気候変動への対応

基本的な考え方・方針

当社グループは、マテリアリティのひとつに「脱炭素の実現」を掲げています。2015年のパリ協定とその後の2016年のCOP26で採択された1.5°C目標を受けて、2030年までのグループ全体のGHG排出量の削減目標を定め、2022年10月にSBTiより「1.5°C水準」の認定を取得しました。この目標を達成すべく、事業の各段階において、省エネルギー活動にとどまらず、製品のライフサイクルの視点から削減活動を行い、長期的なGHG排出量の削減に取り組んでいます。また、2019年にTCFDへ賛同し、TCFDの枠組みに則った報告を行っています。

 

気候変動への対応に関するガバナンス、戦略、及びリスク管理については「TCFD提言に基づいた情報開示」をご確認ください。

TCFD提言に基づく情報開示

指標及び目標

GHG長期排出削減目標

Scope 1,2 の GHG排出量を 2030 年までに 51%削減 (基準年 2018年)
Scope 3 の GHG排出量を 2030 年までに 15%削減 (基準年 2018年)

SBTロゴ

当社では、ESGテーマの中でも気候変動対応を最重要課題と捉え、2030年までにグループ全体のGHG排出量(基準年2018年)をScope1,2は51%削減、Scope3は15%削減する目標を設定しました。※1
この目標は2022年10月にSBTイニシアチブ※2より「1.5°C水準」の認定を取得しました。

また、当社は、2050年までに、グループ全体のScope1,2についてはカーボンニュートラルを目指します。

  1. Scope1,2,3とは
    Scope1:事業者自らによる直接排出
    Scope2:他社から供給された電気などの使用に伴う間接排出
    Scope3:Scope2以外のすべての間接排出
  2. SBTイニシアチブは、パリ協定目標達成に向け、企業に対して科学的根拠に基づいた温室効果ガスの排出量削減目標を設定することを推進している国際的なイニシアチブ。
    環境情報の開示に関する国際 NGO である CDP、国連グローバル・コンパクト、WRI(世界資源研究所)、WWF(世界自然保護基金)の 4 団体が共同で 2015 年に設立。
    SBTイニシアチブのWebサイト(英文)

GHG排出量の推移

  単位 2018年 2019年 2020年 2021年 2022年 2023年 2024年 2025年
Scope1 千t-CO₂ 7 6 6 6 6 6 8 8
Scope2 千t-CO₂ 23 24 18 18 18 18 19 18
Scope3 千t-CO₂ 528 518 447 508 525 559 488 496
2018年から2024年までのScope1およびScope2のCO₂排出量(千t-CO₂)を示す積上げ棒グラフ。Scope1は濃い青、Scope2は水色で表示されいる。
2024年のGHG排出量を示すドーナツ型グラフ。総排出量は515千t-CO₂で、内訳はScope1が8、Scope2が19、Scope3(カテゴリ1)が386、Scope3(その他計)が102。
  • 2024年Scope3の数値に誤りがあったため、2025年11月28日に訂正・更新いたしました。

ESGデータ集

取り組み

Scope1,2 削減のための取り組み

当社は、国内を中心に工場、オフィス、研究所などの拠点が存在します。特にScope1,2は国内工場によるGHG排出が多い状況です。
各製造拠点の環境活動推進者が出席する環境委員会を四半期毎開催し、脱炭素戦略、エネルギー使用・供給リスク管理について製造工場の様々な環境改善活動など具体的な事例の共有し、横展開や改善の進化を推進しています。

エネルギー総使用量 推移(全事業所)
  単位 2018年 2019年 2020年 2021年 2022年 2023年 2024年 2025年
国内 GWh 36.5 36.0 36.2 36.5 38.0 38.9 48.3 49.6
海外 GWh 6.7 7.7 6.5 7.6 8.3 9.7 13.7 13.8
計 GWh 43.2 43.7 42.7 44.1 46.3 48.6 62.0 63.4
エネルギー総使用量 推移(全事業所)

2018年から2025年までの国内および海外のエネルギー総使用量の推移(全事業所)を示す積上げ棒グラフ。国内は濃い青、海外は水色で表示されている。

省エネルギー活動の推進

特にエネルギー使用量の大きい工場においては、売上原単位で毎年1%以上削減することを目標とし、空調機の更新、冷熱設備の断熱強化、照明のLED化、老朽設備の高効率設備への更新などを通じて、工場のエネルギー使用量を抑える活動を進めています。
オフィスにおいても、室温管理の徹底、照明の間引きやLEDへの更新、クールビズの実施、など省エネの取り組みを継続して実施しています。

従来の蛍光灯

従来の蛍光灯

LED照明

LED照明

更新したエアコン

更新したエアコン

更新したエアコンプレッサ

更新したエアコンプレッサ
再生可能電力への切替

工場の電力使用量を抑える活動を進める一方で、今後生産拡大によるエネルギー使用量の増加が予想されることから、国内主要工場の使用電力を再生可能電力(再エネメニュー)へ切り替えています。
2020年には、仙台小林製薬を100%、2023年には富山小林製薬、小林製薬プラックスの一部電力を再生可能電力に切り替えました。今後も段階的に切り替えることで2030年の長期排出削減目標の達成を目指していきます。

太陽光発電設備の導入

当社では2020年より小林製薬プラックス、アロエ製薬にて太陽光発電設備を初めて導入し、以降他工場でも増設を進め、自家発電による再生可能電力の活用を推進しています。海外工場においても2023年合肥小林薬業、江蘇小林製薬に太陽光発電設備を設置しました。

太陽光発電設備(小林製薬プラックス株式会社)
太陽光発電設備(小林製薬プラックス株式会社)
太陽光発電設備(アロエ製薬株式会社)
太陽光発電設備(アロエ製薬株式会社)
太陽光発電設備(合肥小林日用品有限公司)
太陽光発電設備(合肥小林日用品有限公司)
太陽光発電設備(合肥小林薬業有限公司)
太陽光発電設備(合肥小林薬業有限公司)
再生可能エネルギー使用量と比率の推移
    単位 2018年 2019年 2020年 2021年 2022年 2023年 2024年 2025年
再生可能エネルギー総使用量 国内 GWh 0.0 0.0 7.9 8.1 8.1 12.6 26.7 28.1
海外 GWh 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.3 1.2 1.9
合計 GWh 0.0 0.0 7.9 8.1 8.1 12.8 27.9 30.0
非再生可能エネルギー総使用量 国内 GWh 36.5 36.0 28.3 28.4 29.9 26.3 21.5 21.5
海外 GWh 6.7 7.7 6.5 7.6 8.3 9.4 12.5 12.0
合計 GWh 43.2 43.7 34.8 36.0 38.1 35.7 34.0 33.4
再生可能エネルギー比率(再生可能エネルギー/エネルギー総使用量) % 0.0 0.0 18.5 18.4 17.6 26.4 45.1 47.3

Scope3 削減のための取り組み

製品開発におけるGHG削減

製品開発においては、以前より環境配慮を重視しており、環境負荷低減に寄与する自社基準「小林製薬 製品開発エコ基準」を設けています。毎月実施される開発会議において、部署横断でGHG排出量の少ない原料の採用や容器包装資材の減容化など環境配慮した製品の開発を積極的に推進しています。

製品開発エコ基準

サプライヤーとの協働

当社のグループ全体のGHG排出のうち、Scope3が約95%を占めています。当社は多くのサプライヤーと関わりながら製品開発を行っており、サプライチェーン全体におけるGHG排出量の削減は重要課題です。
そのため、サプライヤー様に対して実施しているサステナビリティ評価を通じて、GHG排出量の削減に向けたエンゲージメントにも取り組んでいます。

責任ある原資材調達

GHG排出量の見える化

製品ごとの原料の調達から製造・廃棄までのGHG排出量を見える化し、削減に向けた施策を検討するためカーボンフットプリントの算定体制を整え、一般社団法人サステナブル経営推進機構(SUMPO:さんぽ)の「SUMPO/第三者認証型カーボンフットプリント包括算定制度」の認証を取得しました。本認証の取得は、日本で3社目であり一般消費財メーカーでは初めての取得となります。今後も製品開発における環境負荷低減に取り組み、持続可能な社会の実現に貢献していきます。

GHG排出量の見える化

物流における取り組み

配送トラックの大型化による台数削減や積載量の効率化を図るとともに、ミルクランを推進し、 車両の効率的な運用に取り組んでいます。
配送方法だけでなく、トラックなどにより効率的に積載するために、パッケージや積み方を変更することで積載効率を上げるなど、資源の有効利用・廃棄物の削減も図っています。
また、船舶を使った輸送などモーダルシフトも推進し、「エコシップマーク」も取得しています。

エコカーの導入促進

当社は燃費向上を目指したエコドライブに取り組んでおり、2018年度から営業車をエコカーに順次切り替えています。2025年度のエコカーの導入率は95.0%となりました。

ESGデータ集

第三者保証の実施

当社グループでは温室効果ガス排出量(海外のScope1、Scope2、国内のScope3カテゴリー1)の開示情報の信頼性を高めるために外部の第三者機関による保証を受けました。

今後も、第三者保証を有効に活用し、継続的に排出量算定の精度向上に取り組んでいきます。

  • Scope3の全体の数値に誤りがあったため、2025年11月28日に訂正・更新いたしました。
    なお、保証対象であるScope3のカテゴリー1の数値には変更ございません。
    訂正・更新箇所は小林製薬グループ計「Scope3全体」:521→488、国内「Scope3全体」:395→371、海外「Scope3全体」:126→117。
小林製薬グループの「GHG排出量2025」報告書の1ページ目。Scope1・Scope2・Scope3の排出量が国内・海外別および合計で記載され、外部検証を受けた項目には赤いチェックマークが付いている。
小林製薬グループの「GHG排出量2025」報告書の2ページ目。「GHG排出量の算定方法」を示す表形式の資料で、Scope1・Scope2・Scope3(カテゴリ1〜3)について、対象範囲および温室効果ガス排出量の算出方法が詳細に記載されている。
小林製薬グループのGHG排出量算定資料の3ページ目。Scope3カテゴリ4〜15に関する範囲と算定方法が表形式で詳しく記載されている。
EYロゴが左上にある「独立業務実施者の保証報告書」の1ページ目。2026年6月10日付で、小林製薬株式会社の代表取締役社長宛に、EY新日本有限責任監査法人が発行した文書。本文には、GHG排出量2025に掲載された2025年の環境パフォーマンス指標に関する「保証の範囲」「会社が適用した規準」「会社の責任」「当監査法人の責任」などが記載されている。
独立業務実施者の保証報告書の2ページ目。国際保証業務基準に基づく限定的保証業務について、監査法人の独立性と品質管理、実施した手続を説明している。本文では、職業倫理規程や国際品質管理基準への準拠、証拠の入手方法、内部統制の考慮、質問・分析などの手続が記載され、下部には「主題情報の作成に適用される規準の妥当性の評価」「主要なプロセスやシステム、内部統制についての質問」「分析的手続の実施」「重要な虚偽表示リスクの識別・評価」などが箇条書きで示されている。ページ番号は2。
独立業務実施者の保証報告書の3ページ目。限定的保証業務で実施した手続の続きとして、見積りのプロセスや利用データの評価、選定した国内製造子会社1社での現地往査、数値情報の再計算、抽出サンプルと証憑の照合、主題情報が規準に従って表示されているかの評価などが箇条書きで記載されている。結論として、2025年1月1日から12月31日までの会社および主要子会社の主題情報について、規準に従って作成されていないと認められる重要な点はなかった旨が記載されている。ページ番号は3。

業界団体・イニシアチブとのかかわり

当社グループは、日本製薬団体連合会とその傘下にある日本OTC医薬品協会に加盟し、それらの団体が取り組む「カーボンニュートラル行動計画(旧・低炭素社会実行計画)」に参画しています。また、当社グループは、日本政府が掲げる、2050 年カーボンニュートラルの実現を最も重要なゴールと位置づけている「カーボンニュートラル行動計画(旧・低炭素社会実行計画)」に賛同し、2024年にカーボンニュートラル宣言をいたしました。
当社グループは、気候変動戦略において加盟する業界団体の立場と自社の立場の一貫性を持たせるため、気候変動に関する経済産業省、環境省などの政府系主催のセミナーや業界団体主催のセミナー等に参加し、各種関連団体の気候変動に関する議論等を行い、それらを社内に報告・共有しています。その内容が当社グループの立場・考えに沿っているかを確認し、異なる場合は代表取締役社長を委員長としたサステナビリティ委員会を通じて調整を行います。このプロセスを通じて当社グループの気候変動戦略との活動を一致させています。

環境省の認定制度「エコアクション21」を取得(愛媛小林製薬)

愛媛小林製薬は2004年に全国でもいちはやく環境省の認定制度「エコアクション21」を取得しました。
工場が自然環境に与える負荷を出来る限り抑えるため、省エネや廃棄物削減等には専門の対策チームを設けて、積極的に環境活動を推進しています。
取り組み内容について毎年「環境活動レポート」を発行し、報告しています。

エコアクション21(愛媛小林製薬)

エコアクション21とは

環境省が策定した企業の環境経営を認証・登録する制度です。エコアクション21審査人がガイドライン(環境経営の指針)に基づき企業を審査し、経営内容が評価されると認証・登録されます。