TALK SESSION

上司と部下が関わり合いながら
仕事に取り組むということ。

日用品技術開発部 ウェルネスケア技術開発グループの3名が集まり座談会を開催。仕事のことやお互いのこと、小林製薬の社風などをざっくばらんに話してもらいました。
座談会の中では、若手の松永さんの技術開発職としての適性について話題が及ぶ一幕も。若手の長所と短所にしっかり目を向けたうえでの鋭い指摘、そこから垣間見える上司と部下の真剣かつ思いやりに満ちたリアルなやりとりにもご注目ください!

※掲載情報は取材時点のものです。

MEMBER

松永さん
2021年入社。1年間の工場研修を経て日用品技術開発部に配属。「サラサーティ」ブランドの新製品開発や既存品対応に携わる。会議で不織布のシミュレーションソフト導入を提案するなどチャレンジにも積極的。上流から下流まで携われる小林製薬の技術開発職に魅力を感じて入社したものの、技術開発職に求められる「細かい部分の詰め」が甘いことを自覚し思い悩むことも。
小迫さん
2013年キャリア入社。前職は衛生用品メーカーで開発を担当。小林製薬に入社後は衛生雑貨・スキンケア製品の研究職として「サラサーティ」やマスク、化粧品などの開発に携わる。入社5年目に日用品技術開発部に異動となり、原価計算や量産設計、パッケージ開発など業務の幅を広げる。現在は松永さんと同じチームのチームリーダーとして、マネジメントや新規分野の案件などを担当。3Dプリンターでのものづくりをはじめ、職域とは直接関係のない分野にも挑戦するなど、知識の習得に貪欲な一面を持つ。
藤本さん
1993年入社。若手時代は生産技術や技術開発職で経験を積み、入社15年目の頃合いで新設グループのグループ長に就任。事業部制に移行した後もオーラル技術開発、日用品購買、薬粧品購買など、さまざまなグループのグループ長を務める。2023年より日用品技術開発部 ウェルネスケア技術開発グループのグループ長に就任し、小迫さんと松永さんの上司に。業務の効率化や省人化を見据えてDXに関する取り組みや発表を積極的に行っている。

SESSION#1

お互いの第一印象について

小迫

2023年の1月からこのグループでご一緒していますね。この機会にぜひお互いの第一印象について聞いてみたいんですがいかがですか?

藤本

小迫さんは数年前から同じ部内にいたので、不織布系のプロフェッショナルという印象がもともとありました。独自路線というかブレないというか、小迫イズムを貫いているというか。

小迫

ありがとうございます(笑)。ちなみに松永さんは技術開発職で2年目だっけ?

松永

そうですね、1年目が工場勤務だったので配属2年目です。

藤本

コロナ禍でテレワークも増えて、という中だったので濃い付き合いはコロナ禍が終わってからやもんね。第一印象としては、新人っぽくないとは思ったな。態度がベテランやなと(笑)。

松永

褒め言葉ってことでいいんですよね?(笑)

藤本

そう。しっかりしてるってことやな。

松永

ありがとうございます!小迫さんはいかがでしたか?

小迫

藤本さんのことはもともとよく知っていました。品質やDXの話とかもよくご存知で、相談しやすいですよね。いい方だなと思っています。

藤本

もっと言って。

一同

(笑)

松永

小迫さんは、別グループだったときはお話したことがほとんどなかったんですが、DXの取り組みの発表などで目にすることが多かったので「業務改善に取り組まれている方なんだな」という印象がありました。

小迫

釣りの話で盛り上がったよね。

松永

はい、共通の趣味が釣りということで入社したときにお話していただいて。親しみやすい方だなという印象でした。不織布についてすごく詳しいので、まったく知識がなかった僕からするともうすごい存在で。仕事に対しての取り組み方とか、そういったところも教えていただきました。

藤本

小迫さんから教わったことで印象に残っていることってある?

松永

「僕らのお客さんって誰だと思う?」っていう問いですね。僕は「うちの製品を使っていただく消費者の方」と答えたんです。でも小迫さんは「僕らの仕事はまず、マーケから製品アイデアを相談されて、それを形にして、マーケが納得するものをつくっていく側面がある」と。つまりマーケが最初のお客さんに該当するので、「まずは社内でマーケのイメージを汲み取って形にしていくことが大切なんだ」と教えていただきました。配属されて数日くらいのときですね。

藤本

今でも覚えているということは、それだけ印象に残ってるんやな。

松永

そうですね、あのときのことはよく覚えています。今でも仕事をする際に大切にしている考え方です。

SESSION#2

マネジメントで心がけていること

小迫

藤本さんは部下との接し方で心がけていることはありますか?

藤本

みんなに対して常に「いつでも話しかけてもらっていいよ」っていう姿勢でいるつもり。「今いいですか?」と言われて、「ちょっと後にして」って言ったことはほとんどないと思う。

松永

確かに、藤本さんって話しやすいと感じていました。そういう心持ちでいてくださるからなんですね。

小迫

普段からグループの人たちの様子にも目を配っていると思うんですけど、具体的にはどんな面を見るようにされてるんですか?

藤本

これはね、僕も去年くらいから自分の中の方針を変えたんだけど。「できるだけ長所に目を向けよう」っていう。こっちの方が成果が出るなと思うようになって。

小迫

確かにその方針は感じますね。確かこのグループができたときにストレングスファインダー®(自分自身の強みを見つけるWeb診断ツール)をやりましたよね。それも、個々の強みを伸ばす目的だったんだろうなと。藤本さんが思う、松永さんの得意なことってどういうところだと思いますか?

藤本

プレゼンがうまいよね。本当に聞きやすい。小迫さんはどう?

小迫

プレゼンがうまいのは僕も感じますね。あと、周りを巻き込んで企画をしたりっていうこともうまい。一方で技術開発職としての日ごろの仕事を見ていると、細かい部分への意識がまだ少し甘いかな、とは感じます。神は細部に宿ると言いますから、今後の成長のためにもその辺りを底上げしていってほしいですね。

松永

本当におっしゃる通りです…細かいところを詰めきれない性格で自分でもそこを悩んでいるんですよね。「みんなで何かやろうぜ!」みたいなのは得意なんですけど。

藤本

確かに、松永さんはコミュニケーション能力がすごく高いから、そこを生かした業務で能力を発揮してくれたら良いと思う。さっき小迫さんが指摘したように、技術開発職として細かい部分が苦手なのは確かに課題ではあるんだけど、それを必死で改善するより、長所を伸ばす方が良いんじゃないかなあ。
小迫さんに関しては、知識欲が高くていろんなことに取り組むのが大好きなので、やりたいようにやってほしいな。リーダーとしてマネジメントもしっかりやってくれているし。

松永

僕も、小迫さんの知識量ってすごいなって思ってて。うちの職務の知識だけじゃなくて、たとえば3Dプリンタで電子機器やデバイスを自作されたりとか。
前から聞きたいと思っていたんですけど、小迫さんの知識欲の根源って何なんですか?

小迫

これは、嘘偽りなく小林製薬の人たちが好きだからなんだよね。「これを教えてあげたら喜ぶかもしれない」とか「これができるようになったらみんな喜んでくれるかも」という思いが常にあるね。

松永

それは、すごいことですね!

小迫

マネジメント方針で言うと、一番大事にしているのはやっぱり主体性ですね。「やられさている感」を感じながらだとモチベーションは上がらないので、その仕事に意味があるということを考えてもらう。

松永

そういう小迫さんの方針は日々働いていて感じます。テストとかにご一緒していただくことがあるんですけど「今、そこで何が起こっていて、どういう判断をしたらいいと思う?」っていう質問をよくしていただいていて。そこで先ほどお話した細かい部分の詰めの甘さとかに気づくことがあります。

SESSION#3

短所にどう向き合い、
長所をどう輝かせるか

松永

藤本さんがおっしゃった「部下の長所を伸ばすことを意識している」というのが僕は、正直めちゃくちゃうれしかったんです。

藤本

そうなんや。

松永

僕が細かいところを見るのが苦手というのは去年から変わっていないんです。それはもう本当に技術者として未熟な部分ですし、自分の性格的にもうまくできないことがあって。ただ、長所を伸ばすという言葉をいただけたことで、短所にばかり目が行きがちだったのが、今後は長所にも目を向けられそうな気がします。

小迫

長所も短所もちゃんと見てもらえていたことがうれしかったってことか。そんな松永さんに対して藤本さん、今後期待することは何かありますか?

藤本

特にない。

一同

(笑)

松永

これ、座談会コンテンツとして成立します?(笑)

藤本

冗談です(笑)。ただまあ、今思っていることをそのまま口に出すと、松永さんは技術開発職が天職ではないんだろうなと。

小迫

その心は?

藤本

たとえば今後、松永さんの「細かい部分が苦手」という短所を、技術開発職として求められる最低限のレベルまで何とか引き上げたとする。そうすれば、この部署で最低限やっていけるとは思うよ。でもそれって「この仕事が天職です」ってことにはならないよね。

小迫

なるほど。技術開発の仕事ってやっぱり細かいし、無数もの細かい部分をこれでもかというほど詰めないといけない。もちろん技術開発職の仕事でもコミュニケーション能力が役立つシーンはあるけれど、細かい部分を詰める機会と比べれば天と地の差だし。

藤本

その意味で僕らが松永さんを今の仕事に縛りつけるのはよくないなって。松永さんの企画力やコミュニケーション能力の高さなら、もっともっと能力を発揮して輝ける部署があると思っている部分もある。その辺り松永さんはどう思う?

松永

実は僕、そういった話を以前の上司にしていたんです。小林製薬には、異動を希望する部署に「この部署でやらせてください」と直接自分の想いを伝えられる制度(社内FA制度)もありますよね。先ほどもお話しましたけど「長所を伸ばせばいい」という藤本さんの言葉がすごく心に響いているので、そういう選択肢もあるかなと、再度思っています。

小迫

それこそマーケティングとか、最近ではサステナビリティ戦略推進グループとか、松永さんの長所である、企画力やコミュニケーション能力が生きる部門がいろいろあるしね。今の仕事だけに縛られずに考えるのも、楽しいかもしれないね。

松永

はい。今後どうすべきか具体的にははまだ決めてはいないんですけど…というか細かい部分の詰めのことだけじゃなくて、社会人として必要なこともまだ十分にできていないので(笑)。まずそこの部分をちゃんとしながら、技術開発の仕事に取り組みつつ今後のことも考えつつという感じで、しばらく頑張りたいですね。

SESSION#4

誰もが働きやすい
職場づくりのために

松永

藤本さんのマネジメントスタイルって結構独特だと思っているんですけど、そうなったきっかけって何かあるんですか?

藤本

自分がプレイヤーだったころ、上司に日々不満を抱いてて。あるとき「なんで俺はこんなに不満を抱くんだ」って考えたときに「理想を描き過ぎているからだ」って気づいた。

松永

上司に理想を抱くのをやめたと?

藤本

それよりも「自分が理想の上司になってやろう」と思った。そこからちょっと心の持ちようが変わったなあ。そして、年次が上がってきて自分の発言力も増して、グループ長っていう役割をもらって。そこから一層「自分が思い描いていた理想の上司にならないといけないな」と考えるようになったね。

小迫

理想の上司とはたとえばどんな要素を持った人なんでしょう?

藤本

まず大事なのは現場の人に十二分に能力を発揮してもらうこと。そのために上司はみんなが働きやすい環境づくりをすることが役割だと思っている。例えば、仕事をしていくうえでデメリットになるものを取り除いたり、スムーズにことが運ぶ仕組みを考えなきゃいけない。そういう風にやってきたつもりです。

小迫

あとはさっきもおっしゃっていた、いつでも相談していいよっていう雰囲気を持つことも重要ですよね。

藤本

うん。例えば上司が“報連相をしろ”と口うるさく言ったとして、いつも機嫌悪そうにしていたら報告するのも気が引けるし、遠慮するよね(笑)。そういうのが嫌だからとにかくいつでも、電話でもチャットでもリアルでも「ちょっといいですか」って声をかけやすいようにしておきたい。

松永

どうして藤本さんって話しやすいのか、このお話でもめちゃめちゃ腑に落ちました。今日はお二人からすごく素敵なお話が聞けたって思います。短所について改めて指摘していただけたこと、長所を伸ばす大切さを教えてくれたこと、すべてを受け止めて自分の中で整理して、これからも頑張っていきたいと思います!

小迫

なんかキレイに締めたな。さすがのコミュ力とプレゼン能力(笑)。

藤本

こういうときの締めってベテランがやるもんやで。やっぱり態度ベテランやな。

一同

(笑)