製品を通じた社会的課題解決

基本的な考え方・方針

ステートメント

私たちは、日々変化し進化するお客様のニーズにお応えすることはもちろん、お客様自身も気づいていないお困りごとを発見し、確かな品質の製品・サービスをお届けします。
”あったらいいな”から生まれた製品・サービスが暮らしのなかで新しい習慣となり、”これがないと困る”と感じていただけることを目指します。
それこそが、『あったらいいなをカタチにする』に込めた思いです。
私たちは、「今までになかった満足」を世界中に提供することで社会に貢献し続けます。

当社が生み出してきたニッチ製品は、大部分の人にとってはなくてもよいものに見えますが、特定のお困りごとを持つ人にとってはなくてはならないものです。またこれら製品は、お客さまのお困りごとの解決に留まらず、快適な生活や社会での活躍もサポートするものです。当社の事業活動が広がれば広がるほど、多くのお客さまのお困りごとの解決はもちろんのこと、その背景や周囲にある社会課題を解決することにもつながり、「誰一人取り残さない社会」の実現が近づくと考えています。

中央に家族が寝転んで笑顔を見せる写真があり、その周囲に4つの製品と効用が配置された図。『命の母』は女性活躍(更年期障害)、『糸ようじ』は健康寿命の延長(歯垢除去)、『ナイシトール』は生活習慣病対策(肥満)、『ブルーレット』は家事負担の軽減(トイレ掃除)に関する商品として紹介されている。
世界地図の上に『あったらいいなをカタチにする』というメッセージと同じフレーズが各地域に配置され、世界中で『あったらいいな』を形にする取り組みを表した図。

取り組み

命の母Aの主要原料であるカノコソウの生産農家様との協働活動(北海道)

女性保健薬「命の母」は、女性に多く見られる症状を緩和する医薬品として、1世紀以上女性の心と体の健康を応援しているブランドです。継続して服用されることも多い漢方薬を安定して製造するためには、生薬を持続的に仕入れることが重要になります。
当社では、「命の母A」の主要原料でもある「カノコソウ」の生産に積極的に関わっています。カノコソウは根が細く複雑に絡んでしまうため、生薬として使用するには土を念入りに除去し洗浄する必要があります。また、同じ場所で栽培を続けると生育が悪くなりやすいため、注意を要する薬用植物(生薬)です。
手間暇がかかるカノコソウの栽培を広めるためには、作業の効率化が欠かせません。私たちは官・民・生産者で協働して農業機械や洗浄装置の開発をおこない、生産農家様の生産向上を後押ししています。
2013年から行ってきた当取り組みは、農林水産省により「農林水産物のブランド化や付加価値向上を図る取組」に認定され、2026年に「農山漁村振興への貢献活動に係る取組証明書」を取得しました。
今後も、生産者農家様との協働を進めてまいります。

薬用植物カノコソウの写真。左は野原に咲く淡いピンク色の花、右は掘り上げたカノコソウの根の様子。
カノコソウ
オミナエシ科に属する多年草で、生薬名は「吉草根」。
日本では医薬品の規格基準書「日本薬局方」の初版から掲載されており、古くから活用されてきた。
カノコソウの根と根茎が生薬として活用され、独特の強い香りが特徴。
農山漁村振興への貢献活動に係る取組証明書

人口減少などの課題を抱える農山漁村の活性化に向けて、企業等の多様なリソースを活用した貢献活動を国が公的に証明するものとして、令和7年度(2025年度)より開始されています。

作業の流れ

薬用植物カノコソウの栽培から出荷までの工程を示した図。株の掘り取り、株つくり、施肥・耕起、定植、摘蕾、除草、中耕土寄せ、追肥、病害虫防除、収穫、洗浄、乾燥、調整、袋詰め、出荷までの流れを写真とともに示している。

農山漁村振興への貢献活動に係る取組証明書

農林水産省(MAFF)の「農山漁村振興への貢献活動に係る取組証明書」の文書。実施者は小林製薬株式会社で、北海道名寄市におけるカノコソウ栽培支援の取組内容や目的、活動内容、今後の展望などが記載されている。発行日は2026年3月13日、有効期限は2029年3月末。

地方創生としての生薬研究(高知県)

近年ニーズが高まっている国産生薬を地方創生に繋げるべく、当社は高知県と包括連携協定を結んでいます。高知県は「日本の植物分類学の父」牧野富太郎博士の故郷であり、その業績を顕彰し開園された広大な「高知県立牧野植物園」があります。当社は、2016年からこの牧野植物園と共同で薬用植物(生薬)の試験栽培・加工研究に取り組んでいます。園内の「ジョイントラボ」を拠点に、園内や東豊永地区(長岡郡大豊町)ほかで実施している試験栽培では、当社の「ナイシトールZ」や「命の母A」に使用される薬用植物の試験栽培も行われています。

  • ジョイントラボ:共同研究施設

試験栽培を行う東豊永地区を中心に、高知県を生薬の産地にすることを目指しながら、栽培のノウハウを蓄積しています。また、棚田で栽培する「トウキ」の葉はブレンドティーなどに加工され、ご当地の味にもなっています。今後も、生薬の研究や栽培を通じて、人口減少や耕作放棄地増加などの問題を抱える東豊永地区における農地の保全や産業の創出など、地域の活性化に繋がるよう取り組みを続けます。

山に囲まれた畑で、生薬となる植物を栽培する圃場の様子。防護ネットに囲まれた畝で作業をする人々が写っている。
山に囲まれた畑で、生薬となる植物を栽培する圃場の様子。畝に植えられた植物の間で作業する人々が写っている。

「親子で学ぶ“あっ!と分かる”おりもの教室」を 初めて開催

1988年発売の「サラサーティ」は、表面素材に肌に優しいコットン(綿)を採用した日本で初めてのおりものシートで、女性の健康や快適さを提供するブランドとして社会に貢献してきました。
「おりもの」はカラダからのサインであり正しい知識を身に付けることが大切ですが、「おりもの」については学校教育で学ぶ機会が少なく、大人でもその役割を知らないというのが実態です。
そのような中、歴史があり高品質な「伯州綿(はくしゅうめん)」という素材をもっと多くの方々に知っていただきたいという鳥取県境港市様の思いと当社の思いが一致して、伯州綿の産地である境港市で「親子で学ぶ“あっ!と分かる”おりもの教室」を2024年2月に初めて開催し、小学生を対象に、「おりもの」についての教育と、農業学習の機会を提供しました。
教室では「おりもの」の授業に加え、さまざまなクイズや、収穫された綿から種を取り出す体験、サラサーティがどれくらい「おりもの」を吸収するのかについて簡単な実験を行い、理解を深めました。
事後アンケートでは児童の全員が「参加して楽しかった」と回答し、保護者の方からも「子どもに伝えにくい内容を一緒に学べて良かった」との声をいただきました。教室を通じて「おりもの」の役割やおりものシートについて親子で学び、ご自身の身体を大切に考えるきっかけにしていただきました。
今後も、「おりもの」に関する啓発活動を実施するとともに、思いを同じくする自治体様の課題解決にも貢献していきます。

当社従業員による授業の様子

関西大学北陽高校・キリン堂様と協働したニキビ予防普及啓発

当社ではさまざまなステークホルダーと連携した社会解決の取り組みを推進しています。
一例として、2023年より「関西大学SDGsパートナー制度」に参加し、相互の人的・知的資源の交流と物的資源の活用により、SDGsの取り組みを推進しています。その一環として、同年、関西大学北陽高校が実施する「高校生が挑む社会課題解決『刀』プロジェクト」に参画しました。本プロジェクトは高校生自らが企業と連携し、SDGs達成に向けた実践的課題解決を展開するものです。
取り組みでは、思春期にニキビができると劣等感や恥ずかしさから「自分に自信が持てなくなり友人との付き合いが消極的になる」といった問題を若年層の社会課題と捉え、小林製薬の強みであるニキビ予防の「オードムーゲ」、関西を中心とするドラッグストアチェーン「キリン堂」様と連携し、「ニキビの正しい予防方法について中学生、高校生が興味を持つ伝え方」を北陽高校の生徒と一緒に考えました。
オードムーゲの開発・マーケティング担当チームの伴走のもと、生徒自らドラッグストアでの市場調査や中高生へのアンケート調査を行い、実際にアンケートにおいては中高生の60%以上がニキビに悩んでいることがわかりました。調査結果を踏まえ仮説を立て、当事者である高校生の視点から、効果的な訴求方法のアイデアが複数生まれました。
実際に生まれたアイデアである「音声広告」と「ポスター」は、キリン堂様の店内放送や商品POPを通してニキビ予防普及啓発に貢献しています。
今後も、さまざまなステークホルダーと連携し、製品の強みを活かした社会課題解決活動を推進していきます。

「オードムーゲ 薬用ローション」の販促ディスプレイ。箱の前面には「くり返すニキビ・肌あれ予防」「殺菌・抗炎症成分配合」などの説明が記載されており、ポンプタイプが陳列されている。背景にはアニメ風の女の子のイラストとともに「新学期前に!脱・ニキビ!」「さっぱりと肌をうるおしたい人に」といったキャッチコピーが目立つポップが設置されている。
北陽高校との協働学習にて生徒のアイデアから制作された
ニキビ予防製品「オードムーゲ」の販促物
音響設備のある室内で、学生たちが原稿を手に持ち、マイクの前で指導を受けている様子。数名の高校生と、指導役と思われる大人が輪になって原稿を見ながら話し合っており、録音やアナウンスの練習をしている。
音声広告を収録している生徒の皆さん