミーティングなどで発信し合い、お互いの知識を共有しながら学び合っています。
私はマネージャーとして次の世代を育てていく立場ですが、この先どんな形であっても商品開発に携わり、その中で成長とチャレンジを続けていきたいと考えています。だからこそ「マネージャーになっても学べる小林製薬って良い会社だな」と、20年以上勤めた今も強く思います。
学生の皆さんにも取り組みたいこと、つくってみたいもの、いろいろあるかと思います。皆さんが思い描いていることを、小林製薬で一緒に形にできる日を楽しみにしています!